健康長寿を願う重陽の節句に相応しい「菊花せんべい」ほんのり甘く生姜風味の低カロリーなお煎餅です
古来より観賞用としてだけではなく、食用や薬としても用いられてきた菊の花。皇室の紋章にも採用される高貴な花、そして縁起の良い花としても知られ、更には健康長寿の力が宿るとも言われています。
その菊の花が主役になるともいえる節句が、9月9日の重陽の節句。和菓子屋さんでは菊の意匠の上生菓子や菊の焼き印を施したお菓子などがずらりと並びます。しかし、菊は菊でも唐菊といいまして、まるでキンセンカ(キク科の花です)のように可憐な菊のような和菓子が金沢市のお店にて通年販売されているのです。
今回は創業1849年、加賀百万石の地にて落雁などのお菓子をお作りしている「落雁諸江屋」さんの「菊花せんべい」をご紹介。
堂々とその命を歌い上げるように花開いた唐菊型のお煎餅は、いわゆるうるち米のお煎餅でも小麦粉と卵を用いたお煎餅でもなく、糯米を使用したさくさくっと非常に軽やかでクリスピーな食感のお煎餅です。その香ばしさはさながら最中種のようですが、歯応えとぱりっとした食感あわせて確かにお煎餅です。
鮮やかな菊の花びらのような黄色に染めたすり蜜を表情をつけながら少しずつ纏わせていくのですが、このすり蜜がとっても爽やかな甘さの生姜風味!ただのお砂糖味ではなく、ぴりっとした刺激でもなく、香り豊かでシーズン問わず様々なお茶請けにぴったりな味わいに。
また、1枚のカロリーも約10kcalと低めなので、拘りのお菓子を少しだけ…というダイエット中にも取り入れやすいかもしれません。
重陽の節句は9月9日、敬老の日は9月の第三月曜日と近接していること、そしていずれも長寿にゆかりのあることから国民の祝日にもなっている敬老の日に目が向きがちです。しかし、3月3日の上巳の節句(桃の節句)にはひなあられや桜餅、5月5日の端午の節句には柏餅というように、9月9日には菊の花にまつわるお菓子を体内に取り込むことで、高齢者だけではなく全ての人たちが健康に過ごせるよう願いを込めたいと思うのです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<落雁 諸江屋・本店>
公式サイト(外部リンク)
石川県金沢市野町1-3-59
076-245-2854
9時~18時(1月~3月20日までは17時まで)
定休日 木曜