Yahoo!ニュース

エンジェルスの「94試合連続完封負けなし」が途切れる。球団最長とメジャーリーグ最長は何試合なのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブランドン・ドゥルーリー(ロサンゼルス・エンジェルス)May 28, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月26日から28日にかけて、ロサンゼルス・エンジェルスは、マイアミ・マーリンズにスウィープされた。各試合のスコアは、2対6、5対8、0対2だ。28日の無得点により、昨年8月22日にスタートした完封負けなしのストリークは、94試合(2022年の41試合と2023年の53試合)で途切れた。

 5月28日の試合前に、エンジェルスがリリースしたゲーム・ノーツによると、94試合連続の完封負けなしは、継続中のメジャーリーグ最長(だった)。また、エンジェルス史上4番目に長く、1997年の97試合連続に次ぐという。

 球団最長と2番目については、記されていない。おそらく、ストリークが97試合まで伸びた時点で2番目を紹介し、そこからさらに……と考えていたのだろう。

 球団最長は1982~83年の129試合(94試合と35試合)、2番目は2013~14年の106試合(66試合と40試合)だ。

 エンジェルスのストリークは、最長でも130試合に満たないが、なかには、200試合以上続けて完封されなかったチームもある。1931~33年のニューヨーク・ヤンキースが308試合(55試合と156試合と97試合)、2018~19年のヤンキースが220試合(82試合と138試合)、1978~79年のミルウォーキー・ブルワーズが212試合(52試合と160試合)、2000~01年のシンシナティ・レッズは208試合(163試合と45試合)だ。

 もっとも、完封負けがない=勝率が高い、とは限らない。ストリーク中に、1931~33年のヤンキースは勝率.666(203勝102敗3分)、2018~19年のヤンキースは勝率.623(137勝83敗)、1978~79年のブルワーズは勝率.599(127勝85敗)を記録したが、2000~21年のレッズは勝率.502(104勝103敗1分)だった。

 エンジェルスの場合も、ストリーク中の勝率は、1982~83年こそ.558(72勝57敗)ながら、2013~14年は.509(54勝52敗)、1997年は.515(50勝47敗)、2022~23年は.521(49勝45敗)だ。

 なお、エンジェルスのストリークが途切れ、継続中の最長は、テキサス・レンジャーズの80試合(28試合と52試合)となった。この80試合のレンジャーズの勝率は.538(43勝37敗)だ。やはり、それほど高くはない。ただ、今シーズンは、勝率.635(33勝19敗)を記録し、ア・リーグ西地区の首位に立っている。この勝率は、ア・リーグ全体でも――ナ・リーグを含めても――3番目に高い。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事