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『ナイナイのお見合い大作戦!』の隠れた見どころ。世話役・佐藤B作の「心を動かす激励」

大宮冬洋フリーライター

尊敬できる年上の人から厳しくも温かい励ましの言葉をもらう。これほど嬉しくてありがたいことはあまりない。

嫁不足に悩む地方自治体が手を挙げて全国からお嫁さん候補を募り集団お見合いを実施する特番『ナイナイのお見合い大作戦!』は、「お見合い世話役」たちの励まし力に注目するという楽しみ方がある。参加女性たちと年齢が近いためか、「横から目線」で参加者に寄り添いながら場を明るくする加藤紀子にも好感が持てる。しかし、抜群の励まし力を誇るのは佐藤B作だ。

6月24日放映の『自衛隊の花嫁スペシャル第2弾』では、2つの見せ場があったと思う。1つ目は、「クールビューティ―」と番組から名付けられた女性参加者に声をかけるシーン。美しい彼女は複数の男性からアプローチされるが、ずっと思いを寄せていたイケメン自衛官からは最後に告白してもらえない。彼女は、おそらく「第二志望」である優しい男性からの告白を受け入れる。しかし、手をつないで一緒に歩いてくる彼女は明らかに浮かない表情。「クール」の度を超えている。

こんなときB作は年の功を発揮する。祝福をした後にさりげなく言い添えるのだ。

「女性は愛されるのが一番だぞ」

言い古されたセリフかもしれないが、B作が発するとなぜか説得力を持つ。どうしても無理なら別れてもいいけれど、この立派な若者としばらくお付き合いをしてみなさい。愛され気遣われることで安らぎを覚え、あなたのカタさや緊張が溶けていくかもしれない。

若い頃は女性関係でいろいろあったらしいB作。だからこそ、しっかりした男性から真っ直ぐに愛されることの稀有さを認識しているのだと思う。

2つ目の見せ場は、告白して振られてしまった男性を受け止めるシーンだ。可愛げのある男性が相手だとB作はその力を全開にする。

「いいファイトだ。若いうちにいっぱい負ければいい。そのうち勝つ!」

40年以上前に結成した劇団を今も率い続けているB作。果敢に挑戦し続ける若者が大好きなのだろう。失敗してガックリ落ち込む姿にも清々しさを感じていることが伝わってくる。そのうえで「いっぱい負ければ、そのうち勝つこともある」と力強く言い切るのだ。

経験と愛情に裏打ちされた佐藤B作の激励。お見合い参加者だけでなく、我々視聴者の心をも動かさずにはいられない。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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