【河内長野市】水落バス停の名前の由来になった場所に行くと、河内長野の秘境のようになっていた。
公共交通派の私は市内を回るときには南海バスを利用しますが、その時に停留所の名前で「なぜ」と思うようなところがありますね。
そのうちのひとつがから高向(たこう)にある水落(みぞおち)バス停です。
水落という字から推測すると、この場所に水が落ちてくるという意味になりますが、水が落ちるとはどういうことでしょうか?
その答えは、昨年ふるさと歴史学習館で開催された、「寺ヶ池私の調べ学習ノート」という展示会でわかりました。
展示している内容の中に、寺ヶ池水路の経路についての紹介があります。
その中の⑥のところに水落(越後落とし)というものが紹介されています。これが水落の名前の由来だったのです。
さらにこれを詳しく見ると、寺ヶ池水路が⑥の地点で水路が分岐していて、高向・上原(うわはら)方面に水を流すために、越後落としという場所を設置したという事がわかります。
とても気になった私は、水落の現場を見る事ができないか行ってみることにしました。
上原第2公園から続く登り道を歩いていくと、寺ヶ池水路の道と合流できます。
右側の道を歩くと、このように寺ヶ池水路の道と合流しています。
ということで水路を西方向、水落を目指して歩きます。
ここはちょうど赤峰トンネルの上のあたりです。水路の上に鉄板が乗ってあり、暗渠のようになっていますが、この鉄板のおかげで先に進めます。
赤峰トンネルの上から下の道路を眺めます。
寺ヶ池水路をさらにさかのぼっていきましょう。
寺ヶ池水路の道は地図アプリにも表示されず、今回途中ではだれにもすれ違いません。ただ足場は本当にしっかりしており、問題なく歩けました。
この辺りは里山再生プロジェクトによる整備が行われているんですね。
さらに前に進むと、秘境のような雰囲気になってきました。
ところが、このように日本農薬という文字がみえますね。
秘境のように見えるこの場所の高台には大阪千代田短期大学(高野山大学)や日本農薬の研究所があり、下側には道路と住宅があります。
ちなみに日本農薬さんの研究所は、昨年のワークワクワク河内長野のツアーで見学しました。
柵の先が日本農薬さんの敷地内、ただここからでは建物も見えず山の中に迷い込んだような気がします。
やがて水門のようなものが見えてきました。また水が落ちるような音も聞こえます。
ここが水落の地点です。画像上側から流れている水がここで左側と下側に分かれています。下側に流れている水は今まで歩いた道のほうに流れていきますが、左側の水は下に落ちています。
左側の水です。激しく白色をした水が落下していくのがわかります。これはふるさと歴史学習館で見た水落(越後落とし)の写真と同じです。
ここに来るまでは静かだったのに、ここだけ水が落下する轟音が激しいです。
少しでも雰囲気を味わってもらいたいと、落下の様子は動画にも押さえました。
水利組合によって、どちらにどのくらい水を送り込むのか調整するわけですね。
水落と書かれた石碑があります。
せっかくなので、この先までいけるか試そうと思いましたが、どうもこの先は進めないようになっていて、歩きやすかった水路横の道もなく、雑草が生えていました。
それとは別に、高台に上がる道を見つけました。
この道を上がっていくと、道は続いているようですが、藪に覆われていました。会社の敷地の隙間を縫うように道が続いているようでした。
この道を使って出ても良かったのですが、そうするとあまりにも違う方向に行きそうだったので、この道は行きませんでした。
水落の水路沿いに降りられる道をみつけました。
このまま降りることができれば、水落バス停の近くまでいけるかなと思いましたが、水路がトンネルになっているところから先は藪になっていて、前に進めそうにありません。
結局来た道を引き返しました。後で考えてもそれが正解です。寺ヶ池水路は水落までは比較的簡単に行けることがわかりました。
ということで、上原第2公園まで戻ってきました。
越後落としの先が見たいと思ったので、上原第2公園から水落バス停まで行くと、山のほうから下りていく水路を発見しました。
この先は草に覆われて進めませんが、はっきりとわかることは、高いところから一気に水が落ちている様子です。この草の先には先ほど上から見た越後落としがあるものだと考えられます。
これは後で分かったことですが、上原町の範囲を調べると、すごいいびつにも感じるような町の範囲を示しています。
東側にあるオークワや業務スーパーがあるあたりだけが上原町と思えば、実は赤峰市民広場の南側から、高向の北側に細長く続き、日野の近くまでが上原町として続いています。
よく考えたら、地図に追加した寺ヶ池水路のルート上の多くが、今回訪問した水落を含めて上原町だったんですね。
昨年、寺ヶ池の水利組合の方たちと寺ヶ池を回るツアーに参加した時に、やけに「うわはら」というキーワードが耳に入りました。
当時の私はこのことがまだ良くわかっていなかったのですが、今回水落の地点を見学し、上原町と見比べることで、ようやく納得しました。
ということで、水落バス停の由来から寺ヶ池水路から分岐する越後落とし(水落)の様子を紹介しました。
大学や研究所と住宅地に挟まれているところなのに、秘境のように誰もいないところにあったスポットでしたが、上流から流れて寺ヶ池方面と高向・上原方面に流れる水の分岐点、なかなか迫力がありました。
水落(越後落とし)
住所:大阪府河内長野市高向・上原町
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス上原口バス停から徒歩20分
※記事へのご感想等ございましたら、「奥河内から情報発信」ページのプロフィール欄にSNSへのリンクがありますので、そちらからお願いします。