LINE MALL(モール)は「衝動買い」も「衝動売り」も促す革命的なアプリ
「LINE MALL(モール)」の特徴とは?
LINEは12月20日、スマートフォン向けのショッピングサイト「LINE MALL(モール)」のサービスを始めました。衣料や化粧品、インテリア雑貨などを幅広く新品、中古品を取扱い、ネット通販大手の楽天やアマゾンに対抗します。
スマホに特化したショッピングモールとはいえ、先行する楽天やアマゾンもスマホで利用できます。新規参入した「LINEモール」に勝算はあるのか、を考えていきます。「LINEモール」が革新的なのは、「買うプロセス」よりも「売るプロセス」です。
LINEモールの特色は、2点と私は考えます。
1)個人の出品が「2分」で終了する
2)代金の支払いはLINEモールを介する
「LINEモール」で個人が出店する場合、事前審査や手数料は一切かかりません。LINE側が商品価格の10%を販売手数料として得るのみです。いずれも「売る側」に対するメリットです。楽天やアマゾンというより、ネットオークションサービス「ヤフオク!」の大きなライバルになるかもしれません。
スマホで「衝動出品」「衝動売り」が促される?
個人で商品を販売するプロセスを分解すると3つに分けられます。
1)出品プロセス
2)発送プロセス
3)決済プロセス
今回スタートした「LINEモール」は「1.出品プロセス」「3.決済プロセス」を徹底的にシンプルにしました。そうすることで、出品に対するハードルが一気に下がるからです。
スマホで撮った写真に値札をつけて「LINEモール」にアップするだけで、すぐに出品できます。主婦の方であれば、贈答品でもらった皿、読みかけの本、子供が使わなくなったオモチャなど、スマホで写真を撮ってアップするだけで、次々に出品できるようになります。
このように出品プロセスを徹底的にシンプルにしたことにより、「衝動出品」「衝動売り」が促進されるのではと私は考えます。
こんなものまで売れる! 家の中は売れるものがいっぱい
「ヤフオク!」などのネットオークションサービスでは、驚くようなものが出品され、そして実際に売れていっています。たとえば「AKB48」や「嵐」「ももいろクローバーZ」などが掲載されている新聞記事でも、100円から200円。高値だと1000円ぐらいで取引されています。他にも例を挙げると、
● 車やバイクのカタログ
● 携帯電話、スマホ、カメラのカタログ
● 牛乳キャップ
● 「こどもちゃれんじ」の無料の付録
……などなど、廃品回収のときに捨てるようなものでも、ネットオークションを使えば実際に売れてしまうのです。ただ、200~300円しか稼ぐことができないならオークションに出品するより捨てたほうがまし、と考える人も多かったでしょう。これまでは「出品プロセス」が面倒だという印象があったからです。そんなに小さな金額を個人と連絡を取り合って回収する、という行為に引け目を感じた人もいるかもしれません。
しかし、これからは違います。出品は最短「2分」で終わりますし、代金の支払いも「LINEモール」が代わりにやってくれます。
無料通話アプリの「LINE」がなぜ爆発的に普及したのか、と言いますと、その一因に「シンプルさ」があると私は考えます。とにかくLINEは、ITリテラシーの低い人でも手軽に利用できる「わかりやすさ」が特徴です。パソコンやスマホに対する造詣が深くない人でも、簡単に利用することができるのです。今回の「LINEモール」もそのようなポリシーを継承していると受け止めました。
「LINEモール」はまず、OSがアンドロイドのスマホで利用できるようで、来年初めからはアップルのiOS向けのサイトも始まる予定。家計のやりくりに頭を悩ませている主婦たちにとっては、とても魅力的なサービスかもしれませんね。
営業・マーケティングコンサルタントの私としては、個人売買が急激に促進されることで、企業側に少なからず影響が出てくることを懸念していますが。
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