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初無得点サンウルブズ。「メンタルの準備できなかった」? 選手の反応は。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真左から3番目がトンプソンゲーム主将。38歳!(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズは4月26日、東京・秩父宮ラグビー場での第11節でハイランダーズに0―52と敗戦。チーム発足4季目で初の無得点試合となった。

 前半から接点での被ターンオーバー、ラック周辺の防御ミスに苦しんだ。0―33で迎えた後半こそ合流したての堀江翔太が圧巻のワークレートを披露も、及ばなかった。

 チームは5月3日、ブリスベンのサンコープ・スタジアムでレッズとの第12節をおこなう。

 試合後、トニー・ブラウンヘッドコーチとトンプソン ルークゲーム主将が会見した。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――今週の準備で、何か悔やまれる点は。

ブラウン

「この大会は100パーセントの準備をしないと今夜にみたいにコテンパンにやられる。メンタル的な準備ができておらず、50点差をつけられ0点に抑えられた」

                            

トンプソン

「一緒です」

――スクラムは終始苦しんだ。

トンプソン

「試合を通しス少しずつ良くなったが、良くはなかった。セットピースではいいクオリティのボールを出ないと試合には勝てない。フィジカル的にも対応できなかった。来週はいい準備をしたい」

――前半に大量失点。どうひっくり返そうとしていたか。

ブラウン

「まず前半40分、すごくがっかりしました。メンタル的に準備ができていなかった。前半のハイランダーズは、スクラムなどのセットピースがよく、スペースに運ぼうと話していた。後半は、自分たちのラグビーをしっかりしていきましょうと話しました」

――日本代表活動に繋がる収穫はあったか。

トンプソン

「まずサンウルブズなので、日本代表とは全く違うチームです。1週ごとに、サンウルブズに集中しなければだめです。きょう学んだ点は、スーパーラグビーのニュージーランドベースのチームを相手にベストを出せなかったら、このように負けるということ。今日のサンウルブズはスロースタートだったので、こういう結果になりました」

――ハンドリングエラーが多かった。

トンプソン

「レビューはまだしていません。後々ビデオで振り返りたいですが、理由はベストじゃなかったこと。ハイランダーズからのプレッシャーを受けていた。全ての部分でがっかりしました。しっかり自分たちの準備をして、レッズ戦に挑みたい」

――「メンタルの準備ができていなかった」。その理由は。

ブラウン

「やはりこの大会はタフです。そのなかでベストコンディションを作っていくのはすごく難しい。きょうは自分たちにとって平均以下のパフォーマンスでした。ただ、来週のレッズ戦に向けてはしっかり準備をして、自分たちのベストを出して、自分たちがいいチームだということを見せたいです」

――日本代表候補にあたるウルフパックのメンバーが相次ぎ合流。その受け入れについてはどう考えるか。また、この試合から合流したウルフパック組の堀江翔太選手、田村優選手のプレーはいかがでしたか。

ブラウン

「まず、翔太と田村をサンウルブズに迎え入れられてよかった。いいプレーをしてくれたと思います。フレッシュな選手がチームに合流するのはいいこと。正直、これから誰が合流するのかはわからないのですが、次はしっかり自分たちのいい準備をして、ベストな23人のメンバーを選べるようにしていきたいです」

 ブラウンが強調した「メンタル」という課題について、スクラムハーフの田中史朗は「ブラウニーがどういう意味でそう言ったのかはわからないですけど、準備はいい状態でした。チームに持ち帰って話したい」「インディビジュアル(個別)でプレーしてしまった。練習ではそんなことはなかったので何でかなと思ったのですが…」と、スタンドオフのヘイデン・パーカーは「たくさんのことを悔やんでいる。時間を戻せるなら戻したいくらいだ」とそれぞれ語っていた。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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