動物病院で飼い猫のもちちゃんの石化が話題に。「猫の狸寝入り」を考える
飼い主が動物病院に連れて行こうとすると、猫はタンスの隅に隠れたり、ベッドの下の奥に行ったりする場合もあります。
猫の動物病院嫌いは、万国共通のようで、今日、ご紹介する猫は、SNSで人気のタイの元保護猫のもちちゃんです。その石化した行動を見ていきましょう。
「狸寝入り」して石化したもちちゃん
動画を見ていただくとわかりますが、猫のもちちゃんはリュックサックの中で丸くなっています。飼い主が「もち、もち」とやさしく呼んで体を撫でたりしても、微動だにしません。まるで、石になったような感じです。
もちちゃんの全身から「動物病院だから、痛いことするのでしょう。ここに存在していないから」と表現しているようです。
耳を触ってもピクリともしないので、気絶するぐらい嫌なのだろう、と推測できます。
Twitter上で14万件超の“いいね”を集めている話題の動画です。リプライ(返信)には「絶対に出ないという、固い意志(石)」「これは...可愛過ぎますね。石になって丸まって動かなければ見つからないって思っているんでしょうね」「猫なのに狸寝入り」など、猫好きの人がたくさん書き込んでいます。
なぜ、もちちゃんは狸寝入りしたのか?
まずは、狸寝入りについて説明していきます。
狸寝入りとは?
狸寝入りとは、言葉の意味は都合の悪いときなどに寝たふりをすることです。
タヌキは、気の弱い動物なので猟師の鉄砲の音を聞いただけでゴロリと倒れて、動かなくなります。猟師がタヌキは死んだと思ってその辺りに置いておくと、意識がはっきりした時に逃げて行きます。そして猟師は、あれ、いない、しまったということになるのです。タヌキは気が弱いだけということです。
狸寝入りの習性は「擬死(ぎし)」ともいう
この気絶する習性は「擬死(ぎし)」とも言われています。
天敵に出会った小動物の取る行動としては、「逃げ出す、隠れる、身体を大きく見せて威嚇する」などが多いです。
北米に生息するキタオポッサムの場合もタヌキと同じように、動かなくなります。驚くと「死んだふり=擬死状態」になることが知られています。
キタオポッサムは天敵であるコヨーテなどの肉食獣に対峙すると、全身を硬直させバタッと倒れるか身体を丸くしてタヌキのように全く動かなくなります。目は虚ろに、口は半開きになり、舌をダラリと垂らして腐肉臭とも言われる臭い唾液を分泌までします。
なぜ、もちちゃんは、擬死状態になったか?
もちちゃんは、石のような擬死状態になり、そこに存在しないことにしたかったのでしょう。気の優しいもちちゃんは、爪を出したり、威嚇したりせず、石のようになり、注射をしないでほしいという戦略に出たのですが、簡単に予防注射をされたそうです。
もちちゃんは、頑張ったご褒美をもらった
もちちゃんは、動物病院では石のようになっていましたが、帰宅すると上の投稿のように機嫌がよくなったそうです。そして、ご褒美にちゅ~るをもらっています。
猫を動物病院に連れていくときあまり興奮させない工夫は?
猫は動物病院に来院しても平常心でいる子もいます。そのような状態でないと治療はしにくいので、瞳孔が開いている子は興奮している場合が多いため、診察室の電気を暗めにします。触ることを最小限にとどめます。
猫をあまり興奮させない工夫は以下のようにしてくださると効果的です。
・あまり待たない時間を予約する
・触れられるのが得意でない子は、目の粗い洗濯ネットに入れる
こうすると、洗濯ネットに守られている気分になり、おとなしくなる子が多い。そしてケージから出しやすい。
上記のようにすると、猫は少し落ち着けると思います。SNSで話題の猫の投稿を見ると猫の習性がわかって興味深いです。