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豊島将之竜王、タイトル守るか? 藤井聡太挑戦者、史上最年少四冠か? 10月8日、竜王戦七番勝負開幕

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 10月8日・9日。東京都渋谷区・セルリアンタワー能楽堂において第34期竜王戦七番勝負第1局、豊島将之竜王(31歳)-藤井聡太三冠(19歳)戦がおこなわれます。棋譜は公式ページをご覧ください。

 豊島現竜王は2019年度、広瀬章人竜王(当時)から竜王位を奪取しました。翌20年度は羽生善治九段の挑戦を退けています。もし今期防衛を果たせば3連覇となります。

 ここ2018年に初タイトル棋聖位を獲得して以来3年、ずっとタイトルを保持し、名実ともに将棋界のトップの一角であり続けてきた豊島竜王。しかしもし今期竜王位を失うと、無冠となります。

 将棋界の数々の記録を更新し続ける藤井三冠。今期竜王戦ではついに挑戦の名乗りをあげました。

 藤井三冠はタイトル戦にはこれまで5回登場し、そのすべてを制しています。

 戦後、タイトル戦初登場以来、5回続けて番勝負を制覇した棋士は、すでにいません。

 もし藤井三冠が今期竜王戦を制すると、史上最年少19歳で四冠となります。

 将棋界の現在の席次では、豊島竜王が2位、藤井三冠が3位です。

 もし藤井挑戦者が竜王を含む四冠を保持すれば、渡辺明名人をも抜いて席次1位となります。

 両者の過去の対戦成績は豊島9勝、藤井8勝と拮抗しています。

 昨年10月5日の時点では、豊島竜王が6連勝と圧倒していました。それからの1年では豊島3勝、藤井8勝と、藤井三冠が押し返しています。

 今年度、両者が王位、叡王と2つタイトル戦で熱戦を繰り広げたのは、記憶に新しいところです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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