なぜ駅の自動改札でよく引っかかる人は「接客業」に向いていないのか?
なぜ駅の自動改札で引っかかるのか?
駅の自動改札で使用できる交通系ICカードが普及している。すでに「イノベーター(革新層)」「アーリーアダプター(初期採用層)」「アーリーマジョリティ(前期追随層)」「レイトマジョリティ(後期追随層)」を超え、ついに全体の16%と言われる「ラガード(遅滞層)」にまで達しつつある感が。累計発行枚数が1.3億枚を突破したからです。
交通系ICカードは「Kitaca」「Suica」「TOICA」「ICOCA」「SUGOCA」「PASMO」「manaca」「PiTaPa」「はやかけん」「nimoca」など10種類。日本全国すみずみまで、ほぼカード(もしくはモバイルSuicaなどのアプリ)で乗り継ぐことができるようになりました。
ただ、これだけ普及しているにもかかわらず、朝のラッシュ時に自動改札で引っかかる人がいます。うまくタッチできなかったのか、残高が足りなかったのか、ICカードの「Suica」からスマホの「モバイルSuica」に変えたばかりで不慣れだったとか、理由はいろいろあるでしょう。
しかし、引っかかったすぐ後ろの人にとっては、あまり気持ちのいいものではありません。とくに朝のラッシュ時は、電車を降りてから会社までの導線を頭に入れながらスピーディに行動したいため、想定外の出来事にあうと強い戸惑いを覚えます。高速道路で渋滞に引っかかることは「想定内」です。が、目の前の人が自動改札に引っかかることは、多くの人にとって「想定外」なのです。
自動改札によく引っかかる人は「接客業」に向いていない
明らかにまだ不慣れな場合はともかく、しょっちゅう自動改札に引っかかる人がいます。そういう人は、気を付けたほうがいいでしょう。注意が足りないと言えます。「たまたま残高を確認し忘れた」「たまたまタッチがうまくできなかった」……などという言い逃れは、何度も通用しません。ちなみに、そういう人は「サービス業」「接客業」には向いていないと言います。特に付加価値の高い商品を販売する店舗スタッフは務まらないでしょう。「キャリブレーションスキル」――いわゆる「先回りの観察眼」が足りないからです。
優秀な客室乗務員は、「乗客にコールボタンを押されたら負け」と常に考えています。コールボタンを押される前から、乗客がこちらを見る目や、見ていなくても行動の変化などを察知し、先回りして声をかけることが大事であると意識しています。
接客業をしない人でも、周囲に対する気配りを身につけたければ、相手の一挙手一投足を見つめ、次に自分が何をしたらいいのかを先回りして観察する力「キャリブレーションスキル」は重要。自動改札で引っかかったら、後ろの人がかなりイヤな顔をするだろうな、朝からそんな気持ちにさせると悪いな、と少しでも考えれば、それぐらいの「先回りするスキル」は自然と身に付いていくことと思います。