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【姫路発ローカルニュース】姫路市 県道広畑青山線「鉄道交差部概成記念ベント」季節外れの祭りが開催

栗栖成之防災士×探偵ライター
筆者撮影

2005年(平成17年)に着手した「一般県道広畑青山線」の、JR交差部の概成記念イベントが2024年5月26日(日)に開催されました。

イベントの目玉は近隣地域の3町(自治会)による屋台の練り合わせと、道路へのフリーペイント。また、地元中学校の吹奏楽部による演奏も汗ばむ晴天の中行われ、多くのギャラリーで賑わいました。

中でも播州地方ならではの屋台の練り合わせには、地域外からも祭り好きの男女が集い、盛り上がりを見せていました。取材をしてきたので、イベントの一部をご紹介します。

総事業費147億円・延長2,300メートルの県道が、必要だった理由

出典:兵庫県 県土整備部・土木局 道路街路課
出典:兵庫県 県土整備部・土木局 道路街路課

イベントはJRとの交差部にあたる「県道のアンダーパス」が、完成した記念として開催されたものです。

県道広畑青山線は総事業費147億円で、国と兵庫県が各50%の割合で費用を負担します。(投資事業評価調書(継続:再評価〔第3回〕)資料による)

そもそも、新しい県道が必要な理由は、周辺地域で起きる慢性的な渋滞を緩和するためです。

上図は兵庫県 県土整備部・土木局 道路街路課が作成した「投資事業評価調書(再評価第2回)」の資料から抜粋したものです。

北側の渋滞は、姫路バイパス西インターを利用する車両が多いため渋滞が発生しています。そのため新しい県道では、姫路バイパス西インターへ直結するよう施工されるため交通集中緩和に期待できます。

さらに、南側の渋滞地点である「京見橋西詰交差点」は、姫路バイパスを利用する車両が集まる交差点となるため、通勤時間帯は600m以上渋滞している感じです。

新しい県道ができることで、姫路バイパス利用とそうでない車両が分かれることとなり、これまでの長い渋滞はなくなるでしょう。

沿岸部に新日鐵住金の広畑製鉄所が存在

姫路市の広畑地区が栄えた理由に、新日鉄広畑工場の存在は欠かせません。現在ではかなり減りましたが、広畑で暮らすほとんどの家庭が新日鉄で働いていたそうです。

そのため新しい県道は広畑製鉄所の正門に直結する「正門通り」と呼ばれる道路に接続され、利便性がアップし渋滞緩和も期待できます。

道路に落書きができるフリーペイントが人気

筆者撮影
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この日は決められた道路スペースに、スプレーで好きな落書きができる「フリーペイント」が、子どもから大人まで大人気でした。

この上にアスファルトが施行されるので、道路が完成した後は見ることはできません。しかし、子どもだけでなく大人も真剣に、自分の名前をスプレーしたりイラストを描いたりと賑わっており、周囲はスプレーの匂いで何ともいえない空間になっていました。

筆者撮影
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最大のイベントはやはり「屋台の練り合わせ」

筆者撮影
筆者撮影

最も活気のあったのはやはり「屋台の練り合わせ」でした。ここ広畑区を含む播州地方は秋祭りが有名で、毎年10月には各地域で伝統的な祭りが開催されます。

当然、祭りには実行委員会などが存在し、祭り行事以外で勝手に屋台を練ることはできません。

そのため、5月に屋台の練り合わせが行われるのは、とてもレアな状況といってよいでしょう。

筆者撮影
筆者撮影

今回のイベントにはJRとの交差部に関連する地域として「才・早瀬・北河原」の3地区の屋台が登場。しかもレアなイベントであることから、地域外からも練子への応募が殺到したようで、祭り好きの方が多く集まり熱気に包まれていました。

今後も、秋祭り以外で屋台の練り合わせを見られることは、余程のイベントが開催されない限りあり得ない珍しい光景でした。

防災士×探偵ライター

これまで、洪水・土砂災害・地震・津波・高潮など、あらゆるハザードマップを作成。2017年に防災士とひょうご防災リーダーの資格を取得。2014年からWEBライターとして活躍し、現在では経験と資格を活かしてさまざまなメディアに多ジャンルにて記事を投稿中!フリーでの執筆活動をメインにしつつ、探偵として地域の困りごとも解決している。

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