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「ジャニーズのおかげで、今がある」元ジャニーズのNY在住27年経営コンサルタントに聞く第4回

佐藤智子プロインタビュアー、元女性誌編集者
photo/Takuya Yamauchi

第4回

NY在住経営コンサルタント、板越ジョージさんに聞く

「成功と挫折を糧にできたのも

ジャニーズのおかげ」

photo/Takuya  Yamauchi
photo/Takuya Yamauchi

NY在住27年の経営コンサルタント、板越ジョージ

元ジャニーズという異色の経歴を持つ。

いったい何者なのだろうというくらい、様々な顔を持ち、

その時その時の時流に合わせて、世界を飛び回っている。

現在は、クラウドファンディングの日本での第一人者として、

『クラウドファンディングで夢をかなえる本』(ダイアモンド社)を発刊し、

株式会社クラウドファンディング総合研究所を立ち上げ、セミナーに奔走する。

その原点は、実はジャニーズにある。

NYの前に、自分の人生に大きな影響を与えたもの。彼が今まで語らなかった部分について、インタビューを試みた。

失敗、挫折を繰り返してもそれでもなお、生き残る、再生するためには?

ジャニーズで学んだこと、ニューヨークで培ったことが活かされている。

Q ちょっと、話を戻しますが、大学に入ろうと思って勉強をして、そこから、何がきっかけで、ニューヨークなんですか。誰が言い出したんですか。

A なんで、アメリカに行ったかですか? それとも、ニューヨークに行ったかですか?

Q まず、なぜ、アメリカに行ったかです。

A 大学受験失敗して、でも、やっぱり、子供の頃からイケてるところにずっといて、高校時代もイケてるグループにいて、でも、大学に行くと、急にイケてなくなっちゃうじゃないですか。要するに、その後の18、9歳から20代前半までのイケてるって何かと言ったら、いい大学に行って、いいところに就職するというのが、イケてる人じゃないですか。だから、今度はそっちを目指したわけですよ。でも、そこの入口で、挫折したから、だからもう僕はアメリカに行くという選択肢しかなかった。リセットかけるには。

Q その当時、留学とか、アメリカに行くとか、それもかっこよかったですものね。

A そうですね。当時は、当然、飛行機とか乗ったことがなかったし、アメリカに初めて行く時なんかは、高校時代の不良仲間がみんなでヤンキーな車を引き連れて、成田空港まで、みんなで送ってくれて。

Q その時、どういう意味合いで行ったんですか。アメリカにちょっと、行ってくるみたいな。

どんな大義名分があったんですか。

A その時は、僕は、アメリカのハーバードみたいなところに行って、超イケてるビジネスマンになろうと思って、いきました。

Q とりあえず、アメリカに行ったんですか。

A いえいえ、大学に行くために。要するに、もう、日本の初めのレールに乗ってないじゃないですか。そしたら、やっぱり、アメリカにでも行って、アメリカの大学でも卒業して、戻ってくるくらいじゃないと、と。

Q 何でしょう。板越さんの軸の中に、こう、見切りも早いですよね。これがダメならこれがあるという。でも、自分の中で、誰も行かない道を行くみたいなのはけっこうあるんですか。

A というかね、イケてるところに行くという感じがすごくする。

Q かっこいいことがしたい。だから、誰でもできることはしたくない?

A というか、たぶん、僕の中で、誰でもできるというようなことは、あんまりかっこいいと思えないってことですかね。流行の最先端というのは、人がやっていないことじゃないですか。

Q それは、感覚でいうと、どんな感じなんですか。ワクワクする感じですか。人のやっていないことをやっていくというのは。いつもどんな感じ?

A 逆に、僕が言うと、それが普通。

Q じゃあ、人と同じことをやったらどうなります? やったこと、ありますか。地味に生活するとか。

A 窮屈だと思うでしょうね。刺激がないからじゃないですか。

Q 誰もしないことをすることをするのが当たり前なんですね。

では、アメリカに行きました。どれくらい行くつもりだったんですか。日程は。

A いや、それは、大学卒業するまで。たぶん、大学受験失敗した時に、日本は俺を必要としてないんだ、と思ったんですよ。だから、日本が俺を必要とすると思うまでは、日本に帰らないと思ったんです。日本が帰ってきてと言ったら帰るけど、そうじゃないと帰らないと。

Q 大きく出ましたね。発想の転換が、おっきいですよね。

うん。そう言われても、僕は普通と思っていることなんで。

Q この生き方って、けっこうオススメですか。例えば、大学受験失敗しても、受かるまで、受け続ける人はいるじゃないですか。何年も何浪もして。そうじゃなくて、パッと切り替えて、僕を必要としてないんだな、この大学は。じゃあ、必要としてくれるアメリカに行ってやるみたいな発想の転換というのは。

A ダメなものはダメだから。無駄な抵抗してもしょうがないんで。だったら発想を変えて、違うことをすれば、要するに、ゴールは一緒なわけだから。ゴールにどう達成するかで。

Q じゃあ、恋愛とかも、好きな人に告白して、ダメだったら、すぐにあきらめるタイプですか。

A うん。

Q 無理やりはしないということですね。それは、時間の問題もある?

