『キラメイジャー』のヒロイン新條由芽が学園戦隊ドラマで悪役に 「いたぶる演技は楽しかったです(笑)」
ジャニーズJr.の美 少年が主演する戦隊ヒーロードラマ『ザ・ハイスクール ヒーローズ』(テレビ朝日系)で昨夜放送の2話に、『魔進戦隊キラメイジャー』でヒロインを演じた新條由芽がゲスト出演した。戦隊の一員から、今回は魔人と化して戦隊の敵となる真逆の役。悪役は念願だったと言い、大きな経験になったようだ。
スーパー戦隊の1年で表情が豊かになりました
――『キラメイジャー』はファイナルツアーまで終わって、ロス的なものはありましたか?
新條 段階を踏んで終わりを感じていましたね。本編の撮影が終わって、Gロッソでのショーが終わって、ファイナルライブツアーで全部終わって……という感じで、心の準備はできていました。だから、ロスを感じることはあまりなかったと思います。
――本編を撮っていた頃よりは時間の余裕ができたと思いますが、空いた時間を使って何かを始めたりはしました?
新條 またジムに通い始めました。あと、刺しゅうをずっとやりたかったので、チクチク縫い始めています。
――どんなものを作ったんですか?
新條 イヤリングです。刺しゅうでアクセサリー系を少しずつ、いろいろ作りたいと思っています。
――スーパー戦隊シリーズの『キラメイジャー』で速見瀬奈(キラメイグリーン)を1年間演じて、「性格が明るくなった」と発言されていますが、女優としてはどんなプラスがありました?
新條 瀬奈がすごく表情豊かで、いろいろなリアクションをする子だったので、1年でそれまでしたことのない表情をできたかなと思います。怒った顔とか、大げさなリアクションとか。
――瀬奈のキャラが5つに分かれた回もありましたね。
新條 ありました。そのときの真面目な堅物のキャラもやったことがなかったし、楽しかったです。
どれだけ役で遊べるか挑戦してきたので
――瀬奈を演じていて、途中で悩んだこともありました?
新條 最初の頃は悩みました。テンションが低い自分と元気な瀬奈とギャップがあったので、そのすり合わせというか、どこまでやればいいのか結構考えましたね。でも、もともと自分がやっていた百人一首がテーマの9話くらいで、「瀬奈はこんな子だから、こう演じればいい」と、自分の中で掴めてきた気がしました。
――監督さんかどなたかに言われて、糧になったようなこともありますか?
新條 キャストで最年長のキラメイブルーの(水石)亜飛夢くんが「どれだけ役で遊べるか」と言って、みんなで挑戦していたんですね。『キラメイジャー』はコメディ調の作風だったので、キャラクターを演じる中でどれだけ振り幅を大きくできるか。そこで自分の演技が広がったと思います。
――瀬奈でどんなふうに遊んだんですか?
新條 リアクションをどうすればいいか、亜飛夢くんに相談して、「思い切りこうしてほしい」と言われたり。私は自分では激しいことができないタイプなので、助けられました。
――殻を破れたような?
新條 そうですね。それが日常でも出て、家族にも「前より楽しそう」と言われます。自分で意識しているわけではないので、本当に変わったんだと思います。
低めの悪い感じの声でノリノリでできました(笑)
――それにしても、『キラメイジャー』が終わって程なく、また戦隊ドラマの『ザ・ハイスクールヒーローズ』に出演して、しかも今度は悪役とは予想してなかったのでは?
新條 ビックリしました。『キラメイジャー』が終わってから、ずっと「悪役をやりたい」と言っていたんです。マネージャーさんに「今度できるかもしれないよ」と言われて、いざ台本をもらったら、またヒーローもので、今度は真逆の悪役。すごくうれしかったです。
――「やりたい」と言っていた悪役とは、イメージが違っていませんでした?
