【オランダで入院】61話「思わぬ原因に潜む危機:肩の痛みと医療事情」
オランダ在住のひかさん夫婦。2023年2月に日本へ一時帰国しました。帰国数日後に疲労と一週間後の婦人科の手術予定のせいか身体の不調が大きくなりました。
救急外来で処置を受け「膿胸」という肺の病気にかかっていたことがわかりました。
ひかさんは、肩と坐骨神経の激痛で動けなくなり、婦人科の手術を一週間後に控えていました。夫が「かかりつけ医に行こう」と提案しましたが、過去に同様のケースで受診しても「安静にするように」と言われただけだったため、ひかさんは動くことすら拒んでいました。
夫が病院の窓口で予約を試みましたが、混雑のため一週間後の予約しか取れませんでした。また、「救急外来の病院に行ってもよいか」と尋ねたところ、アシスタントから「症状は救急対応の対象にはならないため、予約日を待つように」と指示されました。
その為ひかさんは、痛みが神経や筋肉から来るものだと思い、理学療法士を受診しました(オランダでは理学療法士は紹介状なしで受診可能です)。そこで、救急病院での受診を勧められ、結果として緊急入院することになりました。入院後、かかりつけ医の予約は不要となり、その旨を伝えに行った際、かかりつけ医から非常に謝罪されました。
オランダでは、かかりつけ医登録制があり、かかりつけ医以外の専門医や他の医院を受診することはできません。また、かかりつけ医の人手不足により、予約には時間がかかります。X線やエコーなどの検査は専門医や病院で行われ、受診する科によっては半年以上の待ち時間が生じることもあります。
今回、ひかさんは「肩の痛み」が実は「肺」からくるものだとわからず、かかりつけ医もその関連性を想像できませんでした。このように、症状が他の原因から来る場合、特定までに時間がかかり、病状が悪化するケースも多いようです。ひかさんが意識を失う前に救急外来で診察を受け、病気が発覚したことは幸運でした。
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62話