井上尚弥のWBSS準決勝が5/18英国開催 初の統一戦で無敗対決!
WBA世界バンタム級王者の井上尚弥が16日、横浜にある大橋ジムで会見を行った。
5月18日に英国スコットランドのグラスゴーで、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)の準決勝を行う。
19戦全勝のIBF王者エマヌエル・ロドリゲスを相手に対戦することが、正式に発表された。
初の統一戦で無敗の王者対決
井上尚弥のWBSS準決勝がいよいよ正式決定した。WBA王者の井上が、IBF王者のロドリゲスと対戦し、初の他団体王者との統一戦となる。
井上は昨年行われた、ロドリゲスの試合をアメリカに視察に行き、試合後にはフェイスオフ(顔合わせ)も行なった。プエルトリコ出身のロドリゲスは右構えの技巧派のボクサーだ。共に無敗で王者対決となり注目度も高い。
当初は3月に試合が行われる予定だったが、WBSSの財政面での問題があり、試合の開催が危ぶまれていた。アメリカでの試合や相手の適地プエルトリコでの試合も噂されたが、二転三転してイギリス開催で落ち着いた。
同日はメインイベントでWBSSスーパーライト級準決勝・IBF同級王者イバン・バランチェク(ベラルーシ)VSジョシュ・テイラー(英国)戦も行われる予定だ。
ボクシングが盛り上がっているイギリス
今回は、近代ボクシング発祥の地であるイギリスで試合が行われる。イギリス国内では、ボクシングブームも来ていて非常に盛り上がっている。ヘビー級の統一王者のアンソニー・ジョシュアを中心に多くのチャンピオンがいる。
また、今回の開催地でもあるグラスゴーのあるスコットランドでは、テイラーが絶大な人気を集めている。試合会場は1万3000人収容の多目的アリーナのSSEハイドロになる予想で、会場には多くの来場者が見込まれる。そのため世界的な注目を集めるのは間違いない。
注意したいのは、日本とイギリスでは大きな時差がある事だ。東京に比べ、イギリスは−9時間となる。そのため、イギリスの夜の21時では、日本では朝6時頃となる。時間の感覚が狂うため普段トレーニングしている時間をずらしたり、早めにイギリスに行くなどして、時差対策も必要になってくるだろう。
試合から逆算して準備する
ボクサーは試合日が決まってから、逆算して計画を練っていく。そこからトレーニングと減量のスケジュールが決まるため、日程が決まらないと練習メニューも定まらない。
試合の日にピークを持ってくるには、トレーニングのタイミングやコンディショニング、疲労の抜き方など様々な調整が必要になってくる。選手はそれに合わせて、トレーナーと相談してトレーニング計画を立てていく。
私の場合は、試合に向けて3段階に分けていた。まずは、試合が決まるまでの期間で体力をつける体力期だ。走り込みやフィジカルトレーニングなどで体や心肺機能を鍛え上げていく。
そして、試合の8週間ぐらい前から試合期となり、スパーリングなどの実践主体の時期に移っていく。スパーリングパートナーを呼んだりと、相手を想定したトレーニングを行っていく。試合の1ヶ月ぐらい前に練習のピークを持っていき、それ以降は疲労を抜きながら減量を含めてコンディション調整期に入っていく。
時期ごとにトレーニングを区分けしていき、最適な練習方法を選択して、試合に向けてピーキングしていく。井上も足腰を鍛えるために、2週間ほどグアムで走り込みに行く予定だ。その後に本格的な実践練習に入っていくのだろう。
伝説を作り続けるモンスター
昨年は2試合となったが、海外でも活躍する相手を秒殺した。そのパフォーマンスは圧巻だった。同じボクサーだからこそ、井上が成し遂げていることの凄さがわかる。その功績が讃えられ、昨年度の日本ボクシングの年間表彰では文句無しのMVPを獲得した。
また、昨年の活躍で、海外での評価や知名度も爆発的に上がった。日本人ボクサーで初めて米老舗ボクシング雑誌「リングマガジン」の表紙も飾った。数々の偉業を成し遂げ、日本のボクシング界に伝説を作り続けてきている。
前回から約7カ月も試合間隔が空いて、本人も、もどかしい思いがあったとは思う。ぜひ、その想いを試合にぶつけてほしい。まだまだ底を見せない井上の活躍に期待したい。どこまで壁を突き破っていくのか、本当に楽しみだ。