新條 いろいろな悪役という意味で、ヒーローものの敵役も考えてましたし、刑事ものの犯人もやってみたいです。今回の黒髪魔人は見た目からすごく怖くて、「私がこうなるんだ」というのはありました(笑)。
――由芽さんが演じたのは、黒髪魔人に変身する前の女子高生・三島純加。悪役ぶりを発揮できたのは、アフレコですか?
新條 そうですね。アフレコで一番悪役っぽいことができたと思います。最初は自分の中で、どうしたらいいかわからなくて。『キラメイジャー』のときは、瀬奈のままの声でキラメイグリーンもやりましたけど、今回は普通の女子高生から魔人になるので。家では純加のままでやるパターンと、魔人に変身して怖いパターンを両方練習して、監督から当日に「低めの悪い感じで」と言われました。
――普段の由芽さんのかわいらしい声とは、だいぶ違ってました。
新條 できるか不安でしたけど、いざやってみたら、結構ノリノリで悪役をやれたかもしれません(笑)。テストで声を出してみたら、「いい感じなので、それで行こう」と言ってもらえました。
やられたときは断末魔の叫びを上げて
――声を低めにする以外に、意識したことはありますか?
新條 不敵な笑みと言うんですか? 「フフフ……」みたいな笑いも初めてやりました。『キラメイジャー』の邪面師も観返したんです。プロの声優さんたちが、どんな感じでやっていたんだろうと思って。でも、邪面師はコメディ調なんですよね。ちょっとかわいいところがあったので、黒髪魔人はより悪者っぽい感じにしました。
――特に見どころというか、聞かせどころだと思ったのは?
新條 戦闘シーンは頑張りました。櫛状の武器を使ったり、髪の毛を伸ばして捕まえたりして、悪者っぽい攻撃の仕方ややられ方は、ヒーローとは違うようにしようと意識しました。やられているときの叫び方も、ヒーローのときは「キャーッ!」とか「うわっ!」という感じでしたけど、魔人では断末魔みたいなすごい声を出しました(笑)。ただ、アフレコの仕方は1年やって身に付いていたので、そんなに苦労はしませんでした。
――楽しんでできたと?
新條 そうですね。やられて思い切り叫ぶとか、普段できないことですし、ヒーローをいたぶるのも面白かったです(笑)。ちょっと余裕のある感じを出して、楽しくできました。
わかりやすさを意識する演技とは変わるかも
――実写で演じた純加は片思いをしている役でした。
新條 学校の人気者で、かわいくて有名だけど、一途に想いを寄せているミドヒーローの直哉にはフラれて……という。プライドが高くて、「直哉の彼女になるのは自分しかいない」と思っている子でしたね。
――その部分では学園ものだったわけですが、スーパー戦隊での演技とは違うところもありましたか?
新條 どうなんですかね? 今回も戦隊ものではあって、自分ではあまり違いは感じませんでした。
――“戦隊芝居”という言葉もありますが。
新條 よく言いますよね。自分ではわかりませんけど、スーパー戦隊シリーズは子どもがターゲットなので、わかりやすさを意識している部分はありました。普通のドラマとは、ちょっと違うところもあるかもしれません。
――自分でもドラマや映画はよく観るんですか?
新條 映画は映画館で観るのが好きで、『ザ・ファブル』が面白かったです。私は岡田准一さんの演技が『SP』からずっと好きで、出演されている作品はチェックしていて。自分も『キラメイジャー』で1年間、プロの方のアクションを目の前で見てきたので、今回の『ザ・ファブル』は前作と違う見方ができました。
――自分もアクションに触れてきただけに。
新條 実際にご本人がやっているのもわかるし、「これはどうやって撮っているんだろう」と考えたりしました。
――団地で鉄骨の足場が崩れていく中でのアクションとか、圧巻でした。
新條 あれはすごすぎて、開いた口がふさがりませんでした(笑)。岡田さんはほぼ全部自分でやってらっしゃるそうですけど、本当に面白かったです。
――由芽さん自身もそういうアクションをやりたいと?