A なぜかというと、自分の人生の中で何度か、無理なものを何とかしようとやったことがあったけれども、うまくいった試しがないんですよね。

Q つまり、それっていうのは、流れに逆らわないってことなんですかね?

A うん、ですね。

Q むしろ、流れに乗るというか。ここを無理やりするよりも、流れに沿ったほうがいいと。

A 流されるっていう。初めに話が戻るけれど、ジャニーズに入って、ああしろこうしろと言われて、言われた通りにハイってやるじゃないですか。あれって、いい意味で、流されるわけですよ。

Q でも、そのおかげで、いろんな新しいことがわかるわけですものね。

A そうですね。だから、そこで、流されればよくって。

Q で、アメリカ行って、結局、バックパッカー35カ国行くじゃないですか。あれはどういう意味なんですか。

A 80年代後半って、ソ連が崩壊したり、ベルリンの壁が崩壊したりとか、ゲリラがあっちこっち起こっていたりする中で、今でいうと、じゃあなんで、あんなにイスラムの人たちが反抗するのか、なんであんなになるのかって、彼らの価値観がわからないと、どうやっても理解できないじゃないですか。だから、僕は、自分の持っている価値観を全部ぶち壊して、いろいろな価値観を入れてみて、最終的に、何が正しいかというのを見たいと思ったんで、だから世界を回って、それぞれの価値観をまず受け入れる。何も自分でジャッジしないで。

Q 実際、35か国行って、この国はちょっと無理というような国はなかったんですか。

A ないですね。

Q どんな感じで、例えば、空港出ました、そこが、なんじゃそりゃという国であってもすぐにそこの住人になれるんですか。

A やっぱり、なんだろ、今でも、僕は食べものでも好き嫌いがないんですよ。それと同じだと思いますよ。

Q でも、別に、何でもいいわけではないでしょ。許容範囲が広いということ? 受容力があるということ?

A いや、だから、許容範囲を広げようというので、世界を回ったんです。

Q もともとはどうなんですか。小さい時に、一定の友だちしか遊べないとか、人見知りが激しいとかではない?

A 人見知りは人見知りですよね。こう見えて。

Q でも、そこまで、激しくイヤと拒否することもない。

A うん。

Q じゃあ、ジャニーズで洗礼を受けながら、徐々に広がっていって、広がることが楽しくなったんですかね、ある時から。

A そもそも、いろんな人がいるっていうのが、僕の中の前提だから。「ああ、いろんな人がいるよなあ」って思いますよね。すごいイヤなことを言われたりとか、イヤなことがあったら、世の中っていろんな人がいるんだなって、思うんで。あとは、自分が付き合いたいか、付き合いたくないかなんで。逆に言うと、好きがはっきりしているんでしょうね。

Q じゃあ、まずは、肯定。

来る者拒まず、去る者追わずです。まずは、受け入れる。あとは、好きか嫌いか、必要か必要じゃないかっていうのを選別して。必要なものは取り入れるし、不必要なものは切るし。

Q それは、ジャニーズから始まる、アメリカ進出っていう感じですよね。

では、ニューヨークに住み続けますというのは。いろんな国を回って、なんで、ニューヨークなんですか。

A そりゃあ、あんまりカッコいい言い方はしたくはないけれど、世界の今の中心地は、まぎれもなく、ニューヨークだと思うんで、ニューヨーク以外の選択肢は僕にはなかった。

Q やっぱ、ニューヨークはかっこいいですか。

A うん。だって、ニューヨークは一番でしょ。っていう、単純な理由ですね。たぶん、僕がロスに行ったら、ニューヨークに憧れると思うし。サンフランシスコに行っても憧れると思うし。ロンドンに行っても同じ。それは、単純に僕のいる世界だとすると、ニューヨークは一番だから。

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次に続く

「夢をかなえるクラウドファンディングとは?」

プロインタビュアー、元女性誌編集者

著書『人見知りさんですけど こんなに話せます!』(最新刊)、『1万人インタビューで学んだ「聞き上手」さんの習慣』『みんなひとみしり 聞きかたひとつで願いはかなう』。雑誌編集者として20年以上のキャリア。大学時代から編プロ勤務。卒業後、出版社の女性誌編集部に在籍。一万人を超すインタビュー実績あり。人物、仕事、教育、恋愛、旅、芸能、健康、美容、生活、芸術、スピリチュアルの分野を取材。『暮しの手帖』などで連載。各種セミナー開催。小中高校でも授業を担当。可能性を見出すインタビュー他、個人セッションも行なう。

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