子育ては「子どもを親の思うようにすることはできない」と悟ることが大事
子育てで大事なのは待つことです。親にできることはしてあげ、後はじっくり待ちましょう。結果を出すのは子どもという他者だからです。
待つ時間は5分・1時間というレベルから1年・5年・10年・30年というレベルまでいろいろですが、とにかく待つことが大事です。
待てる親なら、子どもは自分のペースで着実に成長していけます。
子どもの成長は、体の面だけでなく心や頭の成長についても百人百様です。どの子にもその子独自のオリジナルな成長ペースが内在しており、早い子もいれば遅い子もいるのです。
親は子どもの促成栽培を目指しがちですが、早ければよいというものではありません。小さいときは手がかかったりパッとしなかったりしても、後になってぐんぐん伸びる子はたくさんいます。
しょうもない状態でいるのにも必然性がある
親は「なんで、この子はいつまでもこうなのか」と思いますが、その子は今そういう状態でいる内面的な必然性があるのです。
そして、親の目には見えなくても、内側では確実に変化・成長しています。それはさなぎの状態と同じです。
さなぎは外からは変化が見えません。でも、内側では細胞が全て組み変わるような大変化が起きていて、時が来れば羽化して成虫になります。
さなぎを無事に羽化させたいなら、さなぎにとってよい環境を整えてあげる必要があります。でも、それ以上のことはできませんし、してはいけないのです。
さなぎが変化しないからといって、外からつついたりするのは「してはいけない」ことです。それをしないでひたすら待つことが必要です。
子育てや教育も同じです。親にできるのはよい環境を整えることです。子どもにとって一番の環境は親ですから、親自身の言葉遣いを肯定的にしたりアンガーマネジメントに心がけたりすることは、まずもって大切です。
その他にも、叱らなくてもすむ工夫をしたり勉強や運動が好きになるような工夫をしたりすることも大切です。
できることをしたら後は待つだけ
でも、だからといって、子どもが親の思うように変化・成長してくれるとは限りません。ですから、待つほかないのです。
待てない親は「してはいけない」ことをしてしまいます。否定的な言葉で叱ったり罰を与えたりなどです。これはさなぎを突くのと同じで、子どものオリジナルペースを乱して健全な成長の妨げになるだけです。
例えば、子どもに挨拶ができるようになってほしい場合、親にできるのは、親が進んで気持ちのよい挨拶をしてお手本になる、挨拶することのよさを話してあげる、子どもが挨拶をしたらほめるなどです。
でも、それをしたからといって子どもができるようになるとは限りません。そこで叱ったり罰を与えたり他の子と比べたりなどしてはいけないのです。それらは逆効果になるばかりです。
結局子どもを親の思うようにすることはできない
その他のしつけや勉強についても、全て同じです。子育てでは、「結局子どもを親の思うようにすることはできない」と悟ることが大事だと思います。
親が子どものためにできることをしてあげる、そのこと自体をエンジョイしながらしてあげましょう。それしかできないし、それで十分です。
その過程そのものが人生の幸せの時間です。そして、結果については達観して諦めましょう。「人事を尽くして天命を待つ」の境地です。やがて時が来て子どもは必ず羽化します。
最後に付け足しです。アドラー心理学の「課題の分離」という考え方を頭に入れておきましょう。つまり、親の課題と子どもの課題を分けることが大切なのです。
子どもの課題は子どもにしかできません。親が子どもの課題を何とかできると勘違いするところから悲劇が始まります。
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