2021年の3月11日は震災被災地に暖かな日差しが降り注ぐ
あすは3月11日。私のような、震災の後に東北地方に来た者にとっては話題にするのもはばかられるくらい、宮城県など東北地方においては大切な日です。あまりに多くの方の命日であるこの日は各地で慰霊の式典などが行われます。
震災当日は大粒の雪に降られた宮城県ですが、今年の3月11日は穏やかで暖かな晴天になりそうです。
東北は高気圧の通り道
宮城県は3月になってから晴れる日が多くなっています。これは現在、東北地方が高気圧の通り道になっているためです。
きょう10日は一時的に高気圧と高気圧の狭間で西高東低になって風が強まりましたが、あす11日はまた高気圧が進んできます。
宮城県は風も弱まって穏やかな晴天になるでしょう。
また日の出の時間は0度前後まで冷え込みますが、日中は13度くらいまで気温が上がる予想です。今年は日差しが暖かな3月11日になりそうです。
過去の3月11日の天気は?
過去の3月11日は、震災当日も含めて穏やか・暖かな晴天というのはあまりありませんでした。過去の3月11日の、仙台の日中の天気・最大風速・最高気温をまとめると表のようになります。
一時的に雨や雪の降った年が多く、2011~2016年は最高気温でも6度前後と平年より寒くなっていました。近年は気温は高くなっていますが、雨が降ったり風が強く吹いたりしています。
こう振り返るとあす予想されている「穏やか・暖かな3月11日」は珍しいと言えるかもしれません。
震災当日の雪は前日から予想されていたもの
東日本大震災当日、宮城など東北太平洋側では午後は大粒の雪が降っていました。
私が出演している番組には『地震とあの雪は関係があるの?』という質問も寄せられたことがあるくらいで、それだけ印象に残っているということかもしれません。
ただ両者の間には全く関係はありません。
当時降っていた雪は上空に強い寒気を伴った低気圧=寒冷渦によるもので、前日の天気予報でも『晴れのち雪か雨』というものが発表されていました。
地震と天気は全くの別物です。雲の形で地震が予知できればいいのですが、残念ながらそれはできません。
晴れていても大きな地震が来ることもありますし、地震が来なくても大雨になることはあります。
震災から11年目以降も気象災害・地震・津波それぞれに対して備えるようにしてください。