ビジネスで「結果を出すクセ」をつける、たった1つのポイント
ちょっとしたことで「結果を出すクセ」がつくはずがない
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。私も部下たちも、結果を出すことにトコトンこだわって現場指導に入ります。10年以上も「絶対達成」にこだわりながら仕事をしていると、当然のことながら結果を出す人と、結果を出せない人の「クセ」がよくわかってきます。
ネットで検索したり、いろいろな書籍で確認すると、結果を出す人は
● 自己肯定感が高い
● 失敗を楽しんでいる
● 行動力がある
● モチベーションが高い
● 家族も大切にする
● 自己投資を怠らない
● 体を鍛えている
……このように書かれています。ま、確かに、結果を出す人は、自己肯定感が高いし、失敗を楽しんでいるし、行動力があるし、モチベーションが高いし、家族も大切にするし、自己投資を怠らないし、体を鍛えている気がします。
いっぽうで、自己肯定感が低く、失敗するたびに落ち込み、行動力もなく、モチベーションなどまったくなく、家族も大切にしないし、自己投資は全然しないし、体を鍛えていない人でも、もちろん結果ぐらいは出せます。
「成功する人ほど遊んでいる」
などと言う人もいますが、遊んでいれば成功するわけでもありません。「●●する人ほど、××する」――という表現は、確かに間違いではないでしょうが、「××すれば●●になる」とは限らない。こういう表現には気を付けたいですね。
「結果を出すクせ」をつけるには、とにかく結果を出すこと
さて今回は、このような詐術的な言い回しではなく、確実に「結果を出すクセ」をつける方法をご紹介します。私どもが現場で実際に指導しているやり方です。
その方法とは――元も子もない書き方になってしまいますが――「結果を出すクせ」をつけるには、とにかく結果を出すことです。
繰り返しますが、とにかく結果を出すのです。結果が出るまで繰り返すのです。頭ではなく、体に覚えさせます。「結果を出す」クセを体に叩きこむのです。
学校の試験対策で考えたらわかりやすいでしょう。たとえば中学校の英語の試験が50点だったとします。この場合、なぜ50点しかとることができなかったのか、反省して勉強しなおすことが大切です。間違えた部分だけを勉強しなおしても実力はつきません。それでは、同じ試験範囲でまた試験をしても100点をとることはできないでしょうから。
また同じぐらいのテンションで試験勉強をし、再び試験を受けます。同じ試験範囲なのに、同じように50点だったら、勉強の見直しがまったくできていないことになります。同じ試験範囲なのですから、再び同じテンションで勉強したら、おそらく50点よりはいい点数をとることはできるでしょう。
これを繰り返し、100点になるまで続けます。
同じ問題を繰り返し100点をとるまでやり続けるのではなく、同じ試験範囲で100点をとるまでやり抜くのです。
ビジネスでも、これと同じような発想でやります。
たとえば上司から提案書を書いてくれと言われても、上司の期待通りにできあがらなかったとします。何度も書きなおし、上司の期待どおりの提案書を作成するのはあたりまえですが、それだけでは「結果を出すクセ」はつきません。別の提案書でも、上司の期待どおりに一発で仕上がらなければならないのです。
また、上司から「A商品の紹介をして」と言われ、上司の期待どおりに紹介できなければ、何度でも繰り返しトレーニングして、期待どおりの商品紹介ができるようにしなければなりません。
しかし「A商品」の紹介はできても「B商品」の紹介はできない。「Cサービス」の商品もまるでダメだし、会社の紹介もできない。自分の自己紹介もできないのでは「結果を出すクセ」がついたとは言えません。
繰り返しますが、間違えた箇所だけ修正していると、言われたことだけをやるクセがついてしまいます。これでは「工夫」が足りません。「考える力」……いや、「考え抜く力」が足りていないと言ってもいいでしょう。
考えて、考えて、考え抜くクセをつけるのです。
一つのパターンのみならず、別のパターンでもできるようにならなければなりません。ある条件でできたのなら、少し条件に変化があっても同じように結果を出せなければならない。このような思考のクセをつけるべきです。
そうでない限り、「結果を出すクセ」などつくはずがありません。
「早起きするクセ」がついた人は、自宅だけでなく、出張先でも旅行先でも早く起きるのです。「名前を覚えるクセ」がついた人は、山田さんの名前も、田中さんの名前も同様に覚えるのです。木村さんの名前は覚えられるが、高橋さんの名前は覚えづらい、そんなことはありません。
「あたりまえの基準」と「マーケットバリュー」
このように「結果を出すクセ」をつけるためには、結果が出るまで何度でもトライすることです。同じ条件のものは当然のことながら、同じような範囲、パターンのものも、あるべき姿にいたるまで、自分で考え抜いて、ひとりで結果を出すのです。
自己肯定感が高いとか、失敗を楽しんでいるとか、行動力があるとか、モチベーションが高いとか、家族を大切にしているとか、自己投資を怠らないとか、体を鍛えているとか……そういうこととは別次元の発想、努力が必要なのです。
大変そうに思えるかもしれませんが、一度「結果を出すクセ」を身に付けたら、ご自身の「あたりまえの基準」は非常に高くなります。人材としてのマーケットバリュー(市場価値)は飛躍的にアップし、どこへ行っても通用する人材になることは間違いありません。
どんなことでも「結果を出すクセ」を身に付けていきましょう。