今週末の「南岸低気圧」で関東甲信の山沿いや山地を中心に大雪、来週半ばは今冬一番の強い寒気が南下か
前線の南下と「南岸低気圧」
令和6年(2024年)1月18日に日本海西部~東シナ海で発生した前線(タイトル画像)が日本の南に南下して停滞する見込みです。
このため、19日は、西日本では雲が多く朝まで雨の残る所があるでしょう。東~北日本は日本海側を中心に雲が広がり、北海道では雪の降る所がある見込みです。南西諸島は概ね晴れるでしょう。
日本付近に南下していた寒気は北へ後退し、最高気温は東日本の日本海側と北日本で平年並の他は、平年より高い予報となっています。
ただ、週末にかけて停滞前線上に低気圧が発生し、本州の南岸を発達しながら東に進み、伊豆諸島付近を通過する見込みです。
いわゆる「南岸低気圧」です。
この「南岸低気圧」の影響で、関東甲信は、20日午後~21日にかけて、山沿いや山地を中心に大雪となる所があり、関東南部の平地でも積雪となる所がある見込みです(図1)。
予想より気温が低くなったり、降雪が強まったりした場合には、山沿いや山地を中心に関東南部の平地でも警報級の大雪となる可能性がありますので、積雪による交通障害、路面の凍結に注意・警戒してください。
東京など関東南部の沿岸部では、今のところ雨の予想ですが、気温が下がる21日未明から朝は、雪が混じる可能性があります。
ただ、天気予報の元となっている数値予報とよばれるコンピュータを用いた手法では、山沿いを中心とした雪がどこまで広がってくるのか、どの程度まで気温が下がるのかなど、現時点においてはバラツキが多い状態です。
今年の1月13日、関東南岸の水戸では平年より25日遅く、銚子では8日遅く、東京では10日遅く、横浜では25日遅く初雪を観測しましたので、それ以外の所では、初雪になるかもしれません。
最新の気象情報に注意してください。
「南岸低気圧」のあとは西高東低の気圧配置
南岸低気圧が通過した来週になると、こんどは西高東低の冬型の気圧配置となって強い寒気が南下する見込みです。
強い寒気の目安として、上空約5500メートルの気温が使われています。この気温が氷点下30度なら強い寒気の目安、氷点下36度なら大雪の目安とされています。
現在、南下してきている寒気は、日本上空約5500メートルで氷点下30度以下の範囲が北海道どまりという寒気です(図2)。
ただ、強くないとっても、「南岸低気圧」が関東地方に雪を降らせるかどうかという、影響が大きい寒気です。
来週半ばに南下してくる寒気は、氷点下30度以下という寒気が関東の南海上まで、氷点下36度以下という寒気が能登半島まで南下する見込みです(図3)。
ひょっとしたら、今冬一番の寒気になるかもしれません。
今冬の冬日と真冬日
令和5年(2023年)12月22日(冬至)の頃に西日本を中心に南下してきた寒波(冬至寒波)では、福岡では最高気温が12月21日に3.7度、22日に4.3度と、平年の最低気温をも下回る厳しい寒さでした。
12月22日に全国で最高気温が0度を下回った真冬日を観測したのは264地点(気温を観測している全国914地点の約29パーセント)、最低気温が0度を下回った冬日は774地点(約85パーセント)もありました(図4)。
1月18日に冬日を観測したのが全国で343地点(約38パーセント)、真冬日を観測したのが59地点(約6パーセント)でした。
1月中旬の寒波はひとまず終わったようです。
冬至寒波に比べるとが、冬日や真冬日のピークが小さく、1月中旬の寒波は冬至寒波には及ばなかったといえるでしょう。
ただ、寒気は繰り返し南下してきます。
来週の中ごろに南下してくる寒波は、冬至寒波より寒く、今冬一番になるかもしれません。
東京の16日先までの天気予報をみると、1月21日の日曜日には小さな雪だるまマーク(雪)があります(図5)。
南岸低気圧による雨または雪が降った後、来週の半ば西高東低の冬型の気圧配置となって寒気が南下し、最高気温は24日(水)が8度、25日(木)が9度と、ともに一桁です。
そして、しばらくは晴天で最高気温が12度程度の日が続く予報になっています。
しかも、この予報は、降水の有無の信頼度が5段階で一番高いAや二番目に高いBが多い予報です。
東京のような太平洋側で晴天が続くということは、西高東低の冬型の気圧配置の時であり、日本海側で曇りや雨の日が続くということになります。
寒波が強ければ、西高東低の冬型の気圧配置となって日本海側で大雪の可能性が、寒気が少し弱いと「南岸低気圧」が発生して太平洋側で大雪の可能性がでてきますので、しばらくは雪に心配な時期が続きます。
タイトル画像、図1、図2、図3、図5の出典:ウェザーマップ提供。
図4の出典:ウェザーマップ提供資料を基に筆者作成。