Yahoo!ニュース

南岸低気圧による関東の雪は?週末は手強い寒気が襲来へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
予想天気図(ウェザーマップ)

雪は山沿いや山地が中心か

雨やみぞれ、雪の予想(ウェザーマップ)
雨やみぞれ、雪の予想(ウェザーマップ)

タイトル画像にある通り、あす29日(木)からあさって3月1日(金)にかけて、太平洋側に雨や雪を降らせる南岸低気圧が通過する見込みです。

上空1500メートル付近には、関東の平野部でも雪を降らせる可能性のある0度以下の寒気が残っていますが、どうやら低気圧の接近、通過とともにこの0度線は北上する計算で揃ってきているため、今回、主に雪となるのは標高500メートル以上の山沿いや山地が中心となりそうです。

上図は関東で降水がピークとなるあさって1日(金)明け方から朝にかけての雨や雪の予想です。主な2つのモデル(MSMモデル、GSMモデル)ともに、午前6時の段階で、雪を予想しているのは、関東北部や西部の山沿いや山地、山梨県、長野県などで、宇都宮、前橋、熊谷、八王子などの内陸部でも、雨にわずかに雪が交じる可能性がある程度と予想されています。

さいたま、東京都心、横浜、千葉など、南部の平野部ではほぼ雨となり、雪が交じる可能性もほとんどないとみられ、午前9時頃には、降水域も終息に向かう予想です。ただ週末にかけて、今度は上空に3月としてはかなり手強い寒気が流れ込む予想です。

3月としてはかなり手強い寒気が襲来へ

上空1500メートル付近の暖気と寒気の予想(筆者作成)
上空1500メートル付近の暖気と寒気の予想(筆者作成)

上図は上空1500メートル付近の暖気と寒気の予想です。あさって1日(金)は南岸低気圧に伴う暖気が関東などへ流れ込んだ後、夜にかけて、西日本から非常に強い寒気が南下してくるでしょう。

寒気がピークとなる2日(土)午前9時の寒気の強さと平年差を調べてみると、福岡-11.9度(平年差-11.2度)、松江-11.5度(平年差-9.4度)、輪島-12.3度(平年差-7.3度)、館野-10.4度(平年差-8.2度)などとなっていて、松江では観測年数は少ないものの、3月の観測史上1位の値を更新する予想です。その他の各地も平年よりは10度前後も低く、3月としては、かなり手強い寒気にスッポリと覆われるでしょう。

真冬の寒さ、大雪、暴風雪のおそれも

週末にかけての天気と気温の予想(気象庁発表)
週末にかけての天気と気温の予想(気象庁発表)

2日(土)は、全国的に真冬の寒さとなり、最高気温は、東京都心で10度、名古屋、大阪、広島、福岡などでは8度の厳しい寒さとなるでしょう。雪マークの付いている北日本の日本海側や北陸では、寒気の強さや風の強さによっては、大雪や暴風雪などの大荒れの天気となるおそれもあります。十分な注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事