新年には「意味のないこと」をしよう:お正月リフレッシュの心理学
<心のリフレッシュのために、新年にはバカなことと、かしこまったことを。>
新年には意味のないことを
会社は休みとはいえ、親戚が集まったり、実家に帰ったりと、お忙しい人も多いでしょう。でも、できれば正月はノンビリ過ごしたいとも思います。ストレスが多く、心身ともに疲れた一年。心も体も休めることが必要です。
お正月ですから、おめでたいことに加えて、「意味のないこと」をしましょう。テレビでは、大して意味のない番組をたくさん流しています。子供から年寄りまで、みんなで、難しいことを考えず、笑える番組です(そういう番組を制作することは簡単にできることではありませんが)。
昔からある「すごろく」も「福笑い」も、羽子板で負けた方が墨で塗られる遊びも、みんなくだらない意味のない遊びです。でも人間にとって、意味のないことをすることは、とても意味があるのです。
みんなで気軽にケラケラと笑えることは、幸福なことでしょう。いつもいつも仕事や練習や勉強ばかりでは、心が疲れ果てます。
問題を抱えた子供と親が、あるカウンセラーを訪問しました。その親は、とても真面目で、生活の全てが「勉強」でした。テレビを見ていても、食卓におかずが並んでも、いつもそこから国語算数理科社会の話題になっていました。
そんな親子へのカウンセラーからのアドバイスは、「意味のないことをしなさい」でした。たとえばカラオケに行き、意味のないバカな歌を歌いましょうということです。
人間には、バカなこと、意味のないことも必要なのです。
便利で合理的で正しく真面目な現代社会。でもお正月ぐらい、みんなで集まって、馬鹿話をしてゲラゲラ大笑いするのも良いでしょう。
新年には意味のあることを
一方、新年にはかしこまって、きちんとしたこともします。普段はラフな人間関係でも、正月や仕事始めには、「明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします」などと挨拶をします。
のんびりだらだらと過ごし、そして「今年の抱負」など、新たな歩みを力強く始めましょう。せっかく新年という区切り。人の心もリフレッシュされるのですから。
スタートダッシュは大切です。
さらに特に今年は「平成最後」。この「最後」も、心にエネルギーを与えます。ラストスパートの心理ですね。長距離走でも仕事でも、後もう少しだ、最後だとおもうと、頑張れるものです。心理学では、「終末努力」と呼んでいます。
リフレッシュ
人間には、リフレッシュが必要です。どんなことでも、慣れてしまうと、興味もやる気も感謝の思いも消えていきます。時々、リ・フレッシュ。再び新鮮な気持ちになることが必要です。
新年は、リフレッシュのためにあるのでしょう。昔なら、年が変わる時に、畳を新しくしたり、ほうきを買い替えたりもしました。だらだらと続く時間というものに区切りをつけ、リフレッシュさせてくれるのが、暦なのでしょう。
お笑いも堅い儀式も、新年の行事や習慣自体も、意味のない無駄なものかもしれません。しかし、文化とはそういうものであり、長く続く文化には、やはり意義があるのです。
新しい旅へ
人生には、次々新しいことが起きます。人には安定が必要ですが、安定だけではいつかエネルギーを失います。「新しいことを始める不安とドキドキが、新しい希望とワクワクを生み出します」(新年:ドキドキとワクワクの心理学:Yahoo!ニュース個人有料)。
テレビドラマのような大冒険も大恋愛も、実際には起きませんが、それでも一人ひとりにとっては、波乱万丈の人生が待っています。時々リフレッシュして、心にエネルギーを注入するために、おバカな正月とかしこまった新年を、活用していきましょう。