神戸市中央区山本通にある「BangaBangaCafe（バンガバンガカフェ）」をご紹介します。北野異人館街のふもと、東：不動坂、南：パールストリート、西：北野坂、北：山本通り（異人館通り）に囲まれた住宅街で営まれている、鮮烈なセンスと個性を放つカフェです。

このお店を見つけたきっかけは「全くの偶然」。8月末、静かな住宅地を歩いていると突然、立派なオリーブとバナナの樹が視界に飛び込んできました。思わず近付いてみると「CAFE OPEN」の札が。オリーブとバナナ、それぞれをシンボルツリーにしているお店はしばしば見かけるものの、両方を左右に植えているお店は初めてです。オリーブは枝先が建物の3階に届く程高く、バナナには果実がたわわに実っています。沸き起こる好奇心のままに即入店してしまいました。

2名ソファー1席、4名ソファー1席、カウンター3席に加え、自由に設置できるソファーチェアが数脚置かれています。リノベーションから内装、インテリアの設置全てを自分1人で作り上げられた、オーナー自慢のカフェ空間です。品揃えは、カフェドリンクとスイーツがそれぞれ数種類の日替わりで、全てオーナーの手作りです。

夕方以降はバーにもなり、カフェメニューに加えワインやカクテルも楽しむことができます。

ガトーショコラ（税込800円）とコーヒー（税込700円）を注文。
自家焙煎ならではの香り高いコーヒー、この日はエチオピア産の豆でした。ガトーショコラは濃厚ビター系で滑らかな舌触り、ブラックコーヒーとの相性抜群です。焼き菓子も添えられていてボリュームがあります。
オーナーはとっても気さくな方で、まるで同級生や飲み友達と話している時のように、軽やかに話が進みます。初対面であるにも関わらず、つい姿勢を崩してお喋りを楽しんでしまいました。バナナの樹について伺うと「もう少ししたら収穫する予定です。その後2週間ほど追熟させたら食べられるようになるらしいです。僕も初めてで」との事。

3週間後の9月下旬に再訪店し、見事追熟に成功したバナナを1本ごちそうになりました。
普段スーパーでよく見かけるバナナとは異なる、「アイスクリームバナナ」という品種との事。バナナと聞いてイメージされるような風味は弱く、甘酸っぱく爽やかな味わいです。バナナ特有の粘度ある食感も異なり、さっぱり、もっちりという印象。とてもおいしく、貴重な体験でした。
こちらのバナナは商品ではなく、商品注文時にオーナーに直接リクエストすると無料で提供して下さいます。ご希望の際はぜひ声をかけてみて下さい。

このバナナの樹は地域住民にとても親しまれており、台風接近前に「気になって様子を見に来た」という方や写真を撮りにこられる方、お散歩時に毎回立ち寄る保育園・幼稚園の子ども達、収穫後に「切り株の髄の部分も食べられるよ」と教えてくれる外国人の方等、収穫前も今も、たくさんの方が様子を見にお店を訪れているのだそうです。
ちなみに、このインパクト抜群の「店舗両側を彩る、オリーブとバナナのイメージツリー」は、驚くことに「オーナーの全く意図しないところ」だとの事。残っていた切り株や芽、こぼれ種等が自然に大きく成長した結果できあがった景観です。

店名は「会えて嬉しいです」を意味する韓国の若者言葉「バンガバンガ」が由来で、こちらにも不思議なご縁に満ちた経緯があります。「元々無名で営業していた所、常連さんから何度も『店に名前付けぇや』と勧められた為、スリランカ人の友人の口癖を思いつきで採用しました。後に、彼の母国語ではなく韓国語である事を知り驚きました！　彼自身も、この言葉が韓国語という事はおろか意味さえ知らなかったそうです」と笑いながらお話して下さいました。

今回私がバナナをごちそうになったエピソードだけでなく、「青いバナナを食べてみたい」「自分が釣り上げたウナギをお店でさばいて欲しい」など、訪店者のユーモアあふれる提案にどんどん乗って下さるオーナー。今年で15年目になる「バンガバンガカフェ」、これからも、ここでご縁が繋がった方々と思いがけない新鮮なエピソードを紡ぎ続けていくお店なのだろうなと感じました。
雰囲気ある店舗でカフェを楽しみたい方、自身の好奇心を刺激してみたい方は、ぜひ訪れてみてくださいね。

●BangaBangaCafe（バンガバンガカフェ）●
〒650-0003　兵庫県神戸市中央区山本通１丁目４−３
営業時間　14:00～深夜
定休日　不定休
電話番号　080-5527-3869
公式Instagram　BangaBangaCafe