『12月解禁』だからこそ注意!就活を期末試験と両立するため年内にやっておくべきこと
「12月解禁」の弊害?
先日東京大学新聞社さんから取材をいただいたのですが、その時に「就活解禁から年明け以降の就活のスケジュール」についてお話しました。
2016卒の新卒採用はまた採用活動解禁日が変わるのですが、今年のように12月解禁になってしまうと、年末年始が非常に慌ただしくなってしまいます。
大学によって多少スケジュールは異なりますが、1〜2月は大学の期末試験もある時期です。ざっくり書きますと、私立大学なら1月、国立大学なら1月後半〜2月前半がピークでしょうか。
一方で就活の方は、4月の内定ラッシュ(第一陣)に向けて「3月:説明会・選考ラッシュ」「2月:説明会・エントリーシート締め切りラッシュ」が待ち構えており、逆算すると1月には試験勉強をしながらエントリーシート対策、説明会予約をしなければいけないという事になり、大半の就活生は時間に余裕がなくなります。
これらの話は、採用活動が10月解禁だった頃にも同じことが言えるのですが、12月解禁になってから輪をかけてスケジュールに余裕がなくなっています。
昔なら10月頃から「どんな業界・企業があるのか」と興味を持って動いていた層が、12月からしか動かなくなったために、業界研究・企業研究が足りない中でいきなりエントリーシートを書いたり選考に参加するという状況になってしまっています。
夏のインターンシップに参加している学生層と、12月1日から動き出している学生層は、完全に2極化してしまったと言っても過言ではないでしょう。
出遅れてしまった場合、今から出来ること
前述のとおり、1月は大学の試験と、選考本格化に向けての準備があるために非常に忙しくなってしまいます。だからこそオススメしたいのは、月並みですが「年内にできることは年明けに持ち越さない」ということです。
具体的に書きますと、たとえばエントリーシート対策。
志望動機などの項目は企業によって内容が変わって当然ですが、自己PR系の項目(学生時代頑張ったことや、強み・弱みなど)は、細かい設問内容の変化や指定される文字数が違ったとしても、根本的には同じ内容を書くことが多いものです。
エントリーシートにおいては「400字程度」などの文字数で提出を求められる事が多いのですが、一度要点をまとめてしまえば、あとは簡単な微修正で対応できるでしょう。何も、大学の試験勉強をする時期に一から書き上げる必要はありません。
1月に入ってから慌ててESを書き始め、提出直前に「これは駄目だ」と悟って一次募集でのES提出を諦めたり、提出2〜3日前に内定者や社会人に助けを求める方も多いのですが、これは非常にもったいないです。
ですので年末までに一度、エントリーシートで頻出する内容をチェックして、「提出するつもりで」書いてみることをオススメします。可能であれば、年内にエントリー締め切りが設定されている企業に応募してみると良いでしょう。
一度書き上げた後に「やっぱりこう書いた方が良いかもしれない」とスクラップ&ビルドを繰り返すことはあると思われますが、それでも試行錯誤を繰り返した分だけ、確実に文書としてのクオリティは向上します。
以前Yahoo!ニュース個人で「PDCAサイクル」について解説させていただきましたが、エントリーシートを書く上でもこのプロセスは当てはめる事ができます。是非、早い段階でPDCAサイクルを回す意識を持っていただければと思います。
就活を開始したばかりの就活生のエントリーシートは本当に読みづらいものが多いものですが、就活を通して色んなダメ出しを受けながら、文書を書くスキルも上がっていきます。
偉そうに書いていますが、私も学生時代に就活を始めた当時は酷いESを書いていました。社会人や内定者の先輩方に沢山のダメ出しをもらったからこそ、それなりにまともなESが書けるようになっていきました。(ちなみに、その時に大変お世話になった社会人の方に書いていただいた、ES対策のためのコラムがこちらです。)
それに関連して、OB訪問・OG訪問も年内からお願いしておくのが良いでしょう。
社会人も年末は忙しいので年末にお会いできるとは限りませんが、早く依頼しておくに越したことはありません。特に人気企業で働く社会人ほど年明けはOB訪問のアポイントが沢山入りますので、遅れれば遅れただけ、依頼しづらくなってしまいます。
筆記試験対策に自信が無い方も、対策するなら今。
