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フェニックス・巨人戦で望月が勝利。板山と植田の1、2番コンビも好調!《10/10 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
10日の巨人戦(アイビー)で先発した望月投手。7回5安打2失点(自責1)でした。

きのう10日の宮崎は、カラッとした気持ちのいい晴天に恵まれました。もともと“晴れの特異日”だったために、1964年の東京オリンピック開会式が行われた10月10日。やっぱり「体育の日」というと、この日が一番しっくりきますよね。そんな中、県内各地で行われたフェニックス・リーグの試合は、連休最後の日を楽しむご家族連れなどで大いににぎわったようです。

試合前のサイン会。青柳投手(手前)と松田投手が、計100枚の色紙をプレゼント。
試合前のサイン会。青柳投手(手前)と松田投手が、計100枚の色紙をプレゼント。

阪神は生目の杜運動公園・アイビースタジアムで巨人と対戦。試合前にはファンサービスとしてサイン会も実施され、青柳投手と松田投手が色紙を手渡して握手を交わしました。来年はここでなく、1軍のクライマックス・シリーズで投げて!という熱い激励も受け止めながら。

さて試合は、1回と2回に打線が1点ずつ取り、5回にも相手エラーなどから2点。8回には暴投で1点と小刻みに追加した阪神。先発の望月は8番と9番以外に打たれず、6回まで三塁を踏ませることなく終えました。しかし7回にやはり8番と番に打たれて2失点(自責1)。結局、最後までヒットは8番と9番の7安打(8番は途中から代打)のみだったんですね。

《フェニックス・リーグ》10月10日

阪神- 巨人 (アイビー)

巨人 000 000 200 = 2

阪神 110 020 01X = 5

◆バッテリー

【阪神】望月-岩崎-島本 / 坂本

【巨人】今村(5回)-ソリマン(1回)-乾(1回)-小山(1回) / 田中貴-松崎(7回~)

◆二塁打 陽川、川相

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]右:板山  (4-3-1 / 1-0 / 0 / 0)

2]遊:植田  (3-2-0 / 0-1 / 0 / 0)

3]中:江越  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

4]指:横田  (3-1-2 / 1-0 / 1 / 0)

5]一三:陽川 (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0)

6]左:緒方  (4-1-0 / 2-0 / 1 / 0)

7]三:森越  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 1)

〃一:西田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 1)

8]捕:坂本  (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0)

9]二:荒木  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ

望月 7回 115球 (5-6-3 / 2-1) 150

岩崎 1回 15球 (0-2-0 / 0-0) 143

島本 1回 24球 (2-3-0 / 0-0) 143

<試合経過>

5回1死から板山選手が、3打席連続ヒットとなる中前打。
5回1死から板山選手が、3打席連続ヒットとなる中前打。
植田選手も左前打で続き、マルチヒット。
植田選手も左前打で続き、マルチヒット。
さらに江越選手も左前打と相手エラーで1点追加。自身も二塁へ。
さらに江越選手も左前打と相手エラーで1点追加。自身も二塁へ。
横田選手の左犠飛でもう1点入ります。
横田選手の左犠飛でもう1点入ります。

まず攻撃から。1回に板山がセカンド内野安打、植田の左前打、江越の三ゴロで1死二、三塁として横田が放ったショートへのタイムリー内野安打で1点先制。2回は坂本の四球と荒木の中前打で1死一、二塁となり、板山の中前タイムリー。3回と4回は三者凡退でした。

5回は1死から板山が中前打、植田の左前打で一、二塁、続く江越の左前打とレフトのエラーが重なって板山が生還。それぞれ進んで1死二、三塁となり、横田の左犠飛でもう1点追加しています。

6回、7回も走者を出しながら得点には至りませんでしたが、8回に先頭の陽川が左翼線二塁打を放ち、緒方の中前打で無死一、三塁。緒方が二盗したあと続けて巨人・小山の暴投で陽川がホームイン。これで5点目です。

変わって投手陣。今リーグ2度目の先発となった望月は1回、2回と三者凡退の立ち上がり。3回は1死から8番・田中貴に四球を与え、9番・川相の右前打を許しますが1番・高橋洸を見逃し三振!4回は4番・大田をサードのエラーで出したものの、自身の牽制でタッチアウト!この回は3人で片づけました。

