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2018年11月28日「食品ロスの削減の推進に関する法律案」緊急院内集会開催(於:参議院議員会館)

井出留美食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)
2018年11月28日、緊急院内集会で発言する、竹谷とし子参議院議員(筆者撮影)

2018年11月28日、「食品ロスの削減の推進に関する法律案」に関し、今臨時国会での成立を目指すための、緊急院内集会が、下記の通り、参議院議員会館で開催された。

日時:2018年(平成30年)11月28日(水)17:30〜18:30

会場:東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館 B109会議室

主催:一般社団法人全国フードバンク推進協議会

当日は、参議院の本会議が急遽16時から18時30分まで開催されることになり、参議院側の議員が来られなくなってしまった。

17:35に、主催者である全国フードバンク推進協議会の事務局長、米山広明氏から挨拶があった。 

「食品ロスの削減の推進に関する法律案」というものがございまして、法案の概要が記載されております。

こちらの法案には行政や事業者の責務、関係者等の連携協力、自治体の食品ロス削減推進計画の策定に加え、消費者、事業者への普及啓発、先駆的な取り組みに対する調査研究、そして私どもフードバンク団体が行っている活動への具体的な支援も盛り込まれております。フードバンクへの支援が充実することで食品ロスの削減のみならず、貧困対策、災害対策など幅広い分野で支援が充実しますので、全国のフードバンク団体関係者としては今臨時国会での成立をとても期待しているところです。

SDGsや食品ロスという観点はもちろんのこと、福祉的な観点からもとても重要な法案ですので、改めてではございますが本法案の必要性や意義、それから成立に向けた強い期待を国会議員の皆さまにもお伝えしたい。そして一般社会にもその要請を広めていきたい。そのような趣旨で本日の開催に至っております。

具体的に食品ロス削減推進法案の中にはフードバンクへの支援として次のようなものが盛り込まれております。

1つ目は、フードバンク活動の支援。フードバンク活動のための食品の提供に伴って生ずる責任の在り方に関する調査、検討というものが入っております。こちらはアメリカにあるような免責制度を念頭に、食品企業や個人がフードバンクなどに寄付した際にその責任をどうするかというところで、アメリカにはすでに善意で寄付した食品であれば、故意や重過失がなければ法的な責任が免除される、というような法律があります。こちらにつきましてもアメリカの法案を念頭に、フードバンク活動のための食品の提供に伴って生ずる責任の在り方に関して調査、検討をする、ということになっておりますので、法案が成立することで、日本でもフードバンクに寄付した際の責任の在り方について検討が進むというところが期待できます。

それから関係者相互の連携強化というところも基本施策の中に織り込まれております。これは国及び地方公共団体それから食品関連事業者が、フードバンク活動が円滑に行われるよう、当該活動に係る関係者相互の連携の強化を図るため、必要な施策を講ずると、そういった文章が明記されております。こちらは現場のフードバンク団体では行政との連携、企業との連携、まだまだ発展の余地があるところですので、こういった法案ができることでNPOと行政との連携が進むことが期待できます。また、福祉課などとの連携は全国のフードバンク団体ではよく連携する事例があるんですけれども、学校教育機関となるとなかなかそこまで進んでいないという事例がありますので、幅広く生活困窮者をキャッチするというよりも、さまざまな福祉課、それから公的施設、団体との連携が必要になっておりますので、こちらの法案の中でそういったものが明記されている関係で、そういった行政との連携も期待できるかと思います。

出典:主催者、一般社団法人全国フードバンク推進協議会、事務局長の米山広明氏の開会挨拶

緊急院内集会の会場(筆者撮影)
緊急院内集会の会場(筆者撮影)

次にフードバンクの支援を受けた当事者からの発言があった。

私の家庭では私が中学2年の頃から6年間、フードバンクの食料支援を受けていました。

私の家は母子家庭の5人兄弟で、日々の食料にも困っているような家庭でした。晩ご飯に冷凍うどんのパック1つを家族で分け合うという日もありました。冷蔵庫を開けても食べるものもなく、常におなかをすかせていました。公共料金を払えず、ガス、電気、水道等のライフラインがとまることもしょっちゅうありました。お正月に親戚からもらったお年玉を集めてお米を買ったこともありました。あのときの母の悲しそうな顔は忘れられません。

私自身も自分の家が貧乏であるという劣等感から学校生活にうまくなじめていませんでした。友達と一緒にファストフード店に行ったときも自分は何も買えないということもありました。

ですが、そんな私と私の家を救ってくれたのはフードバンクの食料支援でした。フードバンクから送られてきた食料支援の段ボール箱には、箱いっぱいに食料が詰め込まれていて、自分を含め、兄弟が大はしゃぎで母も笑っていました。

