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エレベーターの中で電話していいのか? ビジネスマナーを考える

横山信弘経営コラムニスト
たまにエレベーターの中で電話している人を見かけるが……(写真:アフロ)

たまにエレベーターの中で電話している人を見かけるが……

私は仕事柄、コンサルティングや研修、講演などの関係で、日本全国いろいろなオフィスビルに訪問する機会があります。そのせいで、企業や研修施設、貸会議室のビルでエレベーターに乗る機会が多く、いろいろな現場に遭遇します。その中で気になるのが、エレベーターにおけるビジネスマナー。

エレベーターの乗り方から、乗ったあとの振舞いなどで気になることが多々あります。

一般的なエレベーターマナー

皆さんは「エレベーターピッチ」という言葉を知っていますか。エレベーターピッチとは、起業家がプロの投資家と偶然エレベーターに乗り合わせた際、エレベーターが目的の階に着くまでのわずかな時間(数十秒から1分以内)で、自身のビジネスプランの魅力、優位性を伝えられるか? 伝えられるか伝えられないかでビジネスの明暗を分ける、と言われたことに由来するコミュニケーション技術の概念です。

このように海外では、エレベーターの中でも積極的に会話するシーンもあるでしょう。しかし日本では様子が違います。エレベーターで見知った相手と乗り合わせたら、軽い挨拶を交わすぐらいで「おしゃべり」を控えるのが一般的なビジネスマナーと言われます。携帯電話やスマホを取り出し、エレベーターに乗っている間、ずっと下を向いているのもよろしくないそうです。

仲のいい同僚と乗り合わせた場合ならともかく、お客様や他企業のビジネスパーソンが乗り合わせた場合は話すのをやめ、静かにすることも大事です。情報漏えいにつながるケースもあるため、不用意な会話をエレベーターの中でしないこともマナーなのです。

エレベーターの中で電話してもいいのか?

さて今回のテーマは「エレベーターの中で電話していいのか?」です。

前述したとおり、エレベーターの中で下を向いてスマホを触っていたり、周囲を気にせず同僚と話をしてもよくないというわけですから、エレベーターの中で電話していいはずがありません。

以前、ある大企業に訪問した際、電話をしながらエレベーターに乗ってきたビジネスパーソンがいました。エレベーターの中には、私を入れて5人ほど乗り合わせているにもかかわらず、大きな声でお客様らしき方と電話で価格交渉をしているのです。エレベーターはとても狭い空間です。声は響きますし、会話の中身も筒抜け。さすがに無神経すぎると私は思いました。

ビジネスにおける電話であるなら、エレベーターを降りてからするべきです。エレベーターに乗る前にかかってきたのなら、乗るのをやめて、電話が終わってからエレベーターに乗りましょう。当然のことながら、エレベーターホールに誰がいるかわかりませんから、少し距離をおいて電話すべきです。

昨今、何もせず、静かにただじっと待つ、ということができない人が多すぎます。エレベーターに乗っているときぐらいは、ただ黙ってじっと目的の階に到着するまで待ちましょう。エレベーターに乗っているときまで電話をしたり、スマホでメールチェックしたからといって、ビジネスの成績がアップしたり、業務が効率化するわけではないのですから。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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