すでにこの世に存在しない物を「もう一度」と嘆いても仕方ないが、旧中日ビルにあった中華料理店「らーめん亭」の中華飯は最高だった。あの中華飯を思い出すたびにらーめん亭を訪れては、「コレ、コレ」と悦に入った。価格もワンコイン以下で、コスパも抜群に良かった。

　しかし、２０１９年３月に旧中日ビルが建て直しで閉鎖されるため、Ｂ１Ｆにテナントとして入居していたらーめん亭は２０１８年３月末で閉店した。名古屋・栄という一等地で、おいしく安く、早い中華料理の数々はたまらなく魅力的だった。

　２０１６年１２月に税込みで４５０円だった中華飯は定期的に値上げはしたものの、２０１８年３月末の時点でもワンコインの５００円キッカリ。それを超えることはなかった。他にも柳麺（中華そば）４００円、瓶ビール４５０円、ぎょうざ３５０円など、数々の魅力的なメニューが多数あった。

　中華飯は味の輪郭がクッキリしているにもかかわらず、しょっぱくもなく味が薄いということもなく、まろやかな味わいが絶妙だった。

　中日ビルの建て替えに伴う閉店で、ひそかにどこかに移転してリニューアルオープンしている可能性もあるのではと希望を抱いたが、残念ながら本当に閉店に至っている。