フードバンクの活動は貧困家庭を笑顔にできるすてきな活動だと思います。この活動を広げることで、私と同じような境遇にあるたくさんの家庭や、その子どもに十分な支援が行き届くようにしてください。私と同じような経験をする子どもが一人でも減るような社会になることを願っています。

出典:フードバンクの支援を受けた当事者の発言

17:45からは、国会議員の挨拶があった。

衆議院議員の古屋範子氏

私は、公明党副代表を努めております衆議院議員の古屋範子と申します。わが党では竹谷とし子参議院議員がこの活動をずっとしておりまして、私も一緒に活動をさせていただいてまいりました。この夏は特に横浜における市と社協とそれからコンビニ、セブン‐イレブンが共同してさまざまなNPO団体に、そこからさまざまな食品を提供していくというような取り組みもございました。そういうものも参考にしてまいりました。

私も子どもの貧困対策議員連盟で、ずっと長く子どもの貧困対策に取り組んでまいりました。子どもの貧困対策法を作り、また基本指針計画も作ってきたところでございます。

今国会は衆議院の関係委員会の理事を務めております。この法案がどこの委員会、というのはまだ確定はしていないかもしれませんが、環境委員会が大変大きな役割を担うかなと思っております。ぜひとも今国会での法案の成立を目指して、私どもも皆さまと共に頑張ってまいります。どうぞ、よろしくお願いいたします。

出典:衆議院議員の古屋範子氏

衆議院議員の木村弥生氏

自由民主党、衆議院議員の木村弥生でございます。私は衆議院の厚生労働委員会、また環境委員会と消費者問題環境特別委員会のほうに入っておりまして、また自民党で食育問題の議員調査会の役員をしておりまして、この食品ロスに関しましては非常に前回の国会においても法改正になって、法案の成立を目指していたんですが、ちょっと難航したことがございました。まだまだ日本の食料自給率が40%台にもかかわらず646万トンの廃棄物があるといったこの問題に関しまして、この法律を一日も早く成立させて、もっとフードバンクや、しっかり関連できる、フランスやイタリアのような例も含めてやっていきたいと思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

出典:衆議院議員の木村弥生氏

衆議院議員の泉健太氏

国民民主党で今、政調会長をさせていただいております、衆議院議員の泉健太と申します。

私も小さい頃からパンの耳を食べてきました。そして畑ではねられた野菜を食べてきました。それを誇りに思っていますし、努めてロスの出ない食生活をしたいというふうに思ってこれまで生活をしてきました。本当にもったいない。

私たちは作っておられる方々にも思いをはせなければいけないというふうに思いますし、そして作られたものはもっと役立てることができる。こういうふうに世の中に伝えていく必要があるというふうに思います。その意味でわれわれは、ぜひともこの食品ロスというのは世界にも、天にも、国民にも唾することだというふうに、深刻な問題と受け止めて、この法案に向かっていきたいというふう思っています。

きょうはわが党で国民民主党の総務会を開催いたしまして、この法案を了承いたしました。私たち国民民主党はこの法案を通す準備を完了いたしましたので、このことを皆さまにご報告をして共に最後まで頑張っていきたいというふうに思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

出典:衆議院議員の泉健太氏

衆議院議員の大西健介氏

国民民主党、衆議院議員の大西健介と申します。

私の地元でも最近子ども食堂が幾つか立ち上がりまして、私たちもこういう活動をしているといろんな方々からいろんな頂き物をします。私のところに定期的に市場の関係者が売り物にならないバナナを持ってきてくれるんですけれども、そういうものをよく子ども食堂へうちのほうからも提供させていただいています。

私は先の通常国会では消費者特別委員会の理事をしておりました。先の通常国会でもこの法案をという話があったんですけれども。先ほど申し上げましたようにわが党は、今国会はすでに党内の手続きを終えていますけれども、私としてはむしろ先ほどお話があったような、他国であるような食品を善意で提供した場合に重過失がなければ責任を問われないというような、こういうところまでやりたい。この法案はちょっと正直言って、まだ基本法であって中身が薄いと思っています。ただ皆さんの非常な熱意を感じていますので、一刻も早くこれをまず通して、さらにその先にも行きたいなというふうに思っております。

今国会は厚生労働委員会の理事と消費者特別委員を務めておりますので、この会期の中でなんとか成立にこぎ着けていきたいというふうに思っております。皆さん、共に頑張りましょう。ありがとうございました。

