【羽生結弦FSフォトギャラリー】羽生、今季初戦で金メダルも「もっと強くなりたい」
フィギュアスケートのオータムクラシックがカナダのトロント郊外で開催され、9月22日(日本時間23日)は男子のフリー(FS)が行われた。
平昌五輪でオリンピック2連覇を達成した羽生結弦。五輪で歴史を作った羽生は、新しいプログラムと衣装を引っ下げて、新シーズン幕開けとなるオータムクラシックに参戦。FSでは2度ジャンプに失敗して2位の165.91点と得点は伸びなかったが、21日のショートプログラム(SP)と合わせて263.65点で優勝を飾った。
羽生が「スケートに没頭する始まり」だったと言うエフゲニー・プルシェンコが演技した『ニジンスキーに捧ぐ』を原曲としてアレンジしたもので『Origin/オリジン』と名付けられた今回のFS。
「自分のスケート人生の始まり、起源、根源的なものを感じながら滑りたい」というFSは、しゃがみ込み、両腕を大きく広げた体勢からから始まる。
演技が終わった直後の羽生は、満足行く演技ができなかった悔しさをなにか言葉にして吐き出し、片膝をついて苦しそうな表情を見せた。
「本当に、ただ単に自分の実力不足が出ているなという感触がありました。これから練習して、しっかりとこのプログラムの構成に耐えうる体をつくらなくてはなと思います。これがまだ自分の実力だと思うので……。実力以上のものは演技には出ません。しっかりとこの悔しさを感じながら、次戦に向けてがんばっていきたい」と羽生の中ではまだ未完成の「Origin」を理想の形に近づけていくと誓った。
「これまでは期待に応えるため」にスケートをしていた部分もあり、「プレッシャーもすごくあった」と言うが、五輪二連覇によってそのプレッシャーにも打ち勝ち、「これからは自分のために滑りたい」と子供の頃に「スケートが(純粋に)楽しかった」ときに憧れの存在だったプルシェンコのプログラムを羽生なりにアレンジしたのが「Origin」。プルシェンコのコピーではない、羽生結弦にしか表現できない唯一無二のプログラムに育て上げていくつもりだ。
羽生がプルシェンコに憧れて五輪2連覇の偉業を成し遂げたスケーターに成長したように、今度は羽生の「Origin」を見た子どもたちが羽生を超えるスケーターに成長していく。それができたときに、「歴史を作る感がある」と言った羽生の言葉が現実となる。
「若いスケーターたちの記憶に残るような、目指したいなと思うような演技ができるようにしていかなくてはいけない」
羽生結弦の「Origin」はまだ生まれたばかりで、ここから無限の可能性を感じさせる。