桜が咲いたら一年越しで桜粥を作ってみよう【シンプルだけれど季節を感じるな贅沢な逸品】
オオシマザクラの花を使って一年かけてつくる桜粥の紹介です。
オオシマザクラのミニ知識
オオシマザクラは日本に自生する桜の基本野生種のひとつで日本固有種です。
オオシマザクラのオオシマは伊豆大島のことで自然の中では伊豆諸島に多く自生しています。
ちなみに、公園などでよく見かける薄ピンク色の桜ソメイヨシノは江戸時代にオオシマザクラとエドヒガンを掛け合わせて作出された園芸品種の桜です。
オオシマザクラは花の色が純白で花が咲き始めるのがソメイヨシノよりもやや遅く、花が咲くのと同時に葉が出始めるのもオオシマザクラの特徴のひとつです。
香りが良い桜で、桜餅の葉はオオシマザクラの葉を使って作られています。
桜の香りの成分はクマリンと言う物質で、花や葉の細胞が分解する時に生成されるため、塩漬けにすると分解が促進され香りが増すとの事です。
漬ける期間は数ヶ月で充分ですが、今回のような桜粥にするなら桜が咲く季節に作りたいものですね。
そんな理由から漬ける期間は翌年の桜の季節まで1年間としました。
尚、採取に際しての注意点は、オオシマザクラは野山に自生している野生種なので「採取可能な木で採る」ことです。
持ち主の居る桜の場合は許可を得れば良いかと思います。
桜粥を作ろう
ここからは「一人分の桜粥を作る」と言うことで話を進めていきます。
オオシマザクラの開花前の蕾の状態の花を数輪採取します。
一人前の桜粥なら蕾は10輪前後あれば十分です。
持ち帰ったら蕾の付け根にある木質部分を取り去ります。
適当な容器に塩を1cmほどの厚みで敷いてから、その上にオオシマザクラの蕾を並べます。
上から塩を掛けて蕾を塩で完全に埋め込みます。
密封して冷蔵庫に入れて1年間保管します。
1年後に冷蔵庫から出してみると蕾は塩の中で脱水して干からびた状態になっています。
このように水分が無くなり干からびた塩漬けになりました。
桜湯にも使えそうです。
米と蓋が出来る鍋を用意します。
尚、使う米が無洗米だと出来上がったお粥の重湯成分が少なくなります。
研いで使う普通の米を研がずにそのまま使うと出来上がったお粥の重湯成分が多くなります。
この辺りを考慮して使う米の種類はお好みで選べば宜しいかと思います。
今回は無洗米を用意しました。
一人前のお粥なら必要な米は概ね0.5合です。
必要な水の量は7部粥で米の7倍、全粥の場合は米の5倍です。
米を計ったのと同じ計量カップで水を入れると分りやすいと思います。
今回は7部粥で作ることにしましたので米を計ったのと同じ計量カップで7杯の水を入れます。
米に水を加えたら約1時間水に浸しておきます。
米を浸し終えたら加熱を始める直前に塩漬けにしたオオシマザクラの蕾を入れます。
蕾は塩を軽く払い落とした程度で使えばお粥に適度な塩味が付いて好都合です。
火に掛けたら沸騰するまではやや強火、沸騰が始まったら直ぐに吹きこぼれない程度の中火〜弱火にして蓋をしない状態で15分前後加熱します。
炊きあがったら蓋をして10分ほど蒸らせば出来上がりです。
米があまり溶けていない、比較的パリッとしたお粥がお好みの場合には7分間沸騰させて火を止めたら直ぐに蓋をして10分間蒸らすと言う方法でも美味しいお粥が作れます。
たかがお粥ですが、そんなお粥作りに一年掛けるのも楽しいものです。
皆さんも来年の春の楽しみのために、今年の春に始めてみては如何ですか?
最後までご覧頂きありがとうございます!!
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