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新型コロナ感染拡大の中で『消毒用エタノール』が品薄 ペット用消毒を代替する裏技とは?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:アフロ)

新型コロナウイルスの感染が拡大しています。感染経路が不明なものが多く、自分がいつ感染するかという不安がありますね。そんな中、消毒用アルコールで品薄でなかなか手に入れません。ペットと暮らしている人は、彼らも守らないといけないので悩ましいですね。では、どうすればいいかを解説します。

新型コロナウイルスはどんなウイルス?

新型コロナウイルスは、コロナウイルスのひとつです。つまり、まずはコロナウイルスの性質を知ることが大事ですね。

・熱に弱い(70度以上で一定時間)。

・アルコール(70%以上、市販の手指消毒用アルコールがこれにあたります。手袋をつけてくださいね。)に弱い。

これは、よく知られた事実です。

塩素系漂白剤 撮影筆者
塩素系漂白剤 撮影筆者

・次亜塩素酸ナトリウムで、(濃度が0.05%程度)にも弱い。 (肌荒れのリスクがあるので、手袋をつけてくださいね)。

消毒用アルコールが品薄の中での、ペット用品の消毒の仕方

消毒用アルコールがあれば、それで、こまめに拭いてください。ただ、スーパーなどに行っても消毒用アルコールがなかなか手に入りません。そんな場合は、新型コロナウイルスに対して、熱と次亜塩素酸ナトリウムを使いましょう。

・次亜塩素酸ナトリウムとはなんでしょうか?

簡単にいえば、塩素系の漂白剤です。鼻にツーンとくるタイプのものです(一般的には、ハイター、ブリーチという商品名で売っています)。

濃度は、濃度が0.05%(製品の濃度が6%の場合、水3Lに液を25ml 写真のような製品だとピンクの蓋が25mlになっています。)にして、それを作り置きしましょう。

直接肌に触ると手が荒れるので、手袋は必要です。ペットのトレイやその周りなどは、これで消毒をしましょう。病気やシニアになり、よだれがよく出る子は、そのよだれが落ちている部分もこの家庭用塩素系漂白剤で上記のように薄めたものを使って消毒しましょうね。

・熱で消毒

70度の以上のお湯をかける。一定時間以上なので、煮沸消毒できるといいですね。

・乾燥機をかける。

リードや服や敷物は、乾燥機を使いましょう。乾燥機によって、温度が違いますが、60度以上になるものがほとんどです。70度以上になるものもあります(使っている乾燥機が何度まであがるか知っていると便利ですね)。70度以上になるものであれば、コロナウイルスの消毒は、乾燥機を使えば大丈夫です。

・アイロンをかける

布製品は、アイロンをかけることができます。布の最適温度を調べてみましょう。そうすれば、熱でコロナウイルスの消毒になりますね。

まとめ

いまの時期、新型コロナウイルスの感染が拡大して、不安があります。その上、消毒アルコールが品薄だと心配ですね。でも発想の転換をして、いまあるもので、知恵を絞って新型コロナウイルス対策をすれば、心が少し軽くなります。まずは飼い主が感染せず、衛生的な環境で暮らしたいものですね。

参考サイト

厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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