JR浜厚真駅利用はマジ危険!北海道苫小牧東港フェリーターミナル
北海道苫小牧港にはフェリーターミナルが2か所あります。苫小牧市中心部に近い苫小牧西港フェリーターミナル(外部リンク)と、苫小牧西港から約20km以上東にある新日本海フェリー(外部リンク)が発着する苫小牧東港フェリーターミナル。
うち苫小牧東港は自動車・オートバイ以外の交通手段、特に徒歩で利用する場合に、新日本海フェリーはJR南千歳駅発着のシャトルバスかタクシーを推奨(外部リンク)。あるいは知人の車で送迎してもらう事になります。
実は苫小牧東港フェリーターミナル(以下:東港フェリーターミナル)から約1.6km離れた場所にJR日高本線・浜厚真駅があるのですが、浜厚真駅ー東港フェリーターミナルを歩くのは危険です!しかし危険を冒して歩く利用客が後を絶ちません。
なぜ新日本海フェリーは徒歩客のJR浜厚真駅経由フェリー利用を勧めないのか?元フェリー会社勤務の私が現地を車で走りながら撮影・解説するほか、シャトルバスを南千歳駅発着にする理由について考証します。
原野にポツンとフェリーターミナル!苫小牧東港
東港フェリーターミナルは、日本の大型船が発着するフェリーターミナルの中では最も原野の中にあるターミナルかもしれません。しかし、現地に行った事がない人がネットで検索する段階では実感しにくいはず。
ではJR日高本線の車窓から、昼に船がいない時の東港フェリーターミナルを見てみましょう。
実は東港フェリーターミナルがある周文埠頭は原野の先にある海岸を埋め立てて造成されました。東港フェリーターミナルと国道235号や日高自動車道を結ぶ道路と交差する踏切手前での景色です。写真中央がターミナルビル。
明るい時間の浜厚真駅→東港フェリーターミナル
Google Mapsでルートを検索すると下記の通り。まず明るい時間に進んでみましょう。
JR浜厚真駅を下車。
無人駅で貨車を待合所にしています。
駅前はこちら。目の前の道路を右方向へ進みます。
道を進むとT字路が現れます。左側へ進みます。
ちなみに右側へ進むとすぐにJR日高本線の踏切です。
左折すると、厚真川にかかる臨港大橋が見えてきます。
臨港大橋を渡ります。舗装されていますが、歩道はありません。車が来たら危ないです。
臨港大橋の北側には、JR日高本線の鉄橋が見えます。
臨港大橋を渡るとシャーシ置場と鵡川漁協の看板出て来ますが、左折せず直進しましょう。
更に進むと2度目のT字路。道路案内看板の通り左折。
曲がると左側は歩道がある道路になります。東港フェリーターミナルはもうすぐ。
少し進むと「新日本海フェリー 乗船車両→」という看板が現れます。こちらの看板を右折。
「乗船車両」とありました。人が歩いてターミナルに向かう事は考えていません。
道を進むと「立入禁止」のバリケードが現れます。ここで左折します。
なおバリケードの先にはフェリー停泊時、船首部分が接岸。フェリーと港の係船設備をつなぐロープが張っており、近づくと大変危険です。また船がいない時は海へ落下する可能性があります。
ようやくターミナルビルに到着です。
明るい時間帯なら何とかなる?と思った方もいるかもしれませんが、昼でも徒歩を勧めない最大の理由は、ターミナルビルと国道235号を結ぶ道路にある標識にあります。
東港フェリーターミナル周辺、JR日高本線沿線にはエゾ鹿が多数出没しており、列車や車が鹿と衝突する事故、衝突回避のために急ブレーキをかける状況が発生しています。昼に鹿が突然現れる原野を歩くのは避けたいですね。
夜になればいったいどうなるのでしょうか?
