『不適切にもほどがある』第3話で八嶋智人、秋山竜次よりつめ跡を残したあの人
毎週の放送毎にネットニュースやSNSをざわつかせているTBS金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』。第3話は、昭和に戻った小川市郎(阿部サダヲ)と令和の渚(仲里依紗)が、それぞれの時代のテレビ番組収録で巻き込まれるドタバタが見どころとなっていた。
昭和では、娘の純子(河合優実)がお色気バラエティに出演することになり、市郎は保護者としてスタジオに同伴。下ネタもセクハラも全開のベテランタレント・ズッキー(秋山竜次)をMCに、AV女優やオネエタレントたちに混ざって素人の女子高生である娘が相撲対決に参加するのをハラハラしながら見学するも、スタジオで大騒ぎをする。
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一方、令和では、渚の先輩プロデューサー栗田一也(山本耕史)の担当番組でMCの女性スキャンダルが報道されることがわかり、渚が奔走した結果、急遽ゲスト出演予定だった八嶋智人(本人役)が代役でMCを務めることになる。八嶋は持ち前の軽妙な話術と人柄で番組を進行するが、プロデューサーにより度々不適切発言を指摘されて謝罪を重ねていく。
そんな「昭和のお色気バラエティ」と「令和のコンプラ情報番組」の収録現場のドタバタがカットバックして対比されるなかで、秋山のセクハラが板についた昭和のベテランタレントぶりと、八嶋のけん玉で1時間つなぐことになる巻き込まれキャラクターのうまさが光る。そして、それらを笑いにつなげる回し役を担っていたのが、キャパオーバーでわけがわからなくなるプロデューサーを怪演した山本耕史だ。
山本といえば、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での市原隼人との“裸リレー”や、『きのう何食べた?』(テレビ東京系)でのジルベールに翻弄されるドMの芸能マネージャー役、映画『シン・ウルトラマン』で名言を残した、外見は人間で中身は外星人のメフィラス役、シリアスサスペンス『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)での息抜きのパートを担っていた編集者役など、数多くの作品で強烈な印象を残している名優であり、王道とは異なる立ち位置のスターだ。
『不適切にもほどがある!』第3話では、生放送中の八嶋に進行アドバイスとともに発言のダメ出しをするが、次第に暴走し指示がおかしくなっていく。それを受けたり、流したりする芸達者な八嶋との絶妙なやりとりが映えていたが、それを根底から支えていたのは道化を演じる山本の芝居の妙。後半では山本が映るだけで笑いが生まれるほどのインパクトを残していた。
この先の令和パートのストーリー展開のなかで、笑いを担うキーマンになっていくのではないだろうか。
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