5

3打席ノーヒットだった陽川選手は8回に二塁打!
3打席ノーヒットだった陽川選手は8回に二塁打!
8回は岩崎投手が三者凡退。
8回は岩崎投手が三者凡退。
9回は島本投手がピンチをしのいで無失点。
9回は島本投手がピンチをしのいで無失点。

回は2死から田中貴と川相に連打されるも0点に抑え、6回は2三振を奪って三者凡退。ここまでで85球を投げています。そして7回、1死後に6番・北をファーストのエラーで出し、松崎は死球、代打・阪口の打球が望月の手(捕りにいったグラブに添えた右手)に当たって中前打。

これで1死満塁となって、望月は続投。続く川相にまたしても打たれ…中前タイムリーで2人を還してしまいます。しかし高橋洸を見逃し三振に、2番・増田には四球を与えましたが、辻を148キロの真っすぐで空振り三振に切って取り、2点で抑えました。

8回は岩崎が今リーグ初登板。大田を空振り三振、5番・青山は三飛、北も空振り三振で三者凡退!9回は島本が1死後に坂口の左前打、川相に左中間二塁打(4打数4安打)を浴びて二、三塁としながら、連続三振を奪って無失点。5対2で試合終了です。

投打に“規制”つきの試合

まず掛布監督の談話から。望月投手について「きょうは100球以上、8回くらいと思っていたんだけど、手に打球が当たったから7回の球数が増えてしまったからね。ちょっとボールが高かったかな、全体的に。エラーも絡んだからなあ。でも、あそこは抑えていかないと。ジャイアンツは育成選手とか、これからという選手で構成していたので、これくらいのピッチングは当然だし」と振り返っています。

掛布監督(中)に迎えられる坂本選手(左)と島本投手。島本投手は…この苦笑いです。
掛布監督(中)に迎えられる坂本選手(左)と島本投手。島本投手は…この苦笑いです。

そのあと「変化球がいいとこにいっていた。あれが投げられればいいよね。ボールの質はもうちょっと出るかな?望月にとって、これからの野球が大切。きょうのピッチングで満足しちゃいかんでしょ。もっともっと高いところを目指してほしい」と続けました。

「(登板は)あと2試合くらいかな?ほんとに8回、120球くらい投げ切らないと。あのメンバーを見ると、もうちょっと“支配”できるかなと思った。もうちょっと三振を取らないとね。川相の息子はナイスバッティングってことで(笑)。また、岩崎はさすがだよな」。ここまでが投手陣の話です。

試合結果はご覧の通り。阪神が勝ちました。
試合結果はご覧の通り。阪神が勝ちました。
9番の川相選手は4打数4安打2打点と大活躍!
9番の川相選手は4打数4安打2打点と大活躍!

野手に関しては板山選手と植田選手のことでしょう。板山選手は8日の西武戦で左投手から3安打し、この日も左の今村投手から3安打でした。植田選手もここまでの4試合すべてでヒットを打ています。「板山は調子いい。1、2番がいいね。植田もU23の監督の前で、いいアピールになったんじゃない?」。斎藤雅樹監督に話を聞こうとチャレンジしてみたんですけど、さすがにアポなしは無理で…残念!

また掛布監督の「きょうは『2ストライクまで打たない』っていうのを課題としてやった打席もあって、それでチーム11安打だったしね」という言葉がありました。「早い仕掛けがダメなんじゃないけど、誰かが間を作ってあげると打線は楽になる。9人の中での間ができる。それで繋がってビッグイニングになったりね。打線を繋げるための間をわからせようと思って。もう1試合くらいやるかも。そんなことも含めて、それなりに意味のあるゲームだったと思うよ」

高橋コーチ 収穫と課題

続いて高橋投手コーチです。「望月、よかったですよ。115球投げさせてもらって、最後のピンチ力でしっかり抑え込めたのがよかった。アクシデントがあったけど粘れた。1のタイムリーで2点失ったが、そのあと立て続けに打たれることなくってのが、きょうの7回のピッチングで大事だったので」

三振は狙っていたような?「意識して三振を取れたのもよかったですね。フェニックスの目標として奪三振率を上げるというのがあって、その一面が見られたと思います8番、9番のフォアボールやヒットで迎えたピンチも慌てずにやっていたし。ただ同じバッターに打たれると調子に乗せてしまうことがあるので。現に8番、9番は4打席全部出塁したでしょう?これから対戦する時は気をつけてほしいですね。1軍のバッターを想定して」