暗すぎ!夜の浜厚真駅→東港フェリーターミナル
夜の浜厚真駅から始めます。
あまりにも暗いので、車のヘッドライトを当てました。
駅前に辛うじて街灯があります。
駅から道を右方向に進みますが、本当に街灯が少ない。
実は撮影時フェリーが接岸(写真奥)していますが、もしフェリーが接岸していなければもっと暗いです。
T字路に差し掛かるはずですが、街灯がないので暗くて見えません。
暗すぎるので、ここでも車のライトを点灯。
臨港大橋に街灯が全くありません。厚真川にフェリーターミナルの明かりが反射する写真に挑戦してみました。
臨港大橋を渡り2度目のT字路でようやく街灯。暗い。
残り暗い中、フェリーターミナルの明かりを頼りに歩道を進んで到着。
こんなに街灯が少ない中での約1.6km徒歩「強行」は会社として紹介出来ないでしょう。
シャトルバスは南千歳駅発着!理由は?
JR日高本線・浜厚真駅からの徒歩移動はダメ。車・オートバイなし徒歩客は、
1.JR南千歳駅と結ぶシャトルバス
2.タクシー
3.知人の車に乗って送迎
しか現実的でない事は判りました。ここからは1.のJR南千歳駅と結ぶシャトルバスについて解説します。
シャトルバスはタクシーになることも!
新日本海フェリーHP(外部リンク)には「インターネット予約でJR南千歳駅発バスをご利用のお客様は、乗船の前日までに苫小牧東港へお電話でご連絡をお願いいたします」とあります。
実は新日本海フェリーは利用日や航路によって徒歩客の人数変動が大きく、少ない日は大型バスで運行すべき人数に達しません。写真のような小型バス、更に少ない時はタクシーで十分な場合も。
電話予約での乗船時は予約担当者が利用客へ確認出来ますが、ネット予約では現在出来ません。
なお東港フェリーターミナルで下船する徒歩客には、乗船直後の船内でシャトルバス利用者を確認します。
南千歳駅のバス停は北口!
東港フェリーターミナルと結ぶシャトルバスはJR南千歳駅北口に発着します。
南千歳駅から北口へはこちらの連絡通路を利用します。エレベーターもあるので、大きい荷物を持つ利用客に便利。
南千歳駅北口を出てすぐにバス停が現れます。
シャトルバスの運行は道南バス。道南バスはJR駅手前側のバス停です。
南千歳駅は便利!JR沼ノ端駅・苫小牧駅には寄りません
新日本海フェリーは1999年7月に東港フェリーターミナルに就航してから2015年6月まで、苫小牧駅と結ぶシャトルバスを運行していました。2015年7月1日から南千歳駅発着に変更。そのため新日本海フェリーはHPで「JR沼ノ端駅、苫小牧駅の立寄りはありませんのでご注意ください」と明記。
変更された理由は南千歳駅発着の方が便利だから。
1.車なし徒歩利用の多くが札幌方面発着。
2.東港ー苫小牧駅と東港ー南千歳駅との距離・時間差が少ない。
3.南千歳駅の方が発着する列車の本数が多い。
4.南千歳駅は札幌・新千歳空港方面、苫小牧・室蘭・函館方面以外に、帯広・釧路方面を結ぶ列車も発着。
これだけでも十分なのですが、
5.苫小牧のフェリーに慣れていない徒歩客が、西港か東港か間違う事がより減る。
という点もあります。西港フェリー利用の場合、JR苫小牧駅からバスで約17分で行けるほか、JR札幌駅と直通する高速バスが運行されています。札幌駅・苫小牧駅から直通バスは西港(商船三井フェリー、太平洋フェリー、シルバーフェリー)、南千歳駅からは東港(新日本海フェリー)と分かりやすいですね。
まとめ:東港フェリー徒歩利用はバスかタクシー!
東港フェリーターミナルは公共交通で行くには非常に不便な場所にあり、しかも周りが原野。日高本線・浜厚真駅を利用したくなるかもしれませんが、危険性が高いので使うべきではありません。
徒歩利用なら南千歳駅北口発着のシャトルバス、タクシーの2択。仮に追加しても知人の車での送迎で、浜厚真駅利用はなしです。
東港フェリーターミナル発着の船旅を楽しむためにこちらの記事がお役に立てば幸いです。