「二次元の人」がダイヤモンドのように輝くための考え方
「人間丸くなる」ために
「角が取れて丸くなる」という言葉があります。川底に沈むゴツゴツとした石でも、下流へと流されていく間に角が取れて丸くなります。それと同じように人間も年齢を重ねることによって円熟味を増していきます。それになぞらえて「人間丸くなる」という表現ができたのでしょう。
ただ「人間丸くなる」ためには、以下2つの事柄が「AND条件」で必要だということを忘れてはいけません。
● そもそも「角」のある人間であること
● 「荒波」によって揉まれた体験があること
「角」のない人間というのは、この場合「丸」い人間のことを指しません。「角」もなければ「丸」くもなく、ただの平面だということです。薄っぺらい人間、と言えばよいでしょうか。
知識で圧倒する仕事術で書いたとおり、最近、多くの人が「平面」ばかりを見ています。紙や、テレビ、パソコン、スマートフォンなどの平面です。しかし、平面ばかりに触れてその分、行動がおろそかになったり、「現地現物」を軽視した頭でっかちになると発想が画一的になります。どこかで聞いたことのある話、借り物のような工夫しかできなくなり、別の角度で物事を見ることができなくなってしまいます。
「二次元の人」から「三次元の人」へ
「二次元の人」は、「角」がないため尖ってもいません。行動することでしか得られない知識が決定的に欠けているからです。考え方や発想にオリジナリティがないので個性が乏しくなります。当然、行動を伴わなければ成功も失敗も味わうことがなく、「荒波」に触れることもないでしょう。
冒頭、「角が取れて丸くなる」と書きました。しかし、「角を増やして丸くなる」という発想があってもよいと私は考えています。つまり、「人間丸くなる」ためには以下2つの方法があるのです。
● 角が取れて丸くなる
● 角を増やして丸くなる
最初は「二次元の人」であっても、何らかの目標を持ち、行動することで発想に奥行きが出てきます。多角的な視点が手に入ることにより、「二次元の人」から「三次元の人」にトランスフォームすることができるでしょう。
多面体だからこそ輝ける
個性的な人が、さらに個性を増やして丸くなっていくというアイデアも私は好きです。個性が1つしかなければ「尖っている」と言われるでしょう。しかし、個性が10も50もあれば、「球体」に限りなく近い複雑な多面体になっていきます。ある部分だけが尖って見えないのです。
人は多面体だからこそ、周囲の光を反射して輝くことができる、とも考えられます。世界標準のダイヤモンドは58面体。58のブリリアントカットが、ダイヤモンドに入射する光の効果を最大限に引き出すのだそうです。
年の瀬が近づいてきました。来年は、自分に「新たなチャレンジ」という名のカットを加えて「角」を増やしたいですね。そうすることで、いっそう輝きが増すに違いないからです。