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「隠れ首位打者」が離脱。吉田正尚にも首位打者のチャンスあり!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミゲル・ロハス(左)とコリー・シーガー Jul 21, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月22日、コリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)は、今シーズン2度目の故障者リストに入った。前日に二塁打を記録した際に、右手の親指を痛めた。上の写真は、その場面だ。

 ここまでは、打率.350と出塁率.413、15本塁打、OPS1.044。現時点の規定打席――レンジャーズの試合数×3.1――にはわずかに不足ながら、打率と出塁率の数値自体は、7月21日時点のア・リーグ1位、ヤンディ・ディアズ(タンパベイ・レイズ)の打率.319と出塁率.402を上回る。このままいけば、シーガーは、今月中にも打率トップに位置する――出塁率はどうかわからないが――はずだった。

 ア・リーグには、ディアズの他にも、打率.310以上の選手が3人いる。吉田正尚(ボストン・レッドソックス)が.317、ボー・ビシェット(トロント・ブルージェイズ)が.315、ジョシュ・ネイラー(クリーブランド・ガーディアンズ)は.312。その下の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、打率.305だ。

 離脱が長引いた場合、シーガーは、シーズン全体の規定打席に届かないかもしれない。現時点では298打席。502打席に達するには、あと204打席を必要とする。

 とはいえ、ア・リーグ首位打者の筆頭候補は、依然としてシーガーだろう。出場66試合で298打席なので、1試合平均は4.5打席。このペースが変わらなければ、あと45~46試合に出場すると502打席を超える。レンジャーズは、まだ60試合以上を残している。

 また、502打席に届かなかったとしても、シーガーは首位打者となり得る。例えば、492打席でシーズンを終えた場合、不足分の10打席を10打数0安打として、実際の打数(と安打)に加え、それでも他の選手の打率を凌げば、シーガーが首位打者だ。

 タイトルの行方以上に気になるのは、シーガーの離脱がレンジャーズに及ぼす影響だろう。6月23日を終えた時点で、レンジャーズは、ア・リーグ西地区2位のヒューストン・アストロズに6.5ゲーム差をつけていたが、その差は3ゲームに縮まっている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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