韓国メディアが衝撃の日韓サッカー連載 「日本には10年前から抜かれている」「根性でも負けてる」
韓国メディア「中央日報」のあるサッカー関連の3回連載が同国で注目を集めている。
「広がる韓日サッカー格差」
この2年半、A代表から年代別代表まで、すべての日韓戦(5試合)で韓国は0-3で敗れている。これが「韓国サッカー界の現状を象徴する事態」だとし、韓国サッカーが直面している問題を深堀りし、将来の解決策を考えるとしている。
連載の2回目では、韓国の有識者へのアンケート結果が公表された。
「日本に追い抜かれたと思うか?」
24人中20人がYESだったという。
歴代のAマッチ直接対決での成績は韓国の43勝19引分19敗。しかし、近年の成績では「逆転されていることは明らか」と同紙は論じる。
中でも驚くべきは、Kリーグ1の水原FCの最高責任者を務めるチェ・スノ氏(崔淳鎬。日本ではチェ・スンホとも)の発言だ。
「韓国が日本に追い抜かれたのは10年以上前のことです。長い間、内容と結果の両方で負けていました」
なにせ80年代から90年代初頭にかけての韓国サッカー界の大エースたる彼、1991年7月27日に長崎で行われた第15回日韓定期戦で日本に1-0で勝ったのち、こう発言していたのだ。
「日本は永遠の格下」
当時、横山謙三監督が率いた赤いユニフォームの日本代表には三浦知良、ラモス瑠偉らが「駆け出しのメンバー」としてプレーしていた。直前に行われたキリンカップでトッテナム(イングランド)に5-0で勝利し、意気揚々と望んだゲームで韓国に鼻をへし折られる形となった。当時のサッカー専門誌にはラモス瑠偉が「相手が韓国になった途端にビビってんじゃねぇ」と激怒する様子が伝えられていた。
チェ氏のいう「10年前」は2013年。つまりは1991年から約20年で「永遠は永遠でなくなった」のだ。
同記事では、Jリーグでのプレーもあるホン・ミョンボ(54)ウルサン監督のこういったコメントも紹介している。
「日本は“世界に行くためには韓国を超えなければならない”と口癖のように言ってきた。一方、韓国は偶然に勝つ韓日戦で、いくつかの問題点を覆い隠してきた」
韓国が日本に「追い抜かれた」。同メディアはこの原因をいくつか挙げている。
層の薄さ
韓国と日本の間のサッカーの格差について、アンケートに答えた多くが「選手層の薄さ」を指摘したという。韓国の登録選手数は11万6000人に対し、日本は82万6000人。ある関係者は「1万人から11人を選ぶよりも、100万人から選ぶ方が良い選手が出る確率が高い。"質"は"量"の中に隠れている」と語ります。元京都サンガで、現在は東国大学監督を務めるアン・ヒョヨン氏も「韓国では優れた選手が時折現れるものの、日本には同様のスタイルの選手が10人ほどいる」と指摘した。
結果重視の指導法
アンケートでは28%の関係者が「勝利と結果だけを強調する韓国式の指導方法が問題」としたという。高麗大学の監督であるシン・ヨノ氏は「子どもたちに基本と技術を忠実に教えるべきだが、監督としての成績を無視するのは現実的に難しい」。過去のスター選手たちが指導者になり、さらに名声を挙げるために結果至上主義がより高まった、としている。
対日本の態度の変化
東京五輪代表チームの監督だったキム・ハクボム氏は、日本戦を行う態度の変化について言及した。曰く「かつては日本戦で1対1でボールを奪われたら必死に追いかけたが、最近では何もしない選手も見られる。逆に、日本は幼いころから戦略的に『必死に追いかける』といった根性を強調している」と述べている。
同メディアは連載第2回のまとめとして今後、韓国サッカーが成長するためには以下の点が必要だとしている。
敗戦を恐れずに日本との対決を増やす
質と量のバランスを取る
選手層を厚くする
結果だけに焦点を当てるのではなく、選手の成長と技術の向上に注力する
最後に匿名で答えたサッカー関係者のコメントも紹介している。
「日本戦を避ける、というのは大病が発覚するのが嫌だと健康診断を恐れるようなもの。日本というライバルを通じ、韓国の現在地を確認することはメリットだといえる」
最後に韓国サッカーウォッチャーたる筆者からみた見解を。
いったん問題があると認めれば、一気にバサッと斬る。
これはいかにも韓国らしい面だ。いっぽうで戦う相手は果たして日本なのか、世界なのか。そんなことも思う。先のカタールW杯では内容面では日本が優っていた思うが、結果は同じベスト16。グループリーグ最終戦のポルトガル戦に勝利し、きっちりと結果に繋げてくるあたりのメンタリティ、「対日本」とは違う軸の強みもあるように感じるが。
同記事が言う通り「日本が追い越した」のなら、日本と同じようなことをやるのか、違うことをやるのか。そこが今後の注目ポイントだ。