出典:衆議院議員の大西健介氏

衆議院議員の堀内詔子氏

自由民主党の衆議院議員の堀内詔子でございます。先ほどごあいさつなさった公明党の古屋範子厚生労働副大臣のもとで、厚生労働大臣政務官を努めさせていただいておりまして、福祉そして子育て支援などをさせていただいておりました。

私の地元には全国フードバンク推進協議会の代表でいらっしゃる米山けい子先生がいらっしゃいます。いつもクリスマスになるとフードバンクの皆さま方のために、箱詰め作業をサンタの帽子をかぶって一緒にさせていただきます。そうしていたところ、自分自身の本当に地元を回ったところで「私の孫がフードバンクの来るのをいつも楽しみにしているのよ。娘が離婚してそして子どもを3人抱えているけれども、フードバンクがとてもありがたいわ」といった、おばあちゃまからのお話も実際に伺っております。皆さま方のなさっている活動は本当に尊い活動だと思っております。

今国会、厚生労働委員会、またその他、いろいろなものに属させていただき、仕事をさせていただいております。この法案の成立に向けて一生懸命頑張ってまいります。よろしくお願いいたします。

出典:衆議院議員の堀内詔子氏

衆議院議員の山本和嘉子氏

立憲民主党、衆議院議員の山本和嘉子と申します。私は環境委員会とそして消費者における特別委員会に属しておりまして、また総務省部会において事務局長も努めております。

食品ロスの問題は喫緊の課題だと思っております。貧困問題の取り組み、そしてうまく食品を循環させるという意味では、国を挙げての取り組みが本当に必要なことであると痛感いたしております。これからもフードバンク推進協議会の皆さまと共に頑張ってまいりたいと思いますので、またご指導いただきたいとも思っております。どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

出典:衆議院議員の山本和嘉子氏

衆議院議員の西岡秀子氏

衆議院選挙に初当選いたしました、国民民主党に所属しております長崎1区選出、衆議院議員、西岡秀子でございます。本日は本当にこのように多くの皆さまが思いを一つに集まられておりますことを心から敬意を表させていただきます。

私は初当選以来、消費者特別委員会のほうに所属を、衆議院のほうでさせていただいております。この食品ロスの法案は、本当に先の国会でもこちらの集会のほうに私も参加させていただきましたけれども、大変国際的にもこの食品ロスの問題は国際的な課題でもございますし、フード……本当にこの子どもたちの貧困に対するこの福祉的な業務においても大変重要な法案だと思っております。

そしてこの法案は国民的なこの食品ロスに対する意識を深めていく、そして教育をしていくということを大変大きな一つの視点であるというふうに思っております。皆さまと共に、成立に向けて私も全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。本日は遅れまして大変申し訳ございません。今後とも皆さまと一緒に頑張ってまいります。よろしくお願いいたします。

出典:衆議院議員の西岡秀子氏

以上、国会議員の発言が終わってから、18:00に、国内フードバンク団体からの法案への期待が述べられた。また、18:15からは、フードバンク以外の参加者からの発言が続いた。文字数制限のため、割愛する。

手前が泉健太議員、奥が西岡秀子議員(筆者撮影)
手前が泉健太議員、奥が西岡秀子議員(筆者撮影)

泉健太議員が退席するということで、再度発言があった。

今いろいろと情報が入ってきていまして、さっきも打ち合わせをしたんですけれども、ちょっと厳しい状況が出てきているようです。今国会になんとか通したいと、私たちも手続きを終えたという話をしたんですが、与党の中で少し厳しい状況が出てきているという連絡がありました。ただまだこれは国会会期中ですので、ぜひ皆さん方にも地元の議員さんを中心に呼び掛けをしていただけないかなと思います。

まず一つは今国会で、まだ政策の手続きをするぎりぎりの局面があるかもしれませんので、すぐにでも、あす、あさって、特に与党の自民党の議員の先生に、なんとかこれを今国会でやってもらえないかということを改めて言っていただきたい。もし、どうしてもということをその方がおっしゃられたり、党が、ということであれば、来年の通常国会も議員立法の場合は2つやり方があります。

1つは通常だと政府の提出した法案が、全部審議が終わってから会期末に扱うパターンです。今回のはどちらかというと政府の法案の後ですけれども。ただ1月の予算審議の始まる前にちょっとだけ日にちがあるかもしれません。なんとかここで通せないかと各党が一致すれば、1月の通常国会冒頭で通すことができるかもしれない。ぜひ、その調整をお願いできませんかというふうに言ってみてください。