次に、筆記試験(ウェブテストを含む)に自信が無い方も、対策するなら年内にやっておくべきでしょう。
本当は採用活動解禁前にやっておくべきだったのですが、現時点でやってない方は、出来る限り今のうちにやっておきましょう。
エントリーシート対策などをある程度前倒しで行ったとしても、実際に選考を受けていく中で、改善・軌道修正するべきポイントは出てきます。(…こう書くと、「だったらエントリーシート対策は年明けで良かったのでは」と勘違いされそうですが、前述のとおり試行錯誤を繰り返した分だけレベルは上がっていきますので、年内から対策しておくことは無駄にはなりません。)
一言で筆記試験と言っても、数学算数系、国語系、英語、一般常識など様々なジャンルがあります。中学受験をしていた方には算数系の問題は簡単であることが多いのですが、そうではない方にとってここが鬼門になることもあります。
筆記試験をどう活用するかはその企業によって異なりますが、選考時「どの学生を通過させるか」を考えた時に筆記試験の点数が参考にされることもあれば、学歴などのスペック面のハンデが筆記試験の点数によって逆転できてしまう事もあります。(もちろん逆転されることもあります)
エントリーシートや面接の対策とは異なり、筆記試験対策は参考書を買って自分1人で進めることも可能です。
年末など、家でゴロゴロするくらいなら筆記試験対策をやっておいて損は無いでしょう。
エントリーするのは年明けでも良いが、業界研究をじっくり出来るのは今だけ
ここまで書いても、「自分の志望業界はまだエントリー締め切りが遠いので大丈夫」と思っている方もいらっしゃることでしょう。
しかしエントリーシートを書く時に初めて業界研究・企業研究しているようでは、完全に後手に回ってしまうことは想像に難くないでしょう。
業界研究をした後に、自分の立てた仮説を確かめたり、追加の情報収集をする時間だって必要になります。
(なお、企業研究の具体的な方法がイメージ出来ない方は、こちらの記事を参考にしてみてください。)
「OB訪問のお願いも年内にしておきましょう」と先ほど書きましたが、せっかくOB訪問ができても、そこで企業HPや本を読んでわかるような質問に終始するのは、非常にもったいないことです。やはりある程度は自分で勉強し、自分なりの考えや仮説を持った上でOB訪問をしなければ、有効な施策にはなりません。
つまり逆算すると、年内にはある程度興味が持てる領域の業界研究・企業研究をしておかなければいけません。
(ただし、志望業界を1つに絞る必要はありません。)
企業研究をしろと言っても一筋縄では行きませんが、情報収集し、自分で考え、考えたことへフィードバックをもらうというプロセスを何度か繰り返せば、それだけでも大きな前進が期待できると思います。
これだけやっても、それでも年明けは忙しくなる
これだけのことを年内にやったからといって、年明けのスケジューリングが余裕になるというわけではありません。
(エントリーシートが通過しなかったり、説明会の予約が全然取れずになかなか予定が埋まらず、それによって焦る方も出てくると思いますが、それは次回の記事で言及したいと思います。)
私が運営している就活SWOTでは、そういった情報収集やスケジューリングの負担を減らし、就活の中で本来集中すべきポイントに時間を使ってほしい…という考えから、特定ナビサイトに依存しない就活カレンダーを公開しています。
このツール自体は、年明け以降の忙しさを軽減する上ではある程度役立つものであると好評いただいていますが、それでも年明け以降の就活は多忙を極めます。
そのハードスケジュールを乗り越えることも、社会人になる前の1つの修行…そんな考え方も出来なくはありませんが、それを言うなら「前倒しで計画的に物事を進める」ことも社会人に求められる仕事の進め方です。
前述のように
2月は説明会・エントリーシート提出締め切りが多く、
3月は説明会やES締め切りが引き続き多い中で選考(面接やグループディスカッション、筆記試験など)が始まり、
4月は内定が出る方も多くなる中、引き続き選考が行われます。
もちろん4月以降の二次募集を行う企業や、いつでも応募できる企業もあるのですが、自分の志望する業種・職種のスケジュール感には注意して、逆算しての行動をしていただければと思います。
年明け以降は「年明けでなければ出来ないこと」に専念するために、今のうちからスタート出来ることは、今のうちに済ませておきましょう。