8回に登板して1イニングをしっかり抑えた岩崎投手には「初登板、よかったと思います。3球で2ストライク1ボールにすること、早く追い込むよう“規制”をかけているんですよ。そこを踏まえつつゼロで抑えましたが、2人は1ストライク2ボールになった。それでも抑えるのが岩崎ですけど、自分有利に持っていくようにしてほしい。これから1イニングで連投もさせます」というコメントでした。

「打たれたのは実力不足です」と望月

先発の望月投手。最速は150キロ、ストライク率もかなりの高さでした。
先発の望月投手。最速は150キロ、ストライク率もかなりの高さでした。

望月投手は7回に悔しい失点。「試合目、坂本さんに『前回は1球1球の意図があいまいだったので、きょうのテーマとして意図をしっかり持って投げたい』と話していたんです。1球ごとに意図を持って投げたので、打たれたのは実力不足ですね。点を取られた(川相選手の左中間タイムリー)のも、スプリットが浮いて高かったので」

実力不足?「意図の間違いについては坂本さんと話し合って、これから。合っているかどうかは結果ですが、意図を持って投げても自分意図したボールがいかないのは力不足です。スプリットが浮くとか、左バッターにスライダーでカウントを取りにいってフォアボールになるとか、技術のなさを感じました」

3人で抑え、笑顔でベンチへ戻る望月投手でしたが…
3人で抑え、笑顔でベンチへ戻る望月投手でしたが…
7回、ついに失点してしまい、この表情です。
7回、ついに失点してしまい、この表情です。

それでも力強く粘っていた印象です。「真っすぐでファウルを取れたし、ファウル結構多かったですよね?ストライク率は高かったのでよかった」。意識して三振を取りにいったところも?「2ストライクに追い込んでから見せ球1つってのが後半は多かったので、高橋コーチから『やんなーなしで3球勝負にいってみれば?』と言われた。真っすぐで三振を取れたし、勝負にいったのがよかったです」

もっと三振を取れたのでは?「7回のフォアボールの、ああいう場面で自信を持っていける決め球がまだないですし、真っすぐを張っているバッターにうまく振らせる変化球があれば。全体的に高かったのもありますが、インコースに関してはいいのもあったと思う。左右のコントロールはよかったけど、上下が甘かったですね」。なるほど、そこは来年に向けての課題かもしれません。

打球を右手に受けて、そのまま投げた望月投手。前にも打球が足かどこかに当たったことがありましたっけ。「本当にもう!何なんでしょうね」と憤慨しています。かなり痛かったと思われますけど「当たったのも、そのあとベンチに戻って思い出したくらいで。痛さより、あの打球を捕っていればゲッツーだなという気持ちの方が…」と言っていました。

岩崎、島本、そして植田

岩崎投手は4番からの3人をピシャリ!
岩崎投手は4番からの3人をピシャリ!

初登板だった岩崎投手。低めにいい球が行っていましたねと振られ「チームとしてストライク先行(というテーマ)を持っているので、そこをやっていきたいです」と答えています。今後の連投については「自分の中で大事になってくrと思うので、結果を出したい」とのことでした。

また島本投手は、真っすぐで三振を取ったあと、8番と9番に連打されたものの連続三振で試合終了。この2つは135キロの「フォーク」だったそうです。チェンジアップは?「1球だけ投げたけど…しょぼかったので止めました」。よく抑えたねえと言ったら無言で苦笑い。

2回、初球を打った植田選手。「入ったか!?」というレフトへの大ファウルでした。
2回、初球を打った植田選手。「入ったか!?」というレフトへの大ファウルでした。

最後は植田選手。初戦の4日が3打数3安打4打点、6日は3打数1安打、8日は4打数1安打、この日は3打数2安打と、全試合でヒットを放っています。「いい形で打てました。サインも出ていなかったので」と振り返る、1回無死一塁での左前打と5回1相一塁での左前打。巨人の、そしてU23の斉藤雅樹監督に「ちょっとはアピールできましたかね」と笑顔です。やっぱり意識していた?「していないです」…野球もコメントも自然体です。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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