年越しそばの大本命?キャラ立ちすぎ「富士そば」カップ麺を食べてみた
濃口醤油の「富士そば」の味を再現
今回は、ヤマダイのカップ麺「ニュータッチ 名代富士そば 紅生姜天そば」をレビューします。東京を中心に主に関東地方で店舗展開する立ち食いそばチェーン「名代富士そば」の味を再現しています。
「富士そば」の店舗は東京の主要駅をほぼ網羅する勢いで立地しており、店内で流される演歌や深夜営業していることでもおなじみ。関東での知名度は圧倒的です。
「富士そば」のカップ麺は年末恒例となっており、「ニュータッチ」「凄麺」ブランドでおなじみのヤマダイから今回で4回目の登場となります。毎年発売の際にはSNSなどネット界隈を賑わしており、発売を心待ちにしている人の多さがうかがえます。
濃口醤油キレッキレのつゆ
濃い醤油色のつゆにストレート形状のノンフライ麺のそばを合わせ、具として大きな紅生姜天とわかめがのっています。
何といっても紅生姜天が目立ちますが、食べてみると最も際だった存在感を放つのがつゆ。
濃口醤油を使用し、かつお節の風味を効かせた関東風のそばつゆで、強い醤油の香りが特徴的。かつお節でエッジを効かせることでキレの鋭いつゆとなっています。
三笘選手の左サイド切り返しから鋭利な角度のシュートくらいキレッキレ。
ピリ辛未満程度ですが唐辛子が入っており、これも醤油味の鋭さをさらに増幅させていました。ただでさえ濃い醤油味にかつお節と唐辛子で塩気をさらに鋭利にしており、東日本では好まれる味でも、西日本の人にとっては醤油がキツイと感じてしまうかもしれません。
立ち上る湯気から香る醤油とだしの香りは、「富士そば」や駅そばの前を通りかかった時にふらふらと立ち寄るたくなるあの香りそのもので、周囲の人を一時的なそばブームに陥らせる危険性があります。富士そばの味を知る人にとって、つゆの再現性は特筆もの。
カップ麺では珍しいノンフライ麺のそば
麺は中細ストレート形状のノンフライ麺そば。ノンフライ麺のため気泡が入りづらく、生麺に近いコシが再現されています。そばの風味が強く、濃いつゆと合わせてもきちんとそばからの主張が感じ取れ麺とつゆの相性抜群。
おいしいがゆえに麺量は多少物足りなく感じました。実際、麺量60gは同じノンフライカップ麺の「正麺カップ」や「ラ王」に比べると少なめ。
巨大な紅生姜天
巨大で真っ赤な紅生姜かき揚げ天ぷら。後入れタイプなので食べ始めはサクサクした食感を楽しめ、だんだんつゆがしみこんでずっしり重くジューシーになった天ぷらも楽しめます。
一貫して紅生姜の味がとても強く、つゆがしみていく過程で紅生姜の味がつゆに溶け出し、つゆの醤油味に紅生姜のキレを加えていました。天ぷら自体も分厚い上に紅生姜の味が濃くておいしいですが、紅生姜の味が溶け出すことでつゆのキレにも大きく寄与していました。
それにしても、これだけ赤くて大きいとちょっと食べ物らしからぬ不気味さがありますよね。食べ物の例えとして相応しくありませんが、ラフレシアっぽく感じるのは筆者だけでしょうか。
つゆは関東風なのに対し 、紅生姜の天ぷらといえば大阪の味ですよね。カップの中で東西対決の様相を呈しています。今回の関東風のつゆは今年のGチームより破壊力があるので、日本一のTチームも油断できない相手でしょう。
具の主役は間違いなく紅生姜天ぷらですが、実際の「富士そば」のほとんどのメニューに入っているわかめもしっかり入っています。濃い醤油味と好相性で、キレ一辺倒にならずに磯風味がつゆの味に広がりを持たせていました。あるとないでは大違いだと思われます。
年越しそばの大本命
「富士そば」味を再現した年末恒例の商品でしたが、キレの鋭い醤油味のつゆや巨大な紅生姜天ぷらといったキャラの濃さに加え、カップ麺では珍しいノンフライ麺のおそばを用いており、他製品と大きく異なる特徴を有しています。
「どん兵衛」や「赤いきつねと緑のたぬき」といった大定番商品に比べるとちょっと高額ですが、むしろ年越しそばという贅沢が許されるイベントにおいては「富士そば」カップ麺は十分に主役になれるのではないでしょうか。