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WBCスーパーウエルター級タイトル空位決定戦

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/Premier Boxing Champions

 身長197cm、リーチ203cmを誇るサウスポー、セバスチャン・フンドラは、昨年4月に保持していたWBC暫定スーパーウエルター級タイトルを7ラウンドKO負けで失った。

Esther Lin/SHOWTIME
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 挑戦者、ブライアン・メンドーサとの身長差は19cm。打たれ脆さを見せるものの、フンドラは身体的なアドバンテージを生かして20勝(13KO)無敗1分けと、負けを知らなかった。そろそろ暫定ではなく、正規王座に挑戦か…と囁かれていたなかでのショッキングな初黒星だった。

Esther Lin/SHOWTIME
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 今回は、敗北からおよそ1年後の再起戦となる。しかも空位となっているWBCスーパーウエルター級王座の決定戦となった。

 対戦相手は23勝(23KO)1敗のウクライナ人ファイター、セルヒ・ボハチャック。その高いKO率が示すように、かなり危険な相手である。

Esther Lin/Premier Boxing Champions
Esther Lin/Premier Boxing Champions

 記者会見の席で、フンドラは言った。

「前回の試合で初黒星を喫しましたが、この瞬間を待って一生懸命練習してきました。世界タイトルを獲得するために、やるべきことは何でもやる覚悟です。セルヒと私はお互いのことを知っており、ファンに素晴らしい試合をお見せします。

 敗戦から必ずしも何かを学んだ訳ではありませんが、雑に戦っては命取りになることを思い出させてくれましたね。眠ってしまった代償は大き過ぎました。自分を再構築するのに1年かかりましたよ。私の相手は皆、強打者であり、自分はトップ選手しか興味がありません。この試合の後は、世界一の154パウンドを目指して、ティム・チューとやりたいです」

Esther Lin/Premier Boxing Champions
Esther Lin/Premier Boxing Champions

 ボハチャックも語った。

 「キャリア最大の戦いだ。初めての世界タイトル戦であり、人生を懸けた一戦になる。100パーセントの力を出すよ。ベストを尽くさねばならない事は、十二分に理解している。

 僕はフンドラとのスパーリング経験があるが、今回は真剣勝負だ。過去の試合で犯したミスから、多くのことを学んだ。その全てが今の自分をより良いファイターにしてくれた。経験から築いたものを戦いに持ち込む。3月30日にリングに上がったら、ファンとボクシング界に強烈なインパクトを残すつもりだ」

Esther Lin/Premier Boxing Champions
Esther Lin/Premier Boxing Champions

 興味深いカードである。筆者はボハチャック勝利と見る。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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