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日本代表リーチ マイケルが指揮官から聞いた「ショート、ハード」の宣言とは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
走り込み練習ではトップ。(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 ラグビー日本代表候補合宿にあたるラグビーワールドカップトレーニングスコッド=RWCTSキャンプは2月18日、3週目に突入(東京・キヤノンスポーツパーク)。15日に合流したジェイミー・ジョセフヘッドコーチはこの日から本格的に指導にあたり、予定を30分ほど超えるトレーニングを実施。練習後はキャプテンのリーチ マイケルが共同取材に応じ、ジョセフからミーティングで言い渡されたことなどを明かした。

 タックルされながらのパス、素早い手渡しのようなパス、状況に応じた接点へのサポートの姿勢…。初日の2月4日から、これらの基本事項を確認。合間、合間にフィットネス(走り込み)やウェイトトレーニングを挟んでいる。

 

 2016年秋に就任のジョセフはこれまで、ニュージーランドの複数のクラブやイングランド代表、スコットランド代表などを視察していた。「(様々な場所を回って)どう円滑に組織を運用しているかを学べた。(日本代表でも)徐々に発展させていきたい」「ワールドカップに向けていいペースでチームのピークを持っていきたい。気を急がないようにと言っています」と振り返っている。

 今秋のワールドカップ日本大会で2大会連続のキャプテンを務めそうなリーチは、現状をどう見るか。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――ジョセフさんが本格的な指導を始めました。これまでと変化は。

「特別な感じはなく、コンタクトが多くなったくらいです」

――現地での話は聞きましたか。

「やって来たことを全部、プレゼンしてくれました。今後、新しく入れる練習、ミーティング方法について(も聞いた)。エディーの練習、スコットランドの練習を見てきて、『自分たちはショート、ハードでやる』と。エディーは長く、ゆっくり練習していて、僕らはショートで、ハードに」

――他に印象的だった話は。

「…ハリケーンズが、ほぼ日本と同じことをしています(という内容)」

――始動時から、強度こそ違うものの似たセッションを繰り返しています。そのなかで意識していることは。

「スタンダードが落ちないように意識しています。あとは、選手が主導してフィードバックをしています。同じメニューでも飽きないよう、毎回レベルアップできるように話はしています」

 取材のさなか、バスに乗り込もうとする山田章仁選手に「アキさん、今日、話、ホテルで」と声掛け。個別面談を通し、チーム文化の土台を作りたい様子だ。日々のセッションについての「選手が主導してフィードバックを」という意識も、この思いと繋がっていそうだ。

 リーチがジョセフから聞いたという土産話のなかでは、「エディーは長く、ゆっくり練習していて、僕らはショートで、ハードに」が印象的だった。イングランド代表を率いるエディー・ジョーンズは、2015年まで務めた日本代表のヘッドコーチ時代は1日3度以上の練習をおこなうことで知られていたが、1つずつのセッションは短く、それこそ「ショート、ハード」に映った。しかし今度の話からは、ジョーンズがイングランドで日本時代と異なるアプローチを取っていそうなこと、それを受けてジョセフが「ショート、ハード」を目指すとしていることが伺える。

 RWCTSキャンプは翌週まで都内で、3月は沖縄でおこなわれる。同月下旬以降はキャンプ参加者を中心に「ウルフパック」という集団を結成し、スーパーラグビー(国際リーグ)のクラブの若手チームと対外試合を実施する。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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