島根県松江市に本店を構える「桂月堂」さん。

創業1809年、茶の湯文化が盛んな松江にて、格式高いお茶の席からご家庭での寛ぎのひと時まで、抹茶にも合うような多彩なお菓子を作り続けている老舗の和菓子屋さんです。

ご進物にもお土産にもぴったりなお菓子が揃う桂月堂さん。

今回は、まさに今の季節に相応しい、そして見目麗しいお菓子「桜ごよみ」をご紹介。

まずはこの「桜ごよみ」の見た目に一目惚れ。桜の花びらを重ねたように型抜きされた白妙の外郎生地、ほんのり透ける紅色の餡、そっと横たわる桜の花の塩漬け。優雅で可愛らしくて、私の好みに直球で飛び込んでくるロマンチックな姿。

どことなくレディライクなワンピースやドレスといったお洋服を彷彿とさせる、というのもあるかもしれません。

外郎生地なので、むにむにっとした独特の食感。伸びるような餅生地とはまた別のなめらかさです。素朴でまろやかな味わいの外郎生地には、思いのほかたっぷりのこし餡が。二つ折りの生地の中には紅色に染められ、刻まれた桜の葉を混ぜこんで。外郎生地の甘味もあるからでしょうか、塩気が引き立ち口の中いっぱいに春らしい和の味わいが膨らみます。

桜餅や求肥で包んだお菓子は多く見受けられますが、外郎生地をこうして型抜きしたお菓子は、なかなかお目にかかれないかもしれません。

一枚の皮で巻いても折りたたんでも良いですし、裾をこういったデザインにしなくても十分美味しいと思うんです。

けれど、この二つ折りかつ裾に施された愛らしいデザインがあるからこそ、味わいも活きるのかなと思いました。

今回は日本橋高島屋さんの銘菓百選にて購入致しましたが、関東の他百貨店さんでの販売やアンテナショップでも桂月堂さんのお菓子を購入することができます。