学園都市線で国鉄電車が走っていた!? 電化開業後、わずか数年間だけ見られた711系電車
終着駅に併設された北海道医療大学が当別町から北広島市への移転を発表し、末端区間の今後の行方が気になるJR北海道の札沼線(学園都市線)。学園都市線は、桑園駅で函館本線から分岐し、北海道医療大学駅までの28.9kmを結ぶ札幌都市近郊路線だ。
学園都市線は国鉄時代はディーゼルカーが2時間に1本程度しか走らないローカル線であったが、札幌市北区の住宅密集地帯を走ることから、国鉄分割民営化によりJR北海道に引き継がれた後は、札幌都市圏の通勤・通学輸送の強化を図るため、八軒ーあいの里教育大間の複線化や、八軒ー新琴似間の高架化が行われ近代化が図られてきた。
そして、学園都市線の近代化の集大成として2012年6月、桑園ー北海道医療大学間が電化開業し、それまでのキハ141・143系、キハ40系気動車に代わり電車の運転が開始された。
学園都市線電化に合わせて733系電車が登場
学園都市線の電化開業に合わせてJR北海道は733系電車を新造投入したが、733系は札幌都市圏のほかの電化区間とも共通で運用されることになり、学園都市線では733系に加え、それまでの711系、721系、731系、735系電車も走るようになった。
733系電車は国鉄時代に登場し711系電車の置き換えも目的としてたが、711系電車が完全引退する2015年までの間には、短期間ではあったが学園都市線での運用も見られ、北海道医療大学駅まで乗り入れていた。
朝ラッシュ時は711系電車も北海道医療大学まで運行
711系電車は、1968年、函館本線の小樽ー滝川間の電化開業に合わせて登場した交流近郊型電車だ。北海道の国鉄の電化路線は、小樽ー滝川間が初めての路線となったことから、北海道の鉄道史上初の国鉄電車ともいえる。その711系が引退間近になり、学園都市線での運行が行われていたのは主に朝ラッシュの時間帯で、733系電車の両数が揃うまでの補完的なポジションでの運行だった。
711系電車は2015年3月のダイヤ改正で完全引退となりすでに8年が経過した。学園都市線の電化開業初期に北海道医療大学まで運行されていた時の雄姿を今での鮮明に覚えている当時のファンは多いのではないだろうか。
(了)