猫の室内飼育で『飼い主が気をつけること』6選!愛猫の快適な室内生活を支えよう!
猫を室内で飼うことは、猫自身の安全や健康を守るのに重要といえます。
しかし室内飼いには特有の注意点があり、飼い主が意識しておくべきことがいくつか存在します。
1.猫の室内飼育で『飼い主が気をつけること』6選!
1‐1.誤飲・誤食事故
猫と室内で暮らしているなら、誤飲・誤食事故にはとくに注意が必要です。
もし猫が危険なものを誤飲してしまうと、健康を害したり、命に関わる場合もあるため、飼い主は十分な対策を講じなければいけません。
まず、家庭内の環境を整えましょう。とくに猫が自由に活動できる範囲にある小物類(ボタン、糸、ビニールなど)は誤って飲み込まれる危険性が高いです。
そのためこれらの危険物は使用後すぐに片付け、猫が届かない場所に保管しましょう。
また、食べ物にも要注意です。たとえばチョコレートや玉ねぎ、ブドウなどは猫にとって毒性がありますので、キッチンのカウンターや食卓などには放置してはいけません。
このように誤飲・誤食事故を未然に防ぐためには、飼い主がきちんと危険物を管理し、猫の行動を把握することが重要です。
そしてもし異常があれば早めに獣医に相談し、迅速な対応を心がけましょう。
【ひとこと】猫は慎重な動物なので、なんでもかんでも口に入れることは少ないかもしれません。しかしわたしが勤めていた動物病院では、「スポンジを食べるクセ」が直らない猫がいて、開腹手術を何度かしました。本当に猫がかわいそうで、誤食クセがある猫の飼い主さんはより厳重な管理をしてほしいと思います。
1‐2.やけどや水難事故
猫の室内飼育では、やけどや水難事故にも十分に注意が必要です。猫は非常に好奇心旺盛で、家の中を自由に歩き回り、時には予想もしない危険に直面することがあります。
まず、やけどの危険性についてです。たとえばキッチンで調理をしているとき、猫がコンロの付近に飛び乗ったり、熱い鍋やフライパンに近づいたりすることがあります。
また冬場はヒーターやストーブの近くで温まりたがる猫もいますが、これもやけどの原因になります。
そのため調理中はキッチンに猫を近づけないようにしたり、ヒーターやストーブ周辺には猫が近づきすぎないようにガードを設置するなど、安全対策を徹底しましょう。
次に、水難事故のリスクについてです。
猫は基本的に水を嫌う動物ですが、水がいっぱいに入った浴槽に誤って落ちてしまうことがあります。
お風呂場を探索しにくる猫は意外に多く、「猫は水が嫌いだから大丈夫でしょ」と安易に考えてはいけません。
とくに浴槽の水が溜まっている状態では溺れる危険性が高いため、入浴後はすぐに水を抜くといいでしょう。
このように、やけどや水難事故は室内飼いの猫にとって大きな危険となるので、飼い主は常に注意を払い、安全な環境を整えるよう心がけましょう。
1‐3.転落
猫の室内飼育において、転落事故は飼い主が気をつけるべき危険の一つです。
猫は高い場所が好きで、キャットタワーや家具の上に登る習性があります。しかしその一方で、バランスを崩したり、ジャンプの失敗によって転落するリスクもゼロではないのです。
キャットタワーや棚の上から転落したくらいでは、ケガのリスクは低いかもしれません。しかしベランダといった高所からの転落は非常に危険で、最悪命を落としてしまいます。
そのため窓を開ける際は必ず網戸やフェンスを設置して、猫が外に飛び出したり、転落したりしないようにしましょう。
ほかには、転落防止のためのネットを設置するか、猫が簡単に開閉できないように扉をしっかり閉めることも大切です。
猫の安全を守るために飼い主が猫の行動を予測し、転落リスクを最小限にする環境づくりをしましょう。
【ひとこと】猫は高いところから落ちても大丈夫。そう思う飼い主さんは少なからずいます。しかしその高さにも限度があって、建物の3階以上の高さになると猫といえど無傷では済まないでしょう。そのため高所に住む猫と飼い主さんは、転落事故防止対策をしっかりしないといけません。
1‐4.閉じ込め
猫の室内飼育において、注意が必要なのが「閉じ込め」です。
たとえば真夏に風通しもエアコンもない部屋に長時間閉じ込められれば、熱中症を引き起こし、命を落とすかもしれません。
そのため、とくに飼い主が留守にする間は、うっかり扉が閉まってしまわないように工夫をしましょう。
心配であれば、ケージで留守番させてもOK。ただしケージでの留守番は、普段滅多にケージに入ることのない猫が、突然できるわけではありません。
なのでケージでの留守番をさせたいのなら、まずは段階的に猫をケージに慣らすところから始めてくださいね!
【ひとこと】真夏に閉じ込められて熱中症になった猫は、勤めていた動物病院で実際にいた患者さんです。そこの子は飼い主帰宅後に発見されて、ギリギリ危機を逃れましたが、閉じ込めは本当に気をつけないといけませんね。
1‐5.人薬の管理
猫がいる家庭では、人間用の薬の管理に十分気をつける必要があります。
人薬のなかには猫にとって有毒なものもあり、誤って摂取すると深刻な健康被害を引き起こす可能性があるからです。
まず薬を保管する場所については、猫が簡単に手が届かない場所を選びましょう。
猫は高いところにも飛び乗ることができるため、キャビネットの中や鍵のかかる場所に保管するのが理想的です。
また、ピルケースや薬瓶のフタがしっかりと閉まっていることを常に確認しましょう。
万が一薬が床に落ちたり、猫が誤って舐めたりしないよう、取り扱いには細心の注意を払ってください。
また、あたりまえですが人薬を素人判断で猫に与えることは絶対にやめましょう。
動物病院で人薬が処方されることもありますが、それは動物でも使える薬を、獣医師が猫の体重に合わせて量を調整しています。
そのため「動物病院で人薬を処方された」からといって、それをマネすることはしないでくださいね!
例えばアセトアミノフェンは人間には有効な解熱鎮痛薬ですが、猫にとっては有害です(参考:ウェズペティ猫の病気辞典)。
猫に健康上の問題がある場合は、必ず獣医に相談し、適切な薬を処方してもらうようにしましょう。
また、万が一猫が薬を摂取してしまった場合は、すぐに獣医に連絡し、早急な対処を行うことが大切です
1‐6.観葉植物の管理
室内飼いの猫がいる家庭では、観葉植物の管理が非常に重要です。
なぜなら、一部の植物は猫にとって有毒であり、誤って摂取すると健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるからです。
「植物が猫に毒性を示す」ことを知らない飼い主さんは意外にも多く、実際に植物が原因の中毒でやってきた猫の飼い主さんも、それを知らなかったというケースがよく見られました。
とくに注意が必要な植物には、ユリ・ホオズキ・シャクナゲ・アジサイなど(参考:JAMC猫のコラム)
これらの植物を猫が口にすると、少量でも嘔吐や下痢、重症の場合は命を落とすこともあります。
そのため、有毒な植物は猫の接触がない部屋に置かなければいけません。もし猫が過ごす部屋に緑を加えたいのなら、猫に無害な観葉植物を選んでくださいね。
【ひとこと】ユリによる中毒で運ばれてくる猫は、植物の中毒の中でもとくに多かったと記憶しています。
2.まとめ
猫の室内飼育には多くのメリットがありますが、飼い主が気をつけるべきポイントも多く存在します。
ぜひ今回紹介したことを参考に、安全対策をしっかりと行い、猫が安心して暮らせる環境を整えましょう。