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【女子野球】東北女子硬式野球連盟が誕生! きょうからリーグ戦を開催

高橋昌江フリーライター
クラーク仙台の創部から5年目。東北女子硬式野球連盟が誕生した(筆者撮影)

 東北地方の女子硬式野球チームによる「東北女子硬式野球連盟」が発足し、きょう29日(金・祝)からリーグ戦が始まる。クラーク記念国際高校仙台キャンパス(以下、クラーク仙台)の女子硬式野球部・渡辺崇部長が会長に就任し、事務局長も務める。

 リーグ戦の開幕カードはクラーク仙台対日本ウェルネス宮城。スリーエム仙台港パーク野球場にて、9時から行われる。

加盟チームは下記の通り。

○クラーク仙台高校(宮城)

○花巻東高校(岩手)

○盛岡誠桜高校(岩手)

○日本ウェルネス宮城高校(宮城)

○弘前学院聖愛高校(青森)

○惺山高校(山形)

○学法石川高校(福島)

 東北地方では、クラーク仙台が2018年に東北地方初となる高校の女子硬式野球部を立ち上げた。2020年には花巻東で女子硬式野球部が誕生。今年度は青森県、山形県、福島県で各県初の女子硬式野球部が始動した。東北女子硬式野球連盟は高校7校でスタートし、今後は社会人や中学生のクラブチームも加盟する予定になっている。

 リーグ戦はきょう29日に開幕し、前期は8月末まで28試合が組まれている。9月から11月まで後期が開催され、前後期それぞれで優勝を決める。試合は加盟チームの地元で行われる。

 部員数が多いチームは、複数チームを編成して出場することも可能で、花巻東は3チームで参戦。選手ひとりひとりの実戦機会を増やす。この春、産声を上げた弘前学院聖愛は6月頃から出場の予定。各チームの事情に配慮し、柔軟に対応しながら活動を展開していく。

■女子選手が東北地方で野球を続ける環境作り

 創部以来、東北地方の女子野球をけん引してきたクラーク仙台で部長を務める渡辺会長は「1期生の保護者に感謝のLINEを送ったんですよ。こうやってリーグ戦ができるようになるのも1期生が何もない状態から来てくれたから。あの子たちの取り組みによって、女子野球不毛の地だった東北地方で連盟ができたことは感慨深いですよね」としみじみ。自チームを強化しながら、東北地方の連盟設立に向けて奔走してきた。

 2018年にクラーク仙台で女子硬式野球部ができるまで、宮城、東北地方でプレーし、高校でも競技継続を望む女子選手は地元を離れなければならなかった。クラーク仙台を皮切りに各県の私立高校で女子硬式野球部が創部され、地元でプレーできる可能性を広げている。「東北地方の子が、東北地方で野球を続けていける環境作りのお手伝いをしていきたいですね」と渡辺会長。これまでは大会に向けて、中学生男子のクラブチームと練習試合をするなどしてきたが、連盟の誕生により、公式戦で女子チームと試合経験を積むことができるようになる。

 実戦機会を通じて地域のレベルアップもはかる。今春の選抜大会でベスト4入りしたのは西日本の高校ばかり。渡辺会長は「子どもたちが高校で野球を続けたい、このリーグ戦に出たいと思えるように、魅力ある環境やシステムを作っていきたいですね」と意気込む。東北地方の女子野球が新たなステージに入った。

会長に就任したクラーク仙台の渡辺部長。「試合を経験し、みんなのレベルが上がっていけば」と話す(筆者撮影)
会長に就任したクラーク仙台の渡辺部長。「試合を経験し、みんなのレベルが上がっていけば」と話す(筆者撮影)

フリーライター

1987年3月7日生まれ。宮城県栗原市(旧若柳町)出身。大学卒業後、仙台市在住のフリーライターとなり、東北地方のベースボール型競技(野球・ソフトボール)を中心にスポーツを取材。専門誌やWebサイト、地域スポーツ誌などに寄稿している。中学、高校、大学とソフトボール部に所属。大学では2度のインカレ優勝を経験し、ベンチ外で日本一を目指す過程を体験したことが原点。大学3年から新聞部と兼部し、学生記者として取材経験も積んだ。ポジションは捕手。右投右打。

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