HSP必見!自律神経失調症の原因になるストレスと関連する病について解説
こんにちは、精神科医しょうです。
私たちの体は外部環境に適応するために、一定の体温や血圧を維持し、心臓を休みなく動かしながら生命を維持し続けています。
こういった活動ができるのは、私たちの体に恒常性を維持するホメオスターシスという力が備わっているからです。
このホメオスターシスを保つために全身をコントロールしているのが、自律神経です。
自律神経は私たちの意思とはかかわりなく、活動するために「植物神経」とも言われ、意思によって動かすことがえきる「動物神経」と区別されています。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つに分けられるのですが、交感神経は「活動する神経」と言われ、仕事や運動をする時に心臓の動悸や血圧を高め、精神活動を活発にさせます。
一方、副交感神経は「休む神経」と言われ、睡眠や休息を取る時に働きます。
体をスムーズに働かせるために、2つの神経はお互いにリズムを取り合っているのですが、緊張や不安といった何らかのストレスが加わることで、簡単に乱れてしまうという難点があります。
自律神経失調症の原因になる「ストレス」とは?
ある人には悪いストレスであっても、別の人には良いストレスになることがあります。
HSPは気質により、外部の刺激を大きく感じてしまうことがありますが、その刺激を良い方向へ捉えるか、悪い方向へ考えてしまうかはその人次第です。
人の顔や体形がそれぞれ違うように、ストレスの感じ方や影響にも個人差があります。
ストレスが、私たちにどのような影響を与えるのかに関して、3つの時期があると言われています。
・一期 警告反応期(アラーム)
ストレスにさらされて、間もない時期を指します。
急にストレスにさらされたことにより、一時的にストレスに対する手抵抗力が弱まります。しかし、ストレスに対処しようと、交感神経が優位に働くとともに、心身が防御反応を示し、アドレナリンやノルアドレナリン、副腎皮質ホルモン等が分泌され、ストレスへの抵抗準備を行います。
・二期 抵抗器(レジスタンス)
ストレスに対してバランスを保っている時期です。
心身に負荷はかかるものの、ストレスに負けずに対処している状態だと言えます。
・三期 疲労期(イグゾースト)
ストレスに対抗している時期が長くなると、疲労がたまり徐々に抵抗力が落ちてきます。
疲労期は3つの過程の中でも、最も危険な時期であり、重篤な病気や抑うつ症状など、社会生活に支障をきたすような症状が表れてしまうことがあります。
自律神経を乱しやすいストレスの種類は?
ストレスが持続すると、3つの段階を経て心身の反応が変化することがお分りいただけたかと思います。
では、私たちは普段からどのようなストレスにさらされているのでしょうか?
・物理的ストレス
暑さ、寒さ、高気圧、低気圧など
・環境的ストレス
騒音、照明、空気汚染など
・社会的ストレス
仕事、残業、夜勤、多忙、責任度
・肉体的ストレス
病気、けが、睡眠不足、不規則な生活
・精神的ストレス
失敗、失恋、仕事等に対する責任、健康や将来に対する不安
・人間関係のストレス
職場や学校での対人関係、他人とのトラブル
他の病かと思っていたら、自律神経失調症だった?
「他の病気だと思い込んでいたら、実は自律神経失調症の部分症状だった」という場合があります。
また、受診する科によって、さまざまな病名がつくのも自律神経失調症の特徴であることもあります。
それらのいくつかを紹介します。
・更年期障害
婦人科で更年期障害と診断されても、その約60%は心理的な原因によって起こると言われています。
年齢的なホルモンバランスの乱れに加えて、子どもの独立や身近な人との死別などの大きな環境変化によって起こるストレスが発症に関係していると言われています。
・月経前症候群
月経前になると不安、頭痛、不眠、筋肉痛、吐き気などの症状が表れることがあります。
女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が急激に変動することが、これらの不快な症状を引き起こす原因と想定されています。
女性ホルモンの乱れにより、自律神経も乱れやすくなりますので、女性にとってこの時期は休息を取る、リラックスを心がけるなどゆっくり過ごすことで心身を落ち着けることが求められます。
・めまい、耳鳴り
耳鼻科で検査をしても平衡感覚器に特に異常が無い場合は、自律神経失調症が疑われるかもしれません。
自律神経失調症によるめまいは、一般的に考えられているクラクラとするようなめまいと違って、体がフワフワする感じや、足元が浮くような浮遊感があることがあります。
耳鳴りに関しても、頭がガンガンとすることがあります。
・肩こり
肩や首の筋肉痛だけでなく、頭や胸など全身に痛みを感じることがあります。
また、自律神経失調症による肩こりは慢性化しやすく、なかには不眠、のぼせ、倦怠感、食欲不振などの症状を伴うこともあります。
まとめ
今回紹介した自分のストレス状態を把握して、ストレスに対処する方法を見つけ出すことは、自律神経失調症を予防する受けで、大変重要なことです。
普段から、自分のストレス度を意識して、過ごすようにしてみましょう。
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