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堂安につける薬は? サッカーにおけるスピードの意味

杉山茂樹スポーツライター
写真:岸本勉/PICSPORT

 足の速いサッカー選手と言われて想起する選手は誰か。

 ムバッペ(フランス代表/PSG)の姿が頭を過ぎるが、それに続く選手の名前はなかなか出てこない。ロッベン(オランダ代表/バイエルン)は100mを10秒台で走るとのことだが、その一番の自慢は相手の逆、逆を突くドリブルだ。スピードスターというより技巧派の側面の方が強い。

 スピードが技術を上回る選手と言えば、昨季アーセナルからエバートンへ移籍したウォルコット(元イングランド代表)を想起する。100mを10秒台前半で走るスピードを武器に、若い頃から知られた選手だった。しかし当時、そのプレーを見るたびに将来を案じたものだ。このタイプの選手が大成したケースを見た試しがなかったからである。

 ウォルコットの出場機会は実際、年とともに減っている。足元の技術がおぼつかない大型選手についても同様な心配をしたくなるが、より危なく見えるのはウォルコット系だ。

 ムバッペはデビュー当時、元フランス代表の「アンリ2世」と言われたものだ。ロッベンより直線的。アンリは技巧派という感じではなかったが、速すぎる選手にありがちなウォルコット的な臭みは持ち合わせていなかった。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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