新條 岡田さんはプロで、私は『キラメイジャー』でも自分でアクションはそこまでやらなかったので。今後ちょっとずつでも練習して、できるようになったらいいなと思います。
去年の夏は炎天下に走って今年は家でゆったりと
――去年の夏は、猛暑の中の『キラメイジャー』の撮影で、大変だったんですよね?
新條 そうですね。隊員服が通気性の悪い厚い素材で、かなり暑かったです。瀬奈が走り続ける『大ピンチランナー』の回を、8月の猛暑の時期に撮ったんですよ。炎天下でずっと走っていて、汗をメイクで付けるんですけど、必要ないくらい自分の汗が出てました。
――バテませんでした?
新條 バテずにいけました。熱中症には気をつけて、ちゃんと食べて塩分や水も取って、何だかかんだと乗り越えられました。
――今年の夏はどう過ごしているんですか?
新條 家でゆったりしてます。梅雨明けして、すごく暑くなったので、これで8月になったら死ぬなと思って(笑)。
――家では何をしているんですか?
新條 今は刺しゅうですね。あと、ゲームが好きで常にやっています。オンライン対戦系が多くて、『第五人格』とかをひたすらやっています。
――配信で映画やドラマを観たりは?
新條 私、2時間くらいの映画になると、家だと集中力を削がれてしまうんです。映画館ですべてをシャットアウトして、集中して観たい派です。
――映画館では、さっき出た『ザ・ファブル』以外では、何か刺さった作品はありました?
新條 半年前くらいに観た『あのこは貴族』という邦画です。あまり大きい映画館でやってなかったんですけど、SNSで話題になっていたので、観に行きました。かなりいろいろ考えさせられて、門脇麦さんが結婚が決まった箱入り娘の役で、すごく繊細な演技から伝わってくるものがありました。
悪役の最上位を今できて良かったです
――そうした作品を観ていて、自分もこういう役をやりたいとか、刺激になることもありますか?
新條 そう思うこともありますね。犯人役をやりたいのも、『相棒』や『科捜研の女』を観ていたからです。もともとお母さんが刑事ものを好きで、私も一緒に観ていました。あと、恋愛系が意外と今まで出たことがないので、やってみたいです。学生の制服はそろそろ厳しいかと思いますけど(笑)。
――『ザ・ハイスクールヒーローズ』で悪役を演じて、収穫は多かったですか?
新條 ヒーローものの悪役って、悪役の最上位じゃないですか。刑事ものの犯人は逮捕されるだけ。ヒーローものの悪役は子どもたちでも誰が見ても悪くて、最後は断末魔の叫びを上げて消えていく。そういう役を経験できたことは、かなり大きかったと思います。
――自分に悪役が向いているとも思いました?
新條 向いているかもしれません(笑)。アフレコがノリノリすぎて、また新しい自分の一面を出せたと思います。
――由芽さんの中の悪が目覚めたわけではないですよね(笑)?
新條 そういうのがあるわけではないです(笑)。『キラメイジャー』に出てから、信号も常にちゃんと守ってますから。でも、こういう悪者の役は、今後はできないと思います。今できて良かったです。
撮影/松下茜
Profile
新條由芽(しんじょう・ゆめ)
1998年4月27日生まれ、群馬県出身。
2018年に『週刊ヤングジャンプ』の巻末グラビアをきかっけにスカウト。2019年にドラマ『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』で女優デビュー。2020年に『魔進戦隊キラメイジャー』に出演して注目される。映画『魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO』、『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』などに出演。写真集『ゆめいろ』が発売中。ラジオ『黄昏ミュージック』(FMぐんま)でパーソナリティ。出演したドラマ『ザ・ハイスクール ヒーローズ』(テレビ朝日系)の2話はTVer(8月14日まで)、TELASAで視聴可能。