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シャオミは高性能スマホも「格安」、ブランド展開に新たな一手も

山口健太ITジャーナリスト
シャオミがブランド展開にKōki,さんを起用(シャオミの発表イベントより)

中国Xiaomi(シャオミ)が日本市場向けに投入する高性能スマホ2機種は、その「格安」な価格設定が業界を驚かせています。さらにブランド展開においてはこれまでにない新たな一手が注目されています。

11月5日発売の「Xiaomi 11T Pro」と「Xiaomi 11T」はフラグシップ製品との位置付けです。コスパの良さで知られるシャオミですが、上位モデルの11T Proは税込6万9800円からとなっています。

注目すべきは、このモデルがQualcomm製の最上位プロセッサー「Snapdragon 888」を搭載している点です。多くのスマホメーカーが10万円を超えるスマホに採用していることを考えれば、7万円を切る価格はまさに「格安」というわけです。

Xiaomi 11T Pro(シャオミ提供画像)
Xiaomi 11T Pro(シャオミ提供画像)

スペックも申し分なく、カメラは1億800万画素、有機ELディスプレイは120Hz表示に対応。上位モデルの11T ProはFeliCaによるおサイフケータイに対応、急速充電は最大120Wです。シャオミは「付属する充電器だけでも大きな価値がある」とアピールしています。

スマホの買い替えサイクルが長くなる中で、製品保証は2年間、OSバージョンアップは3回、セキュリティパッチは4年間提供するとのこと。アップデートが1年程度で滞る機種も少なくないことを考えると安心感があります。

もちろん、単にスペックが高ければスマホとして使いやすいというわけではなく、実機に触れるまで評価は保留したいところですが、デモを見る限りでは「テレマクロ」カメラでの撮影が面白そうです。

「テレマクロ」カメラによる作例(シャオミの発表イベントより)
「テレマクロ」カメラによる作例(シャオミの発表イベントより)

2つのモデルは画面サイズなど共通項が多く、プロセッサーに最高の性能を求めないのであれば5万4800円の「Xiaomi 11T」も選択肢になるでしょう。ただしおサイフケータイには非対応となっています。

日本市場攻略に新たな一手

やや気になるのは両モデルともに販路がオープン市場のみで、国内のスマホ販売の大半を占めるキャリアによる取り扱いがない点です。auやソフトバンクに採用されたシャオミ製品も存在しているものの、今回は見送られています。

一方、ブランド展開には変化が起きています。これまでシャオミは派手なプロモーションを避け、オンラインやSNSを活用し「Miファン」を増やしてきました。広告宣伝にコストをかけない代わりに低価格を実現する姿勢は、ファンからも評価されていました。

その結果、スペックやコスパの良さが分かる人には一目置かれる存在になったものの、一般に認知されているかといえばまだ疑問が残るところ。同じ中国メーカーのOPPOが指原莉乃さんを起用したテレビCMで一気に全国展開を図ったのとは対照的でした。

そして今回、シャオミは「ブランドフレンド」として女優・モデルのKōki,さんを起用することを発表しました。日本市場の攻略に向けて、これまでとは違うやり方でのブランド展開はあるのか注目しています。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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