その2つを全力でやっていって、なんとか事態を打開できないかなというふうに思っています。それがなければ、たぶん今のスケジュールでいくと来年6月とか、こういうスケジュールに国会上はなってしまいかねないというふうに思いますので、まだ情勢動きます。ですから今の時点の情報は変わる可能性もありますけれども、ぜひ今、こうしてせっかく集まっていただいている場ですから、やっぱり皆さんも実らせたいという思いが強いと思いますので、できる限りの努力を皆さんと一緒にしていきたいなということで、きょう、今あえてちょっとお伝えをさせていただいておりますので、どうかご理解いただいて、もうひと頑張り皆さんとしたいというふうに思います。

ということで、もちろん法律がない状況でも皆さんの団体を全国各地で支援していくと、また政治家が支援を呼び掛けるということはとても大事なことだと思いますので、しっかりときょうのお話を受け止めて、またわれわれも頑張っていきたいと思います。どうもすみません。ありがとうございました。

出典:衆議院議員の泉健太議員

18:30に閉会。

そのあと、参議院の本会議を終えた竹谷とし子氏が駆けつけた。

衆議院議員の竹谷とし子氏

公明党、参議院議員で、公明党の食品ロス削減推進プロジェクトチームの座長を努めております竹谷とし子でございます。

本日は参議院の本会議が今たった5分前に終わったところで、本当に最初から駆け付けたい思いでいっぱいだったんですけれども、しっかりと最後まで出させていただきながら、今、大急ぎで走って駆け付けてきたところでございます。

きょうは緊急の院内集会ということで、遠方から、また大変お忙しい中、このように国会にお運びくださいました皆さまに、まずは心から感謝を申し上げます。本当に皆さまありがとうございます。

3年ほど集中的に食品ロスの問題、またその調査の過程でフードバンクやまた子ども食堂、そういった活動をされておられる方々が、政府や行政の支援なしに本当に困っている人を助けたい、そういう思いから活動をされている状況を見てまいりました。

その中でいろいろな要望を受けて、できることについては取り組んでまいりましたけれども。私自身、政策的な壁というものを感じて、法律がやはりこの食品ロスやフードバンクといった問題に対して政策の優先順位を上げるために、法律が必要であるという思いに至り、公明党として骨子案をまとめ、本年の3月からこれを条文案の形として超党派の議員の皆さま方に成立に向けてご協力、またご賛同をお願いする活動をしてまいったところでございます。

その中で徐々に理解は増えてきていたところ、6月に同じように、このように院内集会を持っていただきました。そのときに私もびっくりしたんですけれども、こんなにたくさんの国会議員の超党派の方々がこの問題に関心を寄せられているということを、初めてそのとき、同じこの場所であったというふうに記憶しておりますが、教えていただきました。気付かせていただきました。そうした中で超党派の動きを徐々に、着実に広がりを見せることができたというふうに思っております。

この法案が当初は参議院から出して、衆議院に送るということで通常国会を目標にしておりましたが、この臨時国会は日程がないので、逆に衆議院から送って参議院で通そうということでまた方向性を変えて運動してまいりました。この法案は消費者特別委員会で審議をされる見込みでございます。その中で参議院も衆議院も、この消費者特別委員会に委員を出している会派、それぞれについてこの法案を通していこうという、そういう機運が今盛り上がってきているところでございます。これは前回の院内集会とはかなり違った理解、また賛同の輪が広がって高まってきている状況であるということを、その中心者の一人として実感をしているところでございます。そのように皆さまが、このような形でお集まりいただく中で機運を盛り上げてくださったというふうに考えております。

今、各党の手続きを進めていただいて、公明党はもうすでに終わっておりますけれども、野党の会派でもすでに手続きを終えているところも複数出てきております。ただ、この法案というのが小さな内容ではありませんので、食品ロスを削減しながらフードバンクの活動のほうも支援していくという。そうしたことに対して理解をしていただくには、今この本会議を通して関心を寄せている議員の方々の理解は広がっているところですが、まだまだその問題があるということを知らない議員もいる中で、そういった方に丁寧に理解をしていただく活動を各党で進めていただいているところでございます。議員の数が多い会派については、時間がまだかかっている状況ではございますが、中心となる方々については、今各党とも超党派、与党も野党も越えてこの法案を成立させようじゃないか、という機運というのは確実に高まっているところでございますので、この勢いをこのままとめずにさらに大きくして成立に向かっていきたいというふうに思っております。

