往年のファンから新しいファンまで「あわ大福」は、復活を遂げた粒餡たっぷりの懐かしの味
昨年、2022年5月に突如発表された和菓子屋「紀の国屋」の自己破産。地域住民や全国の和菓子愛好家、和菓子好きにはまさに青天の霹靂、寝耳に水といったニュースが飛び込んでまいりました。
紀の国屋さんは1948年の和菓子屋さんとして、武蔵村山市を中心に都内や神奈川の一部地域にお店を構えていた、ややローカル寄りの和菓子チェーン店でした。都内でも催事やポップアップ等、期間限定で店舗の無い地域の方々がまとめて購入するほど人気のお店でしたが自己破産。
ですが、元々働いていらした職人さんたちの熱意と努力により、およそ1か月で復活。「匠紀の国屋」として復活。当時と名前こそ変わったものはありますが、待ち望んでいたファンが多かった商品が今回ご紹介する「あわ大福」です。
淡い黄色に染まった餅は、着色しているわけではなく、粟(もちきび)の色合いが反映されたもの。軽く焼き目が入ることにより、糯米だけでは織り成せない穀物特有の香ばしさがふんわりと立ち昇り、見た目だけでなく香りも一般的な大福とは一線を画したお菓子。
その食感もまた特徴的で、まさに「赤ちゃんのほっぺ」ともいうべき滑らかさ・適度な張り・ほんのり空気を含んだような軽やかさ、得も言われる柔らかさ。
伸び、というよりは粘り気に富んだ餅皮は、ほんのり塩気が効いた素朴な粒餡との相性も抜群。ほのかに青みを帯びた粒餡は後味も優しく、塩気と焼き目の香ばしさが絶妙なアクセント。ファンが多いというのも納得です。
お餅とあんこ、といいますと食べなれた組み合わせではりますが、そこに粟という他の要素が加わることで、心和む味わいでありながら、唯一無二の「ならでは」が生じているのではないでしょうか。
求肥を挟んだ最中やどら焼きなど、毎日のおやつに相応しいラインナップが豊富に揃う「匠紀の国屋」さんには、お取り寄せ可能なものもありますが、今回のあわ大福のように当日中のお日保ちのフレッシュな和菓子も揃います。
都内へいらした際には、ぜひ、ローカルな和菓子屋さんの魅力も楽しんでみてくださいね。