赤ちゃんが喜ぶおすすめ絵本(5選)赤ちゃんの脳と心を育てる読み聞かせ育児「オノマトペの絵本」
「まだ0歳の赤ちゃんにも、絵本の読み聞かせって必要ですか?」「読み聞かせは何歳から始めるのがベストですか?」そんな質問をよく耳にします。赤ちゃんに、絵本の読み聞かせはまだ早いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、言葉をまだ覚えていない赤ちゃんに絵本の読み聞かせをしても意味があるの?とも思ってしまいますよね。しかし、絵本の読み聞かせは、ぜひ0歳の赤ちゃんから始めるのがおすすめです!
0歳の赤ちゃんに、絵本の読み聞かせがおすすめな理由
妊娠20週頃から、赤ちゃんの聴覚が発達すると言われています。まだ言葉を覚える前の赤ちゃんは、ストーリーを理解することは難しいのですが、音の響きや色彩で絵本を楽しむことができます。絵本の心地よいフレーズやパパやママの声は、赤ちゃんに安心感を与えます。絵本の読み聞かせを積み重ねることで、親子の絆や愛着が形成されることに繋がります。愛着形成がしっかりと育まれていることは、自己肯定感や社会的能力をはじめとする「非認知能力」の土台になると言われています。
また0歳から1歳にかけては脳が急速に発達する時期で、赤ちゃんはまず音を覚えて、言葉を理解していきます。赤ちゃんは繰り返し同じ言葉を聴くことが大好きなので、絵本を繰り返し読み聞かせてあげることで、脳が刺激され言語への興味を育て、脳の発達を促すのだそうです。また、絵本の読み聞かせは赤ちゃんに安心感を与えるだけでなく読んでいる親の心が安定し、ストレスが軽減されるという研究結果も出ています。
赤ちゃんにおすすめ!「オノマトペの絵本」
まだ言葉が理解できない赤ちゃんの頃にも楽しめる絵本はたくさんありますが、まずおすすめしたいのがオノマトペ(繰り返し言葉)の絵本です。赤ちゃんは繰り返し言葉が大好きです。言葉の意味が理解できなくても、音の響きが楽しいオノマトペの絵本は赤ちゃんにぜひ読み聞かせてあげたい絵本です。日本語は多言語に比べて、オノマトペが非常に多いと言われ、4000~5000語はあると言われています。そんな豊かな日本語表現であるオノマトペの絵本を、1000冊の絵本が溢れる我が家の絵本棚から、特に赤ちゃん時代に大活躍した絵本をご紹介いたします。
「がたんごとんがたんごとん」 福音館書店 作:安西水丸
「がたんごとんがたんごとん」「のせてくださーい」を繰り返しながら、汽車が終点まで向かっていくお話です。かなりシンプルなお話ですが、赤ちゃんはこのシンプルな繰り返しが大好きです。うちの子供たちは「がたんごとんがたんごとん」でよく笑っていました。電車モチーフの絵本ですが、女の子もこの絵本が大好きです。「がたんごとんがたんごとん」の音の響きが、赤ちゃんは好きなのかもしれませんね。途中乗車するりんごや哺乳瓶の絵柄も可愛らしいです。短いお話なので、新生児の頃からぜひ読んであげたい絵本です。
「もこもこもこ」文研出版 作:谷川俊太郎 絵:元永定正
谷川俊太郎さんの40年以上愛されている名作絵本です。無から有が生まれ、そして消えてまた始まる・・・などと大人は色々なことを考えてしまいそうですが、子供たちはもっとシンプルに音の響きや不思議な世界観を楽しんでいるのかもしれません。「もこもこ」「にょきにょき」「もぐもぐ」などのオノマトペの言葉の響きが奇妙で楽しい絵本です。とにかく子供がゲラゲラよく笑った絵本で何度も何度も繰り返し読んで、ボロボロになるまで読みました。赤ちゃんはもちろん大きくなったお子様も、また新しい視点で長く楽しめる絵本だと思います。
「だれのなきごえかな?」福音館書店 文/絵:ディック・ブルーナ 訳:まつおかきょうこ
お馴染みのブルーナの絵本から、動物の鳴き声を集めた絵本です。「わんわんわん」や「ぽっぽーぽっぽー」などの動物の鳴き声のオノマトペは音の響きも可愛らしくて、我が家の子供たちも、赤ちゃんの頃からよく反応してくれました。我が家の子供たちは「ちゅーちゅー」ねずみさんの鳴き声が大好きでした。ブルーナの絵本はお母さん世代にもお馴染みですよね。私も子供の頃からブルーナの絵が大好きで、集めるのが楽しい絵本でした。お母さんが読んでいて楽しいも大切です。
「ゆめにこにこ」こぐま社 作/絵:柳原良平
「かお じゃぶじゃぶ」「おちば かさかさ」など日常の様子や風景を表現するオノマトペをたくさん集めた絵本です。日本語は世界的に見てもオノマトペが豊富な言語で、海外の方は非常に驚かれるようです。赤ちゃん時代から、日本語の豊かな表現にたくさん触れさせてあげたいですね。我が家の子供たちは「ほし きらきら」が大好きでした。柳原良平さんの描く、ほっこりあたたかな表情も素敵な絵本です。
「じゃあじゃあびりびり」偕成社 作/絵:まついのりこ
「じどうしゃ、ぶーぶーぶー」「みず じゃーじゃーじゃー」など、日常的なオノマトペの言葉や動物の鳴き声の音のリズムが楽しい絵本です。我が家の子供たちも赤ちゃんの頃、特に反応が良くて手足をバタつかせたり、よく笑う絵本でした。シンプルな言葉の響きが、赤ちゃんは好きなんだと思います。色彩がはっきりしているという点も赤ちゃん時期にはおすすめです。赤ちゃんは誕生の数週間後から、黒と白の対比から始まり、赤、黄色、緑の順に色を認識できるようになってくるのだそうです。聴覚に比べ視覚はゆっくり発達するので、新生児の頃は特にはっきりとした色彩の絵本を選んであげるといいですね。我が家も、何度も何度も繰り返し読んでボロボロになるほど活躍した絵本です。
赤ちゃんの頃は、反応がほとんどないような時期もあるので、絵本の読み聞かせはまだ早いのかなと思ってしまうこともあるかもしれません。でも、反応がなくてもお子様にはしっかりパパやママの声が届いています。オノマトペは、実はとても日本語の表現を味わい深いものにしてくれます。赤ちゃん時代から、日本語の豊かな表現を伝えてあげたいですね。お子様の一生の宝物になるような素敵な絵本とたくさん出会えることを願っています。
高木美紀