【衝撃】味の素、50歳以上100人希望退職者募る! 働かないおじさん「50G」の未来は?
■ 味の素の英断
「衝撃的な数字だ……」
私はこのニュースを見て、思わずうなった。
味の素が50歳以上の管理職から希望退職者を募集すると発表した。その規模、100人程度。
「100人」という数字を見て多いと思うか、少ないと受け止めるか、人それぞれかもしれない。私はというと、衝撃的な数字と受け止めた。
なぜなら「管理職100人」だからである。
いくら50歳以上と限定しても、「50歳以上の管理職」全員が対象ではない。組織論「2・6・2の法則」で考えたら、下の層が100人程度、という計算だろう。
つまり全体では500人ぐらいは管理職がいる計算か。50歳以上が? いや、そんなに多くはないだろう。ということは、半分の250人程度?
それだと、半分近くが対象となってしまう。
そう考えると、繰り返すが、やはり衝撃的だ。
50歳以上の管理職の、実に半分近くに引導が渡されたということになるからだ。
あくまでも予測の範囲を出ないが、それでもこのニュースを見る限り、世の中の、いわゆる「働かないおじさん」は、肩身が狭いどころか、死期が近付いていると表現したらいいのだろうか。
私も50歳であるため、同世代の人たちが、名の通った企業でこのような扱いを受けているのに複雑な思いを抱く。
とはいえ、同世代だからこそ、容赦なく突き放したい気持ちになるのも事実だ。
■ 50G(フィフティジー)とは?
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。組織改革をするうえで、最も抵抗する一大勢力がこの世代の管理職だ。
2~3ヵ月も現場でコンサルティング支援をしていると、わかる。労働生産性が低く、会社への貢献度が低い層はどこなのか。
それが、高給取りなのに、実質貢献度マイナスの50代管理職である。そして、ほぼ100%男性だ。私はこのような「働かないおじさん」を、
【50G(フィフティジー)】
と呼んでいる。50代という年齢と世代(ジェネレーション)、そして年老いた男性(ジー)を掛け合わせた造語だ。
次世代移動通信システム「5G(ファイブジー)」は、ビジネスにおいて破壊的イノベーションをもたらすと言われている。
しかし「50G(フィフティジー)」は、破壊的現状維持をもたらす。とくに承認欲求が高い「50G(フィフティジー)」は厄介だ。
意見を伺うことなく意思決定すると、
「俺は聞いてない」
と言いだすし、それでうまくいかないと、
「最初からうまくいかないと思ってたんだ。一言、俺に相談してくれたら、よかったんだ」
とドヤ顔をきめる。
「50G(フィフティジー)」に気を遣いすぎると、チャレンジングな取り組みの執行率は下がり、組織内レポートラインの「絶縁体」となっている場合は、ホワイトカラーの生産性アップに大きな障壁となる。
■ 今後も50G(フィフティジー)がターゲットに
味の素は、働かないおじさんである「50G(フィフティジー)」が組織の老廃物と化してないか。そう思い、希望退職者を募ったのだろう。
トヨタ自動車は、人件費抑制では解決できない「新50代問題」に頭を悩ませている。
今後も大企業を中心に、「50G(フィフティジー)」をターゲットにした同様の動きが増えるだろう。心当たりある50代は、今からでも遅くない。感度を高め、謙虚になり、ご自身のマーケットバリューアップに努めたほうがいい。