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竜王初挑戦目指す藤井聡太二冠(18)いよいよ本戦登場! 山崎隆之八段(40)の相掛かりを受けて立つ

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

記録係「それでは時間になりましたので、山崎先生の先手番でお願いします」

 7月10日。大阪・関西将棋会館において第34期竜王戦本戦▲山崎隆之八段(1組3位)-△藤井聡太二冠(2組優勝)戦が始まりました。

 対局前の振り駒は「と」が4枚出て、先手は山崎八段。初手は2筋、飛車先の歩を突きました。

 後手番の藤井二冠。紙コップを口にして、お茶を飲みました。そして8筋、こちらも飛車の前の歩を1つ進めます。

 戦型は相掛かりに進みました。山崎八段が得意としている作戦です。

 対して藤井二冠は相手によって指し方を変えるようなことをしません。いつも堂々と相手の得意を受けて立ちます。

 時刻は11時を過ぎました。現在は藤井二冠が20手目を考えています。

 竜王戦本戦の持ち時間は各5時間。昼食休憩、夕食休憩(各40分)をはさんで、通例では夜に終局となります。

 藤井二冠の今年度成績は12勝3敗です。

 4月16日の2組決勝からは3か月弱の間が空きました。

 藤井二冠は直近の7月6日、B級1組順位戦で久保利明九段に勝ちました。

 藤井二冠と久保九段の通算対戦成績は、これで3勝3敗の指し分けになりました。藤井二冠が負け越している棋士の数は1人減って、現在は7人です。

 藤井二冠と山崎八段は2018年に1回対戦し、山崎八段が勝っています。

 山崎八段の今年度成績は5勝4敗(勝率0.556)です。

 昨日おこなわれた竜王戦本戦、羽生善治九段(1組4位)-梶浦宏孝七段(4組優勝)戦は梶浦七段の勝ちでした。

 羽生九段の敗退により、あとは勝ち残っている誰が挑戦権を獲得しても、七番勝負初登場となります。

 今期で34期目となる竜王戦。ランキング戦で3期以上連続優勝を果たしている棋士は、過去に4人しかいません。藤井二冠は現在5期連続、梶浦七段は3期連続優勝中です。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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