ただ、今、臨時国会が非常に短い40日。12月10日までというところでございますので、成立というところを逆算すると、現実的なところで日程上厳しいかもしれません。ただ、法案の成立に至るまでには、国会で審議をするまでに各党のプロセスがございます。これをなるべく進ませようと、そういう合意まではできておりますので、次の通常国会のなるべく早い時期に、少なくとも通せるような環境を整えていこうというところはやっているところでございます。とはいえ、臨時国会が駄目になったわけではありませんので、通すというそういう勢いで各党の手続きをお願いしていくということについては、今も変わりはございません。

こういう状況になってきたというのも、重ねて何度も申し上げますが、皆さま方のこういった活動、そしてこの場に来ていただいて私も残念ながらお話を伺えなかったので、後で米山さんに詳しく伺おうと思いますけれども、現場でこんな大変なことがある。だから行政や政府がしっかりと後押しをしてくれなければ困るんだ。そういう生の声をぶつけてくださるからこそ、私たち国会議員が動くことができるものでございます。その意味でこの法案が近々成立すると私は確信をしております。そのときに国会議員だけではない、皆さまと共に成立をさせることができたと、共に喜び合えるときを目指して頑張ってまいりたいと思います。全身全霊で取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。

出典:参議院議員、竹谷とし子氏

最後に、全国フードバンク推進協議会の代表理事の米山けい子氏から閉会の挨拶があった。

全国フードバンク推進協議会の代表理事の米山けい子氏

皆さま、長時間にわたり、本当におつかれさまでした。

本日は会期中ということもございまして、またさらに急きょ参議院の本会議が行われたということで、6月とはちょっと違った雰囲気での緊急集会になってしまったんですけれども、それでも議員の先生方に何人かお越しいただき、さらに竹谷先生から熱いメッセージもいただきました。本当にありがとうございます。

また、本日のために全国からこのような時間、夕方の時間を費やして駆け付けてくださいました皆さま方に心より感謝申し上げます。

さらに日々、事務局のほうも100人以上の国会議員の先生方のところを回りまして、その説明に回っているというような事態もございまして、理解のほうは進んできているのかなと感じております。

また、さらに冒頭、勇気のある発言が、心のこもったメッセージがあったわけですけれども、その最後に「私たちと同じような経験をする子どもが一人でも減るような社会を願っている」と結ばれておりました。

この法案の成立によって、フードバンクが全国でさらに活躍ができ、そういう社会をつくっていきたいなと、また私自身も改めて強く思っているところでございます。私たちの支援を願う社会、またはそういう社会をつくるために本法案の成立が必ず必要となってまいります。本日の集会で議員の先生方に私たちの熱い声が届けられたと思います。さらにこの声をFacebook、皆さま方のお力添えで全国に、そして国民的な声にしていければと思っております。

この先はもう私どもがこれを届けた後、国会での議論になります。本当に竹谷先生はじめ、国会議員の皆さまに熱い声を国会に届けていただきたいなと思っているところでございます。

この法案の成立は未来への大きな貢献の始まりの、そういう大きな大きな歴史的一歩になると私は思っております。そのような歴史的な一歩を、本日お越しいただきました皆さま方とご一緒できることを大変光栄に思っているところでございます。

最後に、私たちの、きょうお越しいただいた国会議員の、竹谷先生はじめまして、国会議員の先生方に、またきょうお越しいただいた皆さまへの感謝も含めまして、皆さまでご一緒に拍手をもってお願いして、この最後のあいさつに代えさせていただきたいと思います。本当に本日はありがとうございました。

出典:全国フードバンク推進協議会代表理事、米山けい子氏

緊急院内集会に参加して

複数の方の発言から、今臨時国会ではスケジュール的に厳しい部分はあるが、最後まで諦めずに頑張る、もし難しかったとしても2019年1月に賭けるという言葉が聞かれた。

事業者側に「作り過ぎ」「売り過ぎ」の状況があり、事業者からの食品ロスが357万トンも発生している以上、それを活用するにしても活用しきれない状況だ。事業者側に倫理観のある事業活動を求めたい。今回の院内集会は、リデュース(廃棄物の発生抑制)より、リユース(再利用)を重視した発言が多かった。もちろんリユースもリサイクルもロス削減の上では重要だが、リデュースが最優先であることは日本の食品リサイクル法はじめ、世界共通の原則で、そのための法律案でもあると思う。

小林富雄氏の著書『食品ロスの経済学』(農林統計出版)に、「フランスの行政機関であるADEMEやフランスフードバンクへの取材より『法律ができたから変わるわけではなく、法律成立前から別の制度や国民意識が整っていた』との指摘は印象的であった」とある。

果たして日本はどうであろうか。法案が通れば万々歳、ではない。国民の意識を変革させ、行動変容に繋げていく努力も必要だと考える。

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食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け、誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。https://iderumi.theletter.jp/about

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