なぜ頭が悪い人はすぐ「副業」を考えはじめるのか?
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントである。実際に企業の現場に入り、肌で感じる喫緊の問題は「長時間労働の是正」だ。とにかく日本のサラリーマンは勤務時間が長い。
「働き過ぎ」ではない。勤務時間が長いのだ。体を壊すほど「働き過ぎ」の人は、実はニュースで報じられているほど多くはない。非生産的な仕事のやり方をしているから、会社の付加価値アップに費やす時間に比べて勤務時間がとても長いのだ。
さて今回のテーマは副業である。日ごろからそんな仕事のやり方をしていて、副業まで始めたらどうなるのか?
<参考記事>
まず言えることは、長時間労働している人に副業は無理だということだ。長時間労働して、なおかつ副業したら本当に体が壊れてしまう。ということは、毎日定時で帰る人、時短勤務をしている人しか副業は難しい、ということだ。
では、毎日定時で退社し、その後にレストランやスーパー、コンビニで働いて稼ぐ、ということを考えてみよう。おそらく、いくら「副業解禁」と言われても、かなり家計がひっ迫しているサラリーマンでない限りやらないのではないか。
理由は、大変だからだ。
そんな副業をしなくても、生活水準を落としつつ、自己研鑽して市場価値をアップさせ、より良い会社に転職したほうが生涯年収は増えるはずである。
サラリーが著しく低い会社に勤め、さらにレストランでバイト……とかであれば、ご自身の市場価値は加齢とともにドンドン落ちていく。履歴書が汚くなるだけだからやめよう。
■絶対にお勧めしないインターネットを使った副業
レストランやコンビニで働かなくても、パソコン一台あればインターネットで副業できるじゃないか、と言う人がいる。こういうことを言う人は2つのタイプしかいない。
(1)インターネットの副業で成功した人
(2)インターネットの副業をやったことがない人
実際に成功した人は、
「あなたもできる!」
と軽々しく言うだろう。しかし、よく考えてもらいたい。
1年や2年ならともかく、インターネットの副業で5年も10年も、そこそこ稼ぎ続けることが本当にできるだろうか。
成功している人は、ほんの一握りだ。商品を仕入れてインターネットで販売して稼ぐビジネスモデルは、本格的にやらないと成功しない。副業でできる人は、よほどその商売が好きな人だけだ。寝る間も惜しんでのめり込める人だけがうまくいく(結果的に長時間労働になる)。
インターネットを使い、片手間で稼ぐこともできるだろう。しかし、その分野で長い期間成功している人は、「インターネットの副業でどうすれば稼げるか?」というノウハウを売っていることが多い。
情報商材を販売したり、オンラインサロンのオーナーとして事業をしているのだ。本業でやるとしても、何年続けられるかわからないのに、これを副業でやろうとするのは、かなり無理がある。
「あの人もうまくいっているから、自分にもできる」
という幻想を抱くのはやめよう。それは自信過剰バイアスである。
だから私はここでハッキリと書きたい。
よっぽど器用でない限り、今所属している会社の中で給与を上げていく努力をすべきだ。そのほうが効率的で健全だからだ。今の会社では限界があるというのであれば、まっとうに努力し、ご自身の市場価値をアップさせ、転職するか、起業するのだ。
そうしたほうが、自分を助けてくれる多くの信頼資産を獲得できるだろう。正規の仕事をしながら、副業でも期待どおりの成果を手に入れられる人はごく一部なのだから。
<参考記事>