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最強望遠鏡による海王星の最新画像!新発見も解説

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「JWSTが撮影した最新の海王星画像」というテーマで動画をお送りしていきます。

去年2021年12月25日には、あのハッブル宇宙望遠鏡の後継機と期待される「ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」の打ち上げが成功しました。

ハッブル宇宙望遠鏡は高度約570kmを周回し、そこから宇宙を観測していたのに対し、JWSTは太陽-地球系の「ラグランジュ点2(L2)」というところから観測を行います。

ここは地球から150万kmほど離れた場所です。

そこで様々な調節を済ませ、今年7月から本格的な科学観測を始めることに成功しています。

それからいくつもの美しすぎる画像たちを公開してくれていますが、今回は海王星の最新画像が公開されていたので、紹介します。

●海王星

海王星は、2022年9月時点で太陽系最遠の惑星です。

太陽からの距離は地球の約30倍も遠いため、太陽光が非常に届きにくく、約-220度と極寒の世界となっています。

公転周期も約165年と、海王星の1年は非常に長いです。

海王星は地球の4倍近い直径と、約17倍の質量を持ちます。

土星や木星と比べると小柄ですが、地球よりもかなり大きな惑星となります。

海王星表面は木星や土星と同様、水素やヘリウムを主成分とする分厚い大気で覆われていますが、内部では水やアンモニア、メタンなどの元素が主成分となっています。

海王星が私たちの目で青く見えるのは、海王星の大気に微量に含まれているメタンが青い光を反射し、赤い光を吸収するからであると考えられています。

●最新画像

では今回の本題である、JWSTが撮影した最新の海王星画像を紹介していきます。

JWSTは海王星からやってくる電磁波のうち私たちが見える光ではなく赤外線を観測し、その波長や強度に応じて、可視光で着色して画像化されています。

そのため見慣れた海王星とは異なる色をしています。

最も目を引くのは、その周囲に映った美しいリングです。

海王星は非常に遠い上、リング自体が低密度なので、1989年にボイジャー2号によって初観測されて以降、一度も観測されたことがなかったそうです。

それだけ観測が難しいリングがこれほど鮮明に捉えられているのは、JWSTの恐るべき性能の高さを物語っています。

また、赤道上が薄っすらと白く見えているのは、この部分の大気が他と比べて高温であるためです。

その理由として、海王星の大気が赤道付近で下降して暖められるからであると考えられています。

そしてこの画像には映っていない、海王星の北極付近がとても明るくなっているのも気になります。

ただし先述の通り海王星の公転軌道は165年なので、地球から海王星の北極を見れるのは何十年も後になります。

そしてこちらはJWSTによる海王星画像の全貌です。

海王星には14個の衛星が発見されていますが、この画像だけで7つもの衛星が写っています。

その中でも圧倒的に輝いて見えるのが、海王星最大の衛星「トリトン」です。

最大とはいえ、海王星の20分の1程度の直径しかないにもかかわらず、海王星よりもまばゆく輝いて見えます。

実は海王星大気に含まれるメタンは太陽からの赤外線を吸収してしまうため、JWSTのような赤外線の観測だと暗く見えてしまっています。

一方トリトンは全面が氷に覆われており、海王星とは反対に太陽光をよく反射します。

このように両天体の反射率に差があるため、トリトンが大きさの割に非常に明るく見えています。

●JWSTが撮影したその他惑星たち

では最後に、JWSTが撮影した木星と火星の画像も併せて紹介します。

こちらは、JWSTが撮影した木星の姿です。

何億kmも離れた位置から撮影したとは思えないほど、その極めて詳細な構造まで明確に映し出しています。

特に右下の大赤斑や南北極のオーロラが美しいです。

右下にある大赤斑は地球を軽く飲み込むほど巨大な嵐ですが、色々な波長の光が混じった太陽光を反射しているため、このように白っぽく見えています。

木星の極にはその衛星であるイオから豊富な物質が流れ込んでくるため、太陽系内の他の天体では類を見ないほど強力なオーロラが現れています。

そしてこちらはJWSTが撮影した火星です。

JWSTは非常に多くの赤外線を集められるため、遠くの暗い天体を見るのに長けていますが、逆に火星のように近くにある天体は明るすぎます。

そこで非常に短い期間だけ火星からの赤外線を集め、このようにデータを得ることに成功しています。

右の2枚がJWSTから得られた実際の画像、左がJWSTが撮影した火星の位置を示した地図です。

右の上下の2枚は、赤外線の異なる波長で捉えた画像です。

右上は2.1マイクロメートルの赤外線で撮影した火星で、その地表の構造が浮かび上がっています。

右下は4.3マイクロメートルの赤外線で撮影した火星で、太陽に暖められた大気の温度が反映されています。

太陽が真上に来る地点が最も高温で、赤外線でも最も明るくなっています。

場所ごとの大気の温度が反映された右下の画像には、最も明るい地点の下の方に少し暗い部分があります。

これは左の画像でもわかる通り、ヘラス平原と呼ばれる巨大な盆地で、火星最大の衝突クレーターです。

盆地上空の大気は他の地点よりも濃く、さらに火星の大気の主成分である二酸化炭素が赤外線を吸収しているため、このように大気が濃いヘラス平原から反射して地球に届く赤外線が弱くなっています。

https://esawebb.org/news/weic2214/
https://esawebb.org/images/jupiter-auroras1/
https://www.sciencealert.com/jwsts-first-glimpse-of-mars-reveals-the-red-planet-in-a-new-light

「宇宙ヤバイch」というYouTubeチャンネルで、宇宙分野の最新ニュースや雑学などを発信しているYouTuberです。好きな天体